I’ll be there — starring Show Kasamatsu
笠松将は、そこにいる。
Look 01 : scarf print shirt ¥39,000、fringe tank top ¥43,000 / doublet(ENKEL 03-6812-9897)、graffiti trousers ¥160,000 / Children of the discordance(STUDIO FABWORK 03-6438-9575)
Look 02 : jumpsuit ¥210,000 / Kazuki Nagayama(STUDIO FABWORK 03-6438-9575)、cardigan ¥38,800 / RAINMAKER(RAINMAKER 075-708-2280)
Look 03 : short jacket ¥80,000 / NASHE(goffa x 03-5411-8717)、turtle neck knit ¥50,000 / meanswhile(meanswhile Info@meanswhile.net)、lap skirt ¥50,000 / FORSOMEONE(FORSOMEONE FLAGSHIP STORE 03-5708-5838)、knee high boots ¥190,000 / doublet (ENKEL 03-6812-9897)
Look 04 : down arm 〈with vest〉¥85,000 / meanswhile(meanswhile Info@meanswhile.net)、scarf print top ¥35,000 / doublet(ENKEL 03-6812-9897)、trousers ¥35,800 / RAINMAKER(RAINMAKER 075-708-2280)、shoes stylist own
Look 05 : coat ¥62,800 / RAINMAKER(RAINMAKER 075-708-2280)、double sleeve shirt ¥38,000 / stein 、leather pants ¥190,000 / doublet (ENKEL 03-6812-9897)、tie ¥8,000 / ADANS(Sakas PR 03-6447-2762)、shoes stylist own
Look 06 : fringe scarf shirt ¥50,000、turtle neck top ¥16,000 / LITTLEBIG(LITTLEBIG 03-6427-6875)、trousers ¥39,800 / RAINMAKER(RAINMAKER 075-708-2280)、boots ¥20,000(RUMHOLEberuf 03-5489-6567)
Look 07 : knit top ¥73,000 / JACQUEMUS(STRIPS STORE 03-6427-4529)、long shirt ¥23,000 / APOCRYPHA(Sakas PR 03-6447-2762)
Interview with Show Kasamatsu
— 今回、QUIでの撮影テーマは「I’ll be there(私はそこにいる)」。笠松さんは「存在感がある」と評されることも多いですが、ご自身としてどう捉えていますか?
存在感にもジャンルがありますよね。顔が格好いいやつも存在感があるだろうし、スタイルが良いやつも存在感がある。声がでかくても、おもしろくても、演技が上手くても存在感がある。悪目立ちもひとつの存在感だし。果たして僕のは何の存在感なんだろうか。
そう考えたときに僕は「自分の武器はこれです」というのがないから、そこに対してピンとこない感じはしますね。もちろん評価してもらえることはうれしいですが。
— では笠松さんが「存在感がある」と感じる役者は?
コンスタントに結果を出し続けている俳優って少ないと思うんですよ。
僕が好きな歌手は毎回良い歌を出したり、お笑い芸人はいつでも笑いを取ったり、サッカー選手は毎試合ゴールを決めたり、どんな場面でもパフォーマンスがすごいと思えるんですが、俳優は「この作品では良かったけど、この作品では良くないな」ということがけっこうあると思うんです。その俳優のことを好きになってディグるほどにすべてが良いというわけではないんだなと。
— 役者よりも作品の質が気になりますか?
いや……。自分が出ている作品には興味がありますけど、出ていない作品は会ったことがない人みたいなものなので僕には関係ないという感覚があります。いまは自分が関わっていない映画やドラマを特別なものとして観られない。
それは自分に自信がないから、まだ認められないということなのかもしれないです。
— 実際、映画やドラマを観る本数も少ないですか?
数えるほどしか観ていないですね。サッカーをめちゃくちゃ観ていてもサッカー選手になれないのと同じで、映画オタクだから良い演技ができるわけではないと思うんです。
自分が作品に関わるときも、僕が一番楽しみなんですよ。誰かに観て欲しいという思いよりも、自分自身が納得できるものを作りたいんです。
— 理想とする役者像は?
あります。僕の場合は、自分自身が考えや理念を持っていることですね。
芝居って正解がないと思われがちですけど、絶対ある。ないわけがない。だから精度を上げていかなければならない。そして人間として中身が詰まっているやつが、誰かを演じるべきだと思っています。
中身を空っぽにしてから演じろと言われてきたんですが、それはよく分からない。空っぽな人にここは楽しいシーンだから楽しんでっていうよりも、今日自分の大切な人が亡くなっていたとしてもそれを抱えた上で楽しいシーンを演じることに意味があるはずだから。
— それは笠松将として演じるということ?
そうですね。そこは考えています。
— 映画『ドンテンタウン』で演じたトキオは、過去にそこに存在した男という不思議な役どころでした。演じるに当たって心がけたことは?
トキオって2人いるんですよね。現実にいるトキオと、(佐藤玲さん演じる)ソラが見ているトキオ。そのどちらを演じているのかは意識しましたが、それぐらいかな。良い意味で気軽に参加した作品なんで(笑)。でも他の作品でもめちゃくちゃ計算して役作りするということはないですね。
— 井上康平監督からはどのようなリクエストがありましたか?
