What’s normal? — starring Yuki Kura
まともって、なに?
Interview with Yuki Kura
— 倉さんが出演された映画『まともじゃないのは君も一緒』。タイトルからして “まともじゃない感”が伝わってきますが、最初にタイトルを聞いた印象はいかがでしたか?
タイトルだけではどんな映画か想像つきませんでした。
— 今作では「まともって何」ということがテーマのひとつにありますが、倉さんはご自身のことをまともだと思いますか?
まともなんじゃないかと。その反面、まともな人なんていないんじゃないかとも思う。普通とか、一般的とか……もし本当にすべてがまともな人がいたら全然おもしろくない気もします。
— 自分自身について特に普通だなという部分は?
ほんと、基本的にはまともで平凡ですよ。でも自分ではまともだと思っていても、人から見てどうなのかっていうのは気になりますね。
— 逆にここは変だなという部分はありますか?
それもないですねー。ちょっと偏食だったり、潔癖なところがあったりするぐらいで。
— ほんとうにまともというか、お話しさせていただいていると偏屈なところもないし、すごく明朗な印象です。
それは地元の大阪で培ったコミュニケーション能力で…すみません。調子に乗りました(笑)。
— では、できあがった作品を初めて観たときの感想を教えてください。
実は昨日初めて観たんです。初号試写に行けなくて、公開日に(インタビューは映画公開日である2021年3月19日の翌日に実施)。
いやあ、おもしろかったです。撮影したのは2年前ぐらいだったので懐かしさも感じつつ、(W主演の)成田さんと清原さんの掛け合いとかに引き込まれて、あっという間の98分間でした。
— ご自身の出演シーンはいかがでしたか?
俳優を始めたてのころの撮影だったということもあり、違和感みたいなぎこちなさは感じました。ただ映画に登場する全員がちょっと変な人ばかりなので、その違和感が逆に作品に合っていたように思います。
— 主演のお二人の印象は?清原さんとは同じシーンでの撮影もありましたね。
清原さんは当時17歳ぐらいだったと思うんですが、シンプルにすごいなと。
— すごいというのは?
映画を観たら分かると思うのですが、間のとり方ひとつとってもちゃんとおもしろくなるように考えられてて、僕より年下なのにこんなに細かいお芝居ができるなんてすごいなと感動していました。清原さんとはそんなにお話しする機会はありませんでしたが、僕と同じ大阪出身なのでしゃべりやすかったです。
成田さんとは現場では会っていないですが、普段からいろいろお世話になっていて、ご飯に行ったりとかはよくあります。成田さんの作品は毎回観ているんですけど、今回も笑い方とかすごく気持ち悪くて(笑)。間のとり方なんかも普段の成田さんとは全然違うんで、やっぱりすごいなと思いながら観ていました。
— 同じ役者として刺激を受けそうですね。
だから現場は短かったですが、すごく充実していました。僕はずっと笑顔だったと思います。オーディションで出演が決まったんですが、監督からも自由にやっていいよという感じだったので、割と苦労することなく等身大で演じられました。
— デビューから約3年、当初と演じることに対する意識の変化は?
役者をやることに関して楽しいという感覚がずっとわからなくて。やっぱり大変なことの方が多いし。だから最近は「楽しい」という感覚を求めることをやめたんです。ニュアンスの違いなんですけど、「おもしろい」と思えるようになろうと。
以前、デザイナーの友人に「倉くんのやっていることは1を100にする作業だから表現じゃなくて再現だよね」という話をされて、確かにそうかもしれないけれど悔しくて。でも現場で0から1が生まれる瞬間は確かにある。現場で作品を作ることに対してまっすぐにおもしろがるというか、ばかになるというか、そういう感覚を大切にしています。
— 仕事自体は好きで、もっとやっていきたい気持ちはある?
はい。もっとやりたいという気持ちはやっぱり出てきました。いろんな作品、いろんな人に出会って、いろんな考え方や価値観に触れて、そういうことがすごくおもしろいなって。
— 今後演じてみたい役柄はありますか?
