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MARINE SERRE 2026年春夏コレクション、設立10周年にブランド初となるプレゼンテーション形式で発表

Jul 17, 2025
2025年6月27日、<MARINE SERRE(マリーン セル)>は凱旋門近くのギャラリーにて、ブランド初となるプレゼンテーション形式で2026年春夏コレクション「THE SOURCE」を発表。

MARINE SERRE 2026年春夏コレクション、設立10周年にブランド初となるプレゼンテーション形式で発表

Jul 17, 2025 - FASHION
2025年6月27日、<MARINE SERRE(マリーン セル)>は凱旋門近くのギャラリーにて、ブランド初となるプレゼンテーション形式で2026年春夏コレクション「THE SOURCE」を発表。

「We are not showing. We are building(私たちは見せているのではない。築き上げているのだ)」
——凱旋門近くのギャラリーを特設会場に、その言葉を体現するような体験型プレゼンテーションが開催され、多くの来場者で賑わいをみせた。定番の三日月モチーフのアイテムはもちろん、会場を彩る家具や什器にも三日月柄のテキスタイルが採用されていた。

2016年のブランド設立から10周年を迎える<MARINE SERRE(マリーン・セル)>。ベルギーのラ・カンブル美術大学を修了後、<Maison Margiela(メゾン マルジェラ)>、<McQueen(マックイーン)>、<Dior(ディオール)>、そしてデムナ・ヴァザリア率いる<Balenciaga(バレンシアガ)>で経験を積んだマリーン・セルは、若干25歳で自身のブランドを始動。2017年には史上最年少でLVMHプライズを受賞した。彼女の功績の中で特に高く評価されているのは、その確立されたビジョンと独自のアイデンティティだ。ブランド設立当初から明確な成長戦略を掲げ、それを着実に実行してきた。具体的には、LVMHプライズなどコンテストで獲得した賞金を資金源とし、有力なメンターからの指導を通じて販路を拡大。また、事業規模の拡大に合わせてチームスタッフを段階的に増員してきた。組織体制においては、女性中心のリーダーシップ体制を構築し、柔軟な意思決定と連携を可能にするマトリックス型組織を導入。さらに、環境負荷を最小限に抑え、資源の循環を重視するリジェネラティブ(再生可能)サプライチェーンを構築した。このようにして潤沢な資金と環境を整えたマリーンは、ファッションという大海においてサステナブルな取り組みにも注力し、多くの共感を呼ぶことでブランドのアイデンティティを確立した。アップサイクルやデッドストック素材の大胆な再利用はブランドの中核をなし、環境への配慮と先進的なファッション性を融合させる。

今シーズンも、ブランドを象徴する三日月モチーフのアイテムが幅広く登場した。ニット生地のミニワンピースをはじめ、メッシュのフラットサンダル、スニーカー、パイソン柄のフラットサンダル、バケットハット、ニット帽、そしてバッグなど、小物類も充実のラインナップだ。

また、会場にはインフルエンサー、モデル、映像作家として活躍する「ヤング エンペラーズ」の2人も姿を見せた。彼らはその美意識と愛情表現を通じてビジュアルコンテンツを制作し、独自の世界観を発信している。ジェンダーレスでボーダーレスな彼らのスタイルは、ブランドが大切にする多様な価値観と深く共鳴している。全身にブランドを象徴する三日月モチーフが描かれたセカンドスキンの衣装をまとった二人が抱擁するオブジェを前に、熱いキスを交わす二人。そのアート性の高い表現は、一体感や親密さ、そしてジェンダーや文化を超えた普遍的な愛情を神秘的かつ未来的な視点で示唆している。

今回の展示会は、単なる新作発表の場に留まらず、ブランドが掲げる「築き上げる」姿勢と、確立されたビジョン、そしてサステナブルな未来への強いコミットメントを肌で感じられる貴重な機会となった。<MARINE SERRE>の独創的な世界観と、社会性、芸術性が融合した表現は、ファッションの枠を超え、私たちに多くの示唆を与えてくれる。今後も彼女がファッション界にどのような新しい価値を創造し進化を続けていくのか、その活躍から目が離せない。

  • Photograph : MATCHA

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