NEW GENERATIONS vol.23 – Anna Kurasawa|Actor
第23回は、現在放映中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で、主人公・豊臣秀長(羽柴小一郎長秀/仲野太賀)の妹・あさひを演じる倉沢杏菜が登場。
2023年のデビューからわずか3年、新人離れした演技力と愛嬌が滲む存在感で業界内外の注目を集める21歳の、これまでとこれから。









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本番になるとスイッチが入って、楽しくて緊張を忘れちゃう
― 神奈川県出身とのことですが、どんなご家庭で育ちましたか?
父と母、私と3歳下の妹、プラス愛犬の5人家族で育ちました。
家は田舎というわけでもないけど、高い建物もなく、近くに土手があったり、緑道があったり、わりと自然豊かなところだと思います。公園に遊びに行くのが好きで、友だちと秘密基地を作ったり、木登りをしたりしていました。
― 活発だったんですね。妹さんと一緒に遊ぶことも?
はい。妹と遊んでいるときは、プリキュアごっこやおままごとなど、女の子らしいこともしていましたが、基本的には大人しく座って本を読んでいるようなタイプではなかったですね。
幼稚園のころに映画『ハイスクール・ミュージカル』に出会って、歌や踊りに興味を持ち、その影響で5歳ごろからバレエを始めました。母も昔、バレエを少しだけ習っていたんですけど、大人になってから始めたので、私には子どものときからやらせてあげたいという気持ちもあって、体験に連れて行ってくれたそうです。

― 勉強はいかがでしょう?
集中力に波があるタイプで。公文に通っていたんですけど、得意な教科は自分でどんどん進めていくけど、苦手な算数は目の前に宿題を置かれてもぜんぜん手が進まない。「なんでやらないの?」って、母によく怒られていました(笑)。
― 国語が得意だったんですか?
今は大学も文学部なので、文系ですね。
― 語学も得意ですよね。
そうですね。コミュニケーションを取ることがすごく好きなので。
あとはちょっと変なんですけど、口の動きが楽しいんです。英語も韓国語も、日本語とは違う口の動きをするじゃないですか。それが楽しいので、書いたり読んだりするよりも、喋るほうが好きです。それを見出してくださった中学校の先生が、英語の弁論大会に出てみないかと声をかけてくださって、そこから英語の能力を伸ばしていきたいという思いが芽生えた気がします。
― 日本人は比較的、喋る方が難しいと言われますよね。
私はたぶん、『ハイスクール・ミュージカル』のおかげです。小さいころに車に乗ると、サウンドトラックをかけて妹と大熱唱していたんですけど、英語の歌詞を耳コピで発音して歌っていたのが良かったんだと思います。

― バレエの舞台や弁論大会など、人前に立っても緊張しないタイプですか?
本番になるとスイッチが入って、楽しくて緊張を忘れちゃうんですよ。むしろ練習しているときの方が緊張しているかもしれません。
― お芝居でも本番になると、グッと入り込める?
入り込めることが多いタイプだとは思います。
― 『ハイスクール・ミュージカル』で表現の楽しさに目覚め、それから実際に俳優になりたいと思ったきっかけはなんでしょう?
お芝居といえば、授業参観で劇をしたことがあるぐらいで本当に何もやってこなかったんですけど、2022年の「レプロ主役オーディション」がきっかけでした。オーディションを見つけたときはコロナ禍の真っ只中で、自分が何をしたいのか、いつ何ができるのかも分からないという状況だったからこそ、やってみようと一歩踏み出せたような気がします。
― オーディションを受けたことで自分の原点に立ち返り、本当にやりたかったことに気づかされたのかもしれませんね。オーディションを振り返って印象的だったことは?
とにかくずっと楽しかったです。オーディション期間の最後の1ヶ月はワークショップで講師の先生とレッスンをさせていただき、最終日には浅草の劇場で全社員の皆さんの前で発表する会があったんですが、それも緊張よりも楽しくて。私は楽しむことが良い結果につながるタイプなのかなと思いました。
― 黒崎煌代さんや酒井大成さんと同期になりますよね。
はい。しかも黒崎さんはオーディションのときから兄妹役の台本でやらせていただいていて。倉沢杏菜の公式お兄ちゃんだと名乗ってくださっています(笑い)。

作品を通してエネルギーを届けられる俳優になりたい
― デビュー以来、駆け足で素晴らしいキャリアを築いていらっしゃるイメージですが、俳優業に取り組む中で挫折や転機になった出来事はありますか?
挫折でいうと、「VRおじさんの初恋」(2024年/NHK)という作品と出会う前はなかなかオーディションに受からず、すごくもがいていました。そして、「VRおじさんの初恋」への出演が転機になったと思います。作品を通して多くの方々と巡り合わせていただけたことは、自分のキャリアにおいてもすごく幸せな出来事でした。
― 倉沢さんは他にもNHKの作品への出演が多く、今年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」にも出演中です。本作への出演の経緯は?
あさひ役のオーディションで選んでいただきました。
― 出演が決まったときは、どんな心境でしたか?
嬉しさと驚きで、よく分からない感情になった記憶があります。オーディションのフィードバックで、私の役作りに対する姿勢を見てくださっていたという話を聞いたときには思わず涙しました。
あさひは、これまで錚々たる方々が演じてこられた役です。オーディションを受ける前に役作りを完了してから挑みたいという気持ちがあったので、あさひさんのお墓がある京都の東福寺 南明院や、静岡の瑞龍寺に足を運びました。できる限りの準備とがんばりが結果につながったことがすごく嬉しかったです。

