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なぜ今、ヘルシンキなのか? 現地の業界人が語る、ヘルシンキファッションの魅力

Jul 7, 2026
パリでもミラノでも、コペンハーゲンでもない。北欧の小さな首都・ヘルシンキで開催される「Fashion in Helsinki」は、サステナビリティや新世代デザイナーの発信地として、静かに存在感を高めている。しかし、そのファッションシーンは日本ではまだ多くが語られていない。なぜ今、ヘルシンキを注目すべきなのか。そして、この街ならではのファッションの魅力とは何なのか。現地で活躍するファッション関係者へのインタビューを通して、その現在地を探った。

なぜ今、ヘルシンキなのか? 現地の業界人が語る、ヘルシンキファッションの魅力

Jul 7, 2026 - FASHION
パリでもミラノでも、コペンハーゲンでもない。北欧の小さな首都・ヘルシンキで開催される「Fashion in Helsinki」は、サステナビリティや新世代デザイナーの発信地として、静かに存在感を高めている。しかし、そのファッションシーンは日本ではまだ多くが語られていない。なぜ今、ヘルシンキを注目すべきなのか。そして、この街ならではのファッションの魅力とは何なのか。現地で活躍するファッション関係者へのインタビューを通して、その現在地を探った。

Wilma Teittinen(ウィルマ・テイッティネン)/ ファッションクリエイター

ヘルシンキとリスボンを拠点に活動するファッションクリエイター。個性的で遊び心のあるスタイリングを得意とし、北欧ならではのミニマリズムと自由な感性を掛け合わせたファッションを発信している。コペンハーゲン・ファッションウィークをはじめ、欧州各地のファッションシーンを取材・発信しており、ヘルシンキの若手クリエイティブコミュニティとも深いつながりを持つ。

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@wilmaaelena

Q1. なぜ今、ヘルシンキのファッションを世界に向けて発信するべきなのでしょうか?その意義やタイミングについてどう考えていますか?

私は「Fashion in Helsinki」を、北欧で2番目にエキサイティングなファッションウィークだと本当に思っています。そして、約5年間海外で暮らしてきたフィンランド人として、フィンランドで生まれている新しい才能の価値をより客観的に感じることができます。ヘルシンキのファッションは、現代のファッション業界にとても新鮮な視点をもたらしていると思います。人々は単にトレンドを追うのではなく、品質や個性、性能そして意識的な消費にますます関心を持つようになっています。

Q2. あなたにとって「ヘルシンキらしさ」とは何ですか? この街が持つ魅力や、ご自身のライフスタイル・創造性への影響について教えてください。

ヘルシンキは私にとってすべてです。いつでも帰ってくる「故郷」です。ここでは自分らしくいられ、大切な人たちに囲まれています。また、豊かなカルチャーや海、自然も身近にあります。そして「大都市」でありながらも穏やかさを持ち合わせているところが魅力です。

Q3. 独自の存在感を放つ、現在の「北欧ファッション」の最大の強みはどこにあると思いますか?

最大の強みは、「シンプルさに対する自信」だと思います。さらに、サステナビリティや時代を超えて愛されるタイムレスなデザイン、そして多様な着こなしに対応できる汎用性も大きな魅力です。

Q4. フィンランドと日本、双方のファッションシーンの共通点や、日本のコミュニティに対する印象を教えてください。

日本のファッションシーンとの共通点は確かに感じます。実際に、<Marimekko(マリメッコ)>や<Kalevala(カレワラ)>のようなフィンランドブランドが日本で大きな人気を集めていることも知っています。両国とも品質の高さやシンプルさを大切にしています。ただ、日本のファッションコミュニティはフィンランドよりも大胆な表現を恐れない印象があります。フィンランドでは黒を好んで着る人が多い一方で、日本のファッションには柄やシルエットなどに遊び心が感じられます。そして私は、そうした日本のファッションが大好きです。

 Marimekko(マリメッコ)

