バッグを超えて相棒へ、THOM BROWNEの「HECTOR バッグ」|QUI編集部が惹かれたもの
ブランドの象徴となった、愛犬ヘクターの存在

トム・ブラウンの愛犬ダックスフント「ヘクター」は、ファッション界で最も有名な“犬”のミューズと称される存在だ。ダックスフント特有の胴長で低いシルエットは強い個性を持ち、ブランドのショーやビジュアル、プロダクトの中に繰り返し登場することで、ブランドの世界観を語るうえで欠かせない存在となっている。
重要なのは、ヘクターが抽象的なアニマルモチーフではなく、デザイナーの日常に寄り添う実在の愛犬であるという点だ。ファッションがときに壮大な物語や演出を伴うなかで、ヘクターの存在はその世界観に確かな生活の温度を与えている。ブランドの象徴でありながら、同時に極めて個人的な存在。その二面性が、ヘクターを特別なミューズへと押し上げている。
2016年プレフォールで生まれた「HECTOR バッグ」

2016年プレフォールコレクションで登場したバッグこそが、後にブランドを象徴するアイコンになる「HECTOR バッグ」だ。
コレクションでは、ブランドらしい赤・白・黒のトリコロールを効かせたモデルや、心地よいユーモアを際立たせるオールブラックなど、さまざまな表情の「HECTOR バッグ」がラインナップされた。色や仕上げによって印象を変えながら、それぞれのルックに組み込まれていた点が印象的だった。
細長い胴体や四肢を備えた立体的なフォルムは、一目でヘクターを想起させる。クラッチバッグやハンドバッグとして抱え持つスタイリングは、まるで愛情を込めて犬を抱き上げ、体に引き寄せるかのようにも見えた。その所作がコレクション全体に温かみとリズムを生み出し、ユーモアと端正さが共存するブランドらしい空気をつくり出していた。
さらにショーの最後には、実際のヘクターも登場。毛足の長いヘクターに似せた特別な「HECTOR バッグ」も披露され、愛犬家はもちろん、世界のファッションファンから大きな注目を集めた。私的な存在をここまで率直に打ち出す姿勢が、このバッグを単なるプロダクト以上の存在へと押し上げた瞬間でもあった。
サイズと限定展開で広がる、「HECTOR バッグ」の現在地
現在、「HECTOR バッグ」は複数のサイズで展開されている。
スタンダードな「HECTOR バッグ」をはじめ、「ベビー HECTOR バッグ」、チェーン仕様の「ミニ HECTOR バッグ」などといったバリエーションが揃い、用途やスタイリングに応じて選ぶことができる。
いずれのモデルにも共通するのは、ペブルグレインレザーを基調とした構造的なフォルム、トリコロールストライプのグログランタグや裏地、ゴールドトーンのハードウェア、刻印入りアクセサリーといったブランドコードが丁寧に落とし込まれていること。すべてイタリア製で、高いクラフツマンシップによって仕上げられている。
サイズが変われば、存在感の出方も変わる。主役として楽しむこともできれば、より日常に馴染む形で取り入れることもできる。近年では特定店舗でのエクスクルーシブ展開や限定モデル、複数サイズやカラーを組み合わせた特別なコレクション、ポップアップ展開なども行われており、「HECTOR バッグ」は完成された定番でありながら、いまも更新され続けているアイコンなのだ。
10周年を記念したオン/オフ2種類の「HECTOR バッグ」
ヘクターの誕生10周年を記念して発表された特別な「HECTOR バッグ」には、2種類のモデルがラインナップ。フォーマルな装いを取り入れた「タキシード HECTOR バッグ」と、リラックスした装いを表現した「パジャマ HECTOR バッグ」だ。
【タキシード HECTOR バッグ】
メゾンのシグネチャーであるテーラリングの美学を体現する「タキシード HECTOR バッグ」は、端正なタキシード姿でヘクターを再構築した一作。シャツとボウタイを備えた取り外し可能なディテールが、アイコニックなモチーフにいっそうのエレガンスと遊び心を添える。
構築的なフォルムを描くボディには、上質なカーフ フルグレインレザー(ペブルグレイン)を採用。立体感のあるシルエットと豊かなレザーの質感が際立ち、チャーミングな存在でありながらも、洗練されたラグジュアリーを感じさせる仕上がりに。フォーマルな装いにさりげないウィットを添えるアクセントとしても、デイリースタイルの主役としても映える、個性豊かなコンパニオンだ。
トップジップにはRWBディテールをあしらい、内側にはジップポケットとストライプの裏地を配置。メタルカラーには「Hector Browne」の刻印が施され、シグネチャーストライプのグログランループタブがブランドのアイデンティティを静かに主張する。タキシード シャツとボウタイは取り外し可能で、スタイリングに合わせて表情の変化を楽しめるのも魅力だ。
タキシード HECTOR バッグ ペブルグレイン レザー
価格:559,900円(税込)
サイズ:L 60 x W 25 x H 37 cm(高さはハンドルを含む)
【パジャマ HECTOR バッグ】
メゾンの遊び心とクラフツマンシップを象徴する「パジャマ HECTOR バッグ」は、シーズンのシグネチャーであるトワル プリントを纏ったシルクツイルのパジャマ姿でヘクターを再構築した、アニバーサリーにふさわしいスペシャルピースだ。
構築的なフォルムを描くボディには、上質なカーフ フルグレインレザーを採用。滑らかなシルクツイルとのコントラストが際立ち、ユーモラスなモチーフでありながら、ラグジュアリーな存在感を放つ。フォーマルなスタイルにウィットを添えるアクセントとしても、デイリールックの主役としても活躍する、個性豊かなコンパニオンだ。
トップジップにはRWBディテールをあしらい、内側にはジップポケットとストライプの裏地を配するなど、細部まで抜かりない仕上がり。メタルカラーには「Hector Browne」の刻印が施され、シグネチャーストライプのグログランループタブがブランドらしさをさりげなく主張する。さらに、ヘクタートワル プリントのシルクツイル パジャマは取り外し可能という遊び心あふれる仕様も魅力だ。
パジャマ HECTOR バッグ シルクツイル&ペブルグレイン レザー
価格:559,900円(税込)
サイズ:L 60 x W 25 x H 37 cm(高さはハンドルを含む)
なぜいま、「HECTOR バッグ」を“相棒”と呼びたくなるのか
「HECTOR バッグ」は、2016年の誕生以来、継続してコレクションに登場し、ブランドの歴史を形づくっている。同時にヘクターはトム・ブラウンの日常に寄り添う実在の愛犬であり続けている。このバッグには、ブランドの歴史とデザイナーの個人的な物語が重なっている。
ファッションのアイコンは、ときに強い記号性を帯びるが、「HECTOR バッグ」にはそれだけではない温度がある。誰かにとって大切な存在を、丁寧にかたちへと落とし込んだ痕跡が細部にまで残っているからだ。
バッグは日用品でありながら、日々の時間をともにする存在でもある。使い続けるうちに愛着が増し、やがて“相棒”のように感じられることもあるだろう。「HECTOR バッグ」は、その関係性を最初から想像させてくれるプロダクトだ。
華やかなトレンドが移ろういまだからこそ、個人的な物語から生まれたアイコンに目を向けたい。「HECTOR バッグ」は、ファッションが誰かの愛情や日常と地続きであることを、思い出させてくれる。
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- Edit : Yukako Musha(QUI)