若いうちに一度、王道の恋愛ドラマのようなキラキラした役をやってみたいかも。僕は映画の出演が多くて、しかも闇があるような役が大半なので。
今年は映画だけじゃなくてドラマとか舞台もやってみたいと思っています。本当に基礎も何もないままお芝居を始めてしまったので、自分を磨くじゃないですけど、いろんなものに挑戦して自分のお芝居の技術を高めていきたいです。
— 話が変わるんですが、倉さんの趣味や特技って何ですか? 調べても分からず……。
趣味については意外と話したことがないかもしれませんね。最近は料理でしょうか。お酒も飲むので自分でおつまみを作ったり、得意な方だと思っています。調味料オタクなんですよ。めっちゃスパイスとかも買っちゃうんで、けっこう凝ったものも作れます。
— お酒は何を飲むのでしょうか?
今年の1月ぐらいに太っちゃって、めちゃくちゃ怒られて(笑)。だから最近はハイボールしか飲んでいないです。ほんとはビールとかも飲みたいんですが。顔に出やすいんで、映像だと如実に分かっちゃうんですよね。
あと、サウナが好きで2年ぐらい前から通っていました。いまはなかなか行けない状況なので、家でサウナをする方法はないかと模索しています。
— 2年前だとサウナブームの先駆けですね。
そうですね。失恋したときに当時一緒に住んでいた友だちが「サウナ行くぞ」って連れて行ってくれて。汗と涙を両方流すっていうことがあってからよく行くようになりました。
— 失恋に効きました?
はい。すっきりしました(笑)。
— スポーツはいかがですか?
中学まで野球をやっていたんですけど、力が強いわけでも足が速いわけでもない、どっちつかずのセカンドでした。いまはスポーツはやってないですね。
インナーマッスルは発声にも関わってくるそうなので、そろそろ筋トレもやらなきゃなと思ってはいるんですが、いかんせん運動神経がわるいんで二の足をふんでいます(笑)。
— あと、倉さんはファッション好きのイメージがあります。そもそもデビューのきっかけがファッションスナップでのスカウトなんですよね?
洋服は好きですね。大阪の古着屋さんでバイトしていたときファッション誌の雑誌撮影があって、そこからデビューに繫がりました。
— どういったスタイルが好きですか?
昔は派手だったり、ひとつでも普通じゃない個性を求めていたんですけど、最近は落ち着いてきています。
最近よく着ているブランドは「DAIRIKU (ダイリク)」。70s〜80sぐらいのアメリカ映画をモチーフにしたりしているブランドなんですけど、デザイナーとはよく飲みにいったりする仲で、彼の洋服も好きですね。
— では最後に、『まともじゃないのは君も一緒』をまだ観ていない方にメッセージをお願いします。
まともじゃない、人と違うっていうことに悩んでいる人も多いと思うんですけど、あんまり常識にとらわれる必要はないんだよ、がんばらなくていいんだよということが感じられる映画だと思います。もちろんシンプルに会話劇としてもおもしろいので、ぜひ劇場で観ていただければうれしいです。
Profile _ 倉悠貴(くら・ゆうき)
1999年12月 19日生まれ、大阪府出身。学生時代に地元の大阪でスカウトされ、その年のドラマ『トレース~科捜研の男~』(19/CX)で俳優デビュー。主な出演作に、『夏、至るころ』(20)、『樹海村』(21)、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(21)など。21年公開待機作に、『街の上で』『うみべの女の子』がある。
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Information
倉悠貴さん出演映画『まともじゃないのは君も一緒』
2021年3月19日(金)より全国で大ヒット上映中
普通(まとも)な恋愛って、なに?
監督:前田弘二
脚本:高田亮
出演:成田凌、清原果耶、山谷花純、倉悠貴、大谷麻衣、泉里香、小泉孝太郎
- Model : Yuki Kura(Sony Music Artists)
- Photography : Kenta Karima
- Styling : Shogo Ito(sitor)
- Hair&Make-up : NOBUKIYO
- Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
- Edit&Text : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)