 Kalevala(カレワラ)

Beda Suni(ベダ・スニ)/ デザイナー兼スタイリスト

ヘルシンキを拠点に活動するデザイナー兼スタイリスト。大胆な色使いやユニークなシルエットを取り入れた表現を得意とし、ファッションデザインとスタイリングの両面から独自の世界観を発信している。欧州各地のファッションシーンやクリエイティブコミュニティと深く関わりながら、ブランドやアーティストとのコラボレーションも展開。北欧ならではの実験精神と自由な感性を融合させたクリエイティブで注目を集めている。

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@bbedasuni

Q1. なぜ今、ヘルシンキのファッションを世界に向けて発信するべきなのでしょうか? その意義やタイミングについてどう考えていますか?

私にとってヘルシンキのファッションは、「誰かの承認を求めることなく自由に創造すること」と深く結びついています。ここではファッションが音楽やアート、コミュニティ、そしてより広いカルチャーシーンと密接に関わっています。ヘルシンキのファッションには独自の声があると思います。それは比較的小さな場所から生まれているからこそであり、その一方で非常に強いアイデンティティを持つ街だからです。今、ファッションがますますスピード重視になっていく一方で、私自身の人生はよりゆっくりとした方向へ向かっています。だからこそ、世界の大きなファッション都市ではない場所から生まれる視点を発信することには大きな意味があると感じています。また、ファッションは価値観を映し出すものでもあると思います。私たちがどのように生き、自然とどう向き合い、社会をどう捉えているのか。その表現としてファッションが存在しています。ヘルシンキには昔から少しオルタナティブな精神があり、その魅力に世界が関心を持っているのだと思います。

Q2. あなたにとって「ヘルシンキらしさ」とは何ですか? この街が持つ魅力や、ご自身のライフスタイル・創造性への影響について教えてください。

ヘルシンキは、大切な友人たちと人生を共有し、バルト海の海岸や果てしなく続く森を楽しめる街です。また、アーティストコミュニティの中で自分の居場所を感じられる場所でもあります。私はこの街をとても誇りに思っています。もしかしたら来世では観光客向けのヘルシンキ自然ガイドになっているかもしれません(笑)。ヘルシンキには穏やかさとシンプルさがありますが、その一方で力強いアンダーグラウンドカルチャーや、既存の価値観に挑戦しようとする精神も息づいています。この街は私の創造的な考え方を形作ってくれました。ここで育ち、働いてきたことで、完璧さよりも「本物であること」の価値を大切にするようになったと思います。実験し、自分自身の道を切り拓くための余白があるのです。

また、自然との近さもこの街の重要なアイデンティティの一部です。自然は私たちの動き方や考え方、そして創造のあり方にも影響を与えています。私にとってヘルシンキは、文化、ファッション(私の仕事)、状態そして日常生活が自然につながっている場所です。

Q3. 独自の存在感を放つ、現在の「北欧ファッション」の最大の強みはどこにあると思いますか?

北欧デザインは単なる見た目の美しさだけではありません。機能性や耐久性、そして人と環境との関係性まで含めて考えられています。そのシンプルさ、力強いシルエット、そして抑制の効いた表現にはとても魅力を感じます。また、そこには静かな自信と細部への深いこだわりがあります。北欧ファッションは、ただミニマルであるためにミニマルなのではありません。感情的で個人的であり、ときには反骨精神さえ持っています。ただ、それがより繊細で控えめな形で表現されているのです。

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Q4. フィンランドと日本、双方のファッションシーンの共通点や、日本のコミュニティに対する印象を教えてください。

私は、クラフトマンシップやディテールへのこだわり、そして個人の表現を尊重する姿勢に共通点を感じています。フィンランドと日本はどちらも、物事を丁寧に考える文化を持っていると思います。そして、小さなディテールに大きな意味が宿るという感覚も共通しています。