井上監督は「笠松さんにもっと尖ってて、もっと男らしい役をやらせたい。僕が思う一番かっこいい笠松将を撮ります」みたいなことを言ってくださって、しかも当て書きだとも聞いて、それはすごくうれしくかったですね。当時かなりバタバタしてて大変な時期でしたけど、ぜひにということで参加させていただきました。
— それは役者冥利に尽きますね。完成した作品を観て、素直な感想は?
正直、現場で不安だったんですよ。予算が潤沢にある分けじゃないし、演じる上でのストレスもないといったら嘘になるというか。でもできあがったものを観てびっくりしました。「え、おもろ」って。粗に感じる部分も逆に狙いだったのかなって思える。ひと安心しました。
— 劇中ではアロハシャツが似合っていました。普段のファッションへのこだわりは?
いつでも逃げられる格好であること。100%スニーカーですし、まあジャージですね。
— なるほど(笑)。ちなみに好きなブランドは?
ナイキが好きです。詳しくないしプレミアとかも興味ないですけど、スニーカーは40足ぐらいはあるかな。2カ月に1回ぐらいスニーカーを買うのがストレス発散になっています。
— 劇中で好きなシーンについて教えてください。
いま思い浮かんだのは、ソラとトキオが2人で歯磨きしているところはかわいいなって。佐藤さんのかわいさも出ていますよね。
— 佐藤さんの印象はいかがでしたか?
僕と同い年なんです。撮影のときは全然しゃべってなかったんですが、この前取材日で合って話してからは結構仲良くなって、暇なときに電話したり、オンライン先行上映の一環として一緒にインスタライブもしたり。
— オンライン先行上映は新型コロナの影響による新しい試みだったと思いますが、手応えは?
オンラインだと『ドンテンタウン』のような単館系映画もいわゆるメジャー映画と同じ土俵に立たされるんですよね。ミニシアターという場所で上映されていること、そこに観に行くということがひとつのステータスになっていたと思うんですが、オンラインではほぼそれがなくなって、価格も定額の動画配信サービスより高くなってしまいます。
だから僕はもっとがんばんなきゃなって。『ドンテンタウン』のオンライン先行上映は劇場がいっぱいになるぐらいの人数の方々が観てくださって、監督や劇場の方もよかったと言ってくださるんですが、でもオンラインでやるということは1万人でも100万人でも観られるわけじゃないですか。もっと多くの方に観てもらうために何ができるのか、いま僕が課題に感じているところです。
— 笠松さん自身も、コロナ禍において意識の変化はありましたか?
ありましたね。僕は4月と5月の2カ月休んだんですけど、自分にとっての仕事のあり方や、自分の未来に対して考える時間がいままで本当になかったので、そこを見つめ直す時間になりました。
これは初めてお話しするんですが、この4月にそれまで所属していた事務所を辞めまして、そのタイミングで「こんなに」ってぐらいに連絡をいただいたんです。ウチでやらないかとか、ぜひ紹介したいとか、本当にたくさん声をかけていただいて、それがめちゃくちゃうれしくて。
正直、事務所を辞めたときにはもうメジャーは良いかな、一生懸命がんばったけど王道の人気者にはなれなかったから、それこそフリーでもし呼ばれたら行くというぐらいのスタンスで考えていました。でも休んでいる2カ月でメジャーに対する考え方もいろいろ変わりましたし、そしてこれまでの何でもやるっていうスタンスも変えていこうかなと。いまはまだゆっくりしていますが、また来年ぐらいにはおもしろいことがどんどん起きてくると思います。
— 笠松さんがアクセルを踏み込む日が楽しみです。最後に、これから劇場で『ドンテンタウン』を鑑賞されるお客さまにメッセージをお願いします。
この記事をここまで読んでくれている人っていうのは僕のことに興味があると思うので……民放とかの話題作に出ている僕を観てくれるのももちろんうれしいですが、『ドンテンタウン』観たよとか言ってくれたらそりゃもうめちゃくちゃうれしいですよね(笑)。もちろんお金も時間もかかるので観たいと思った方はぜひ。
Profile _ 笠松将(かさまつ・しょう)
1992年11月4日生まれ、愛知県出身。高校卒業後に俳優を目指して上京し、以降、多数の映画やドラマに出演。近年の主な出演作に、『花と雨』(’20/主演/土屋貴史監督)、『転がるビー玉』(’20/宇賀那健一監督)、『仮面病棟』(’20/木村ひさし監督)、Netflix『Followers』、WOWOW『有村架純の撮休』(第3話)などがある。
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Information
笠松将さん出演映画『ドンテンタウン』
2020年7月17日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
これは、晴れが似合わないあなたとわたしの物語。
監督:井上康平
音楽:菅原慎一
出演:佐藤玲 、笠松将、山本亜依、松浦祐也 ほか
- Model : Show Kasamatsu
- Photography : Yuji Inagaki(W)
- Styling : Tomohiko Sawasaki(S-14)
- Hair&Make-up : Eiji Sato(SIGNO)
- Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
- Edit&Text : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)