― やっぱり誠意って伝わるんですね。2024年の大河ドラマ「光る君へ」の出演時も注目を集めていましたが、今回はまた心持ちが異なりますか?
そうですね。「光る君へ」のときは初めての大河ドラマで自分に務まるのかという不安が大きくて緊張していたんですけど、そこでちょっと破天荒なキャラクターをやらせていただけたことがありがたかったです。お芝居としての根本はどんな作品でも変わらないことに気づかせてもらえました。そしてその気づきは、今回のあさひにも活きていると思います。
― あさひという役のどんな部分を一番大切にして演じましたか?
幸せであることや明るいエネルギーに対して、淀みなくまっすぐに向き合える方だと思います。
あさひが天真爛漫でいられる理由も、天真爛漫でいようと思う理由も、その根源にあるのは、きっと家族への愛なんですよね。そしてその愛情深さは豊臣一家みんなに受け継がれ、同じ血が流れていることを感じます。素敵なご家族ですね。
― 豊臣一家の様子を見ると、現場の雰囲気も良さそうですね。
本当に良い現場です。みなさんがとにかく優しいのはもちろん、目の前のシーンを一番良いものにしようという意識があり、一緒に考えて一緒に作っていく、熱くて温かい現場になっています。

― 撮影でとくに記憶に残っていることはありますか?
家族団らんのシーンで、撮影が遅くまでかかったときに、疲れたなという雰囲気になるんじゃなくて、みんなで笑い合えたのが豊臣一家っぽいなと印象に残っています。
下から煽りで撮られるシーンだったんですけど、鼻の穴が見えたら嫌だよねとか、角で映ると顔が伸びるから真ん中に顔を出した方がいいとか、みんなで深夜に真剣に話していて、挙句の果てに何でもいいかみたいになるっていう(笑)。
みなさんの温かさだけでなく、役としての関係性にもぐっと来て、私は笑っているけど泣きそうになっていました。
― 撮影はまだまだ続きますよね?
はい。まだまだ続きます。
― これからの見どころを教えてください。
羽柴家の位がどんどん上がっていくにつれて、家族の中で起こっていた問題の規模感が変わってくることが大きな見どころだと思います。それに対して変わらず向き合う瞬間と、変わらざるを得ない瞬間がある。そんな葛藤が描かれていきます。
あさひ個人に関しては、末っ子として甘やかされながら育ってきましたが、これからは大人に成長しなきゃいけない局面がいくつも訪れます。そこでどう成長するのか、家族と変わらずにいられるのか、ぜひその対比を楽しんでください。とくにわかりやすいところでいうと、史実ではあさひが徳川家康に嫁ぐのですが、そのシーンがどう描かれるのか、そこは楽しみにしていただけたらうれしいです。

― 最後に、俳優としての今後のビジョンをお聞かせください。
好奇心旺盛なので、やりたいお仕事は幅広くたくさんあるんですけど、作品を通してエネルギーを届けられる俳優になりたいです。自分が一生懸命に作品に向き合えば、それを受け取ってくださる人はいると信じているので。
これからも目の前にある作品や、目の前にいる人たち、そして観てくださる方たちと真摯に向き合っていける人でありたいです。
― ちなみに人として、女性としては、どんな方が魅力的だと感じますか?
ハッピーな方が素敵だなと思います。ご自身がハッピーなのはもちろん、会ったときにこちらも元気になれるような、生命力やエネルギーに満ち溢れている女性は美しいなと思います。
― まさに倉沢さんはめちゃくちゃハッピーな方だと思いました。
ありがとうございます(笑)。がんばります!

Profile _ 倉沢杏菜(くらさわ・あんな)
2005年3月18日生まれ、神奈川県出身。2022年「レプロ30周年主役オーディション」に合格。2023年に『ZIP!』内の朝ドラマ『パパとなっちゃんのお弁当』(日本テレビ系)でドラマ初出演。NHKでは『VRおじさんの初恋』(24年)、連続テレビ小説『ばけばけ』、大河ドラマ『光る君へ』『豊臣兄弟!』などに出演。特技はクラシックバレエ、ダンス、歌、何でも美味しく食べること。
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Information
大河ドラマ「豊臣兄弟!」
NHK総合 毎週日曜 午後8:00~ほか
※NHK ONEにて同時・見逃し配信中
作:八津弘幸
音楽:木村秀彬
語り:安藤サクラ
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、菅田将暉、大東駿介、松下洸平、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗 旬 ほか
時代考証:黒田基樹、柴 裕之
制作統括:松川博敬、堀内裕介
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友 茜(広報)
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中 正
- Photography : Rinko Tsukamoto
- Styling : Erika Yoshida
- Hair&Make-up : Eri Ito
- Edit&Text : Yusuke Takayama(QUI)