フィンランドのジュエリーブランド<Kalevala>では、熟練した職人たちがデザインから鋳造、研磨、仕上げに至るまで多くの工程を自社工房で手掛けている。

私が昔から日本のファッションに魅了されている理由は、伝統への深い敬意を持ちながらも、「ファッションとは何か」という概念そのものを再定義してきた歴史があるからです。また、日本の多様なサブカルチャーや、人々がファッションを自己表現やコミュニケーションの手段として使う姿にも強く惹かれています。今年、日本へ移住する予定なので、そのコミュニティをより身近に体験し、日本の文化や習慣から学べることをとても楽しみにしています。

Leevi(リーヴィ)/ PR兼VIPリレーションズ・コーディネーター

ヘルシンキを拠点に活動するPR兼VIPリレーションズ・コーディネーター。東フィンランドのヨエンスー出身で、10代の頃から個性的なスタイルで注目を集めてきた。大胆な色使いや遊び心のあるレイヤードを得意とし、自身のファッションを通じて自己表現の大切さを発信。現在はファッションやPRの分野で活動しながら、コペンハーゲン・ファッションウィークなど北欧のファッションシーンにも積極的に参加。自由で自信に満ちたスタイルで、新世代の北欧ファッションアイコンとして存在感を高めている。

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Q1. なぜ今、ヘルシンキのファッションを世界に向けて発信するべきなのでしょうか? その意義やタイミングについてどう考えていますか?

今、ヘルシンキのファッションを世界に発信することは非常に重要だと思います。なぜなら、フィンランドには才能あふれる若手デザイナーやクリエイター、職人たちが数多くいるからです。私たちは優れたデザインの伝統と教育を持っていますが、国際的な可能性はまだ十分に開拓されていません。フィンランドのファッションの認知を広げることで、若いデザイナーたちに新たな機会を生み出し、国際的な注目を集め、業界全体の成長にもつながると思います。「Fashion in Helsinki」での活動を通じて、私はこの国にどれほど多くの才能が存在しているかを実感してきました。そして、その才能を世界の人々にも発見してほしいと思っています。

Q2. あなたにとって「ヘルシンキらしさ」とは何ですか? この街が持つ魅力や、ご自身のライフスタイル・創造性への影響について教えてください。

私にとってヘルシンキは、創造性、自然、そして日常生活が独自の形で調和している街です。国際的で活気がありながら、同時に穏やかで親しみやすい雰囲気を持っています。個人的にヘルシンキはとても特別な場所です。なぜなら、ここで私はファッション業界における自分の居場所を見つけ、キャリアを築き始めたからです。この街は、人々が地に足をつけながらも創造性を発揮することを後押ししてくれるように感じます。また、この街のファッションカルチャーも大好きです。人々はそれぞれ独自のスタイルで装い、それがヘルシンキを暮らし、働く場所として常に刺激的なものにしています。

 

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Q3. 独自の存在感を放つ、現在の「北欧ファッション」の最大の強みはどこにあると思いますか?

北欧ファッションの最大の強みは、サステナビリティ、クラフトマンシップ、そして時代を超えるデザインだと思います。品質への強いこだわりがあり、一時的なトレンドを超えて長く愛される服づくりが重視されています。また、素材、機能性、責任ある生産に対する深い敬意も北欧ファッションの特徴です。同時に、この地域からは多くのイノベーションと創造性が生まれており、それが業界を刺激的で未来志向なものにしています。

