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「Photon Camp」、名和晃平のロサンゼルス初個展がPace Galleryで4/11(土)開幕

Apr 6, 2026
ロサンゼルスのPace Galleryで、名和晃平の個展「Photon Camp」が2026年4月11日(土)から6月6日(土)まで開かれる。(IMAGE:Kohei Nawa, PixCell-TV/Angels/Crow/Decanter, 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.)

「Photon Camp」、名和晃平のロサンゼルス初個展がPace Galleryで4/11(土)開幕

Apr 6, 2026 - NEWS
ロサンゼルスのPace Galleryで、名和晃平の個展「Photon Camp」が2026年4月11日(土)から6月6日(土)まで開かれる。(IMAGE:Kohei Nawa, PixCell-TV/Angels/Crow/Decanter, 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.)

本展は代表的な彫刻シリーズ《PixCell》と《Prism》の新作約20点が並び、名和にとってロサンゼルス初の個展となる。ギャラリーの建築空間と呼応しながら、作品群が一体となったインスタレーションが広がる。

Kohei Nawa, PixCell-Elk#3, 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.

Kohei Nawa, PixCell-TV/Angels/Crow/Decanter (detail), 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.

名和晃平は、絵画、彫刻、インスタレーションを横断しながら、多様な素材を用いて物理空間と仮想空間、自然と人工、個と集合といった関係性を探究してきたアーティスト。その制作の背景には、情報技術が私たちの身体感覚や知覚体験にどのような変化をもたらしているのかという問いがある。作品に見られる視覚的な歪みや変容は、デジタル時代の感覚のあり方を感じさせる要素となっている。 

本展のタイトル「Photon Camp」は、名和が長く取り組んできた知覚や感覚現象への関心を前景化するものだ。名和にとって作品とは固定された物体ではなく、無数の光子が瞬間的に結びつくことで生まれる現象のような存在であるという。名和が長年展開してきた《PixCell》と《Prism》という二つのシリーズを同時に用いたインスタレーションは今回が初の試みであり、自然と人工、現実と虚構、聖と俗といった境界の緊張関係が空間のなかに現れる。

Kohei Nawa, PixCell-Elk#3 (detail), 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE. 

展示の中心となるのは、剥製のエルク(ヘラジカ)をモチーフとした大型彫刻《PixCell-Elk#3》。自然界の威厳を象徴するエルクを取り囲むように作品が配置され、台座上の作品、床に直接置かれた作品、壁面に設置された作品が有機的に関係しながら一つの環境を形づくる。虚空へと視線を向けるエルクの姿は、空間全体を貫く軸のように佇み、鑑賞者の感覚をゆっくりと引き込んでいく。 

Kohei Nawa, Prism [Maria]/Prism [Kettle]/Prism [Toy-Bird]/Prism [Toy-Elephant]/Prism [Woman&Koto]/PixCell-Microscope/Alex, 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.

Kohei Nawa, Prism [Maria]/Prism [Kettle]/Prism [Toy-Bird]/Prism [Toy-Elephant]/Prism [Woman&Koto]/PixCell-Microscope/Alex (detail), 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.

Kohei Nawa, Prism [Butterflies/Sign], 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.

Kohei Nawa, Prism [Butterflies/Sign] (detail), 2026, Mixed Media © Kohei Nawa, courtesy Pace Gallery. Photo: Nobutada OMOTE.

新作の《PixCell》と《Prism》には、名和が関心を寄せてきたシュルレアリスムの歴史も通底する。剥製動物や収集された既存の物体といった素材に、透明な球体やボックスといった構造が重ねられることで、像は歪み、分断され、見る位置によって異なる姿を見せる。視覚と触覚の境界を揺らしながら、私たちが見ている現実そのものに問いが投げかけられる。 

また本展の構想には、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災の記憶も影響しているという。名和は展示空間に並ぶ作品群を「漂流物」として捉える。海を越えて流れ着く漂流物のように、物質は地球規模で循環し、文化のあいだを移動していく。揺らぎや無常といった感覚は、破壊と再生のサイクルを思わせながら、作品の奥に静かな余韻を残す。

 

プロフィール
名和晃平(1975年大阪府生まれ)
ヴァーチャルとフィジカルな空間の知覚を探究し、自然と人工の境界を問い直す多分野で活動するアーティスト。個と全体の関係性に着目し、細胞のようなパーツが集積することで複雑な構造が生成されるプロセスを作品として提示している。絵画、ドローイング、彫刻、インスタレーションのほか、京都を拠点とするクリエイティブ・プラットフォーム「Sandwich」を通じたデザインやコラボレーションも展開している。近年は建築やパフォーマンスにも活動を広げ、振付家ダミアン・ジャレとの協働による作品《Mirage》《Planet [wanderer]》をヨーロッパやアジアで発表している。主な個展に「Synthesis」(東京都現代美術館、2011年)、「Kohei Nawa: ESPUMA」(ジャパン・ハウス サンパウロ、2017年)、「Kohei Nawa: Japonisms 2018, Throne」(ルーヴル美術館、2018–2019年)、「Sentient」(SCAI THE BATHHOUSE、2025年)など。現在、京都芸術大学教授。
Instagram:@nawa_kohei

開催情報
Photon Camp
会期:2026年4月11日(土)– 6月6日(土)
会場:Pace Gallery(1201 South La Brea Avenue, Los Angeles
ウェブサイト:https://www.pacegallery.com/galleries/los-angeles/
Instagram:@pacegallery

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