【PARIS】KIDILL が 2022秋冬コレクションを映像作品で発表、孤高の芸術家ヘンリー・ダーガーへのオマージュ
公式参加3回目となった今シーズンは、東京・鳩山会館で開催されたショーを収録・再構成された映像作品で発表した。
テーマは「THE OUTSIDER」。
今シーズンの<KIDILL>は、アール・ブリュットの作家として知られる孤高の芸術家ヘンリー・ダーガー(1892年4月12日 – 1973年4月13日)のアウトサイダーとしての生き方や自己表現のあり方がデザイナー自身の「今」と交錯し、コレクションへと昇華した。
題材となったのは、15,000ページを超える小説原稿と数百枚の挿絵によって編纂された作品『非現実の王国で』。
同作は、人間離れした能力を備えた邪悪なグランデリニアンから子供たちを救うべく立ち上がる無垢な7人の少女たち「ヴィヴィアン・ガールズ」の壮絶な戦いが描かれている。
同作の発見者であるネイサン・ラーナーの妻であるキヨコ・ラーナーの協力を経てコレクションが制作された。
コレクションアイテムとしては、『非現実の王国で』のアイコニックな図像がファブリックやグラフィックとして用いられ、ビビットでサイケデリックな印象をもたらすダーガー特有のくすんだ紫やイエローがキーカラーパレットとして抽出された。
ブランドに根付くパンク精神は、社会通念や既存の枠組みにとらわれず独自の精神のもと行動するアウトサイダーとしての生き方と通じ、今シーズンのコレクションに彩りを添えている。
ボンテージベルトが施されたジャケットや、襟元の大きなリボンが特徴のシャツなど、ブランドの代名詞ともいえるチェック柄のアイテムもアップデート。
「ダーガーには、表現せずにはいられない、王国なる、非現実の世界があったのです。それは彼にとって、人生をかけて表現した、明確な幻想だったにちがいありません。」
12月上旬の時点では現地でのフィジカルショーを行う予定で動いていたものの、新型コロナウイルスの再流行で状況が悪化し、渡仏することを断念せざるを得なかったという。そのような悲観すべき状況下でも、デザイナーのファッションに対しての心意気は変化することなく、強靭さを増しているという。
デザイナーのファッションに対しての枯れない情熱や、人々の想像力に本質的な自由を与えうるクリエイションからは、ダーガーとの結び付きを感じられる。
発表されたコレクションのランウェイルックと映像作品は以下から見ることができる。
【Credit】
Show Director : Michio Hoshina *PLANKTON Stylist : Tatsuya Shimada Hair : Yutaka Kodashiro *mod’s hair Make-up : Masayo Tsuda *mod’s hair Casting : Taka Arakawa *ALTER Music : Sayaka Botanic Support and Endorsement : Kiyoko Lerner International Press : Ritual Projects Japan Press : Sakas PR Collection Photos : Ko Tsuchiya Backstage Photos : Kyohei Hattori Writer : Tatsuya Yamaguchi Show Coordinator : Azusa Nozaki Special Thanks : Dr. Martens Collaboration : Henry Darger, Keizo Kitajima, Dickies, CA4LA, rurumu:, CORBY’S, Malcolm Guerre, DOLLSSAN, Kousuke Shimizu Movie Director : Yusuke Ishida Cinematographer : Hideaki Arai, Yu Nakajima, Keisuke Yamazaki, Yuma Maehara, Yuki Hori Colorlist : Yuma Maehara