Q4. フィンランドと日本、双方のファッションシーンの共通点や、日本のコミュニティに対する印象を教えてください。

ファッションにおいて、フィンランドと日本には多くの共通点があると感じています。両国ともクラフトマンシップ、品質、そして思慮深いデザインを大切にしています。また、伝統や歴史を尊重しながらも、革新性や創造性を受け入れている点も共通しています。日本のファッションは世界中のファッション業界に大きな影響を与えてきました。その影響はヘルシンキにも見られ、とりわけ若い世代やストリートカルチャーの中で感じられます。また、<Marimekko>や<Kalevala>のようなブランドを通じて、両国の間には長年にわたるつながりがあり、日本ではこうしたブランドが高く支持されています。私は以前から三宅一生や川久保玲の作品を、その創造性とクラフトマンシップの観点から深く尊敬しています。また、足袋のような伝統的な要素が、現代のファッションにおいて今なお世界的な影響を与え続けていることにも魅力を感じます。日本のファッションコミュニティに対する印象は非常に良いものです。そこには驚くほど高いレベルの創造性、献身、そしてものづくりへの敬意があります。そして私は、日本の次世代デザイナーや新たな才能について、さらに学んでいきたいと思っています。

Ryle(ライル)/ ファッション&カルチャーキュレーター兼クリエイティブコンサルタント

バルセロナとパリを拠点に活動するファッション&カルチャーキュレーター、クリエイティブコンサルタント。フィリピン出身で、インクルーシブな視点とサステナビリティを軸に活動し、ファッション業界における多様性の推進に取り組んでいる。クリエイティブエージェンシー「The Fierce Walker Lab」とアップサイクルアクセサリーブランド「Baby Drama」の創設者としても知られ、欧州のファッションウィークやラグジュアリーブランドとの協業を通じて国際的に活躍。

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Q1. なぜ今、ヘルシンキのファッションを世界に向けて発信するべきなのでしょうか? その意義やタイミングについてどう考えていますか?

私は、ヘルシンキのファッションが世界のファッション業界において、まさに重要なタイミングで登場していると考えています。多くのファッション都市がサステナビリティ、消費、性能そして創造性との関係を見直している中で、ヘルシンキは流行や話題性ではなく、「目的意識」に根ざしたファッションエコシステムを静かに築いてきました。ヘルシンキの魅力は、フィンランドのファッションが決してスペクタクル(見世物的な華やかさ)を中心に生まれたものではない点にあります。それは気候や機能性、実用性、そして人々の実際の暮らしによって形作られた、日常生活から生まれたものです。ファストファッションやトレンドの飽和が進む現代において、この「リアルな生活との結びつき」は大きな差別化要因となっています。

同時に、ヘルシンキはヨーロッパでも最も活気あるクリエイティブとイノベーションの拠点の一つとして急速に存在感を高めています。アアルト大学をはじめとする教育機関、産業界、公共機関が連携し、国際的な人材、投資家、バイヤー、文化関係者を惹きつけています。また、ここから生まれる新世代のデザイナーたちは、北欧ファッションの未来を形作るだけでなく、世界有数のラグジュアリーメゾンでも活躍しています。だからこそ、今ヘルシンキのファッションを発信することは、単にブランドを紹介すること以上の意味を持ちます。それは、デザインの卓越性、サステナビリティ、教育、イノベーション、そして豊かな生活の質が共存する、未来のファッションのあり方を示すことでもあります。ヘルシンキは既存のファッション都市を模倣するのではなく、それを補完する独自の視点を提示しているからこそ、世界のファッション対話の中で確固たる位置を占めるべきなのです。

Q2. あなたにとって「ヘルシンキらしさ」とは何ですか? この街が持つ魅力や、ご自身のライフスタイル・創造性への影響について教えてください。

私にとってヘルシンキは、「穏やかさに支えられた可能性の街」です。この街の魅力は、デザイン文化やクリエイティブ産業だけではなく、人々の幸福を優先する姿勢にあります。高い生活水準、優れた教育、安全性、アクセスの良さ、そして社会に根付く信頼感。こうした要素が、人々が安心してアイデアやビジネス、創造的なプロジェクトに取り組める環境を生み出しています。個人的には、ヘルシンキ中央図書館のような場所にいつも刺激を受けています。そこは、開かれた公共空間の新しいビジョンを体現しており、学びや協働、コミュニティのために設計されています。

また、フィンランディアホールを訪れたり、自然と調和した美術館で時間を過ごしたり、フェリーで島々へ足を伸ばしたり、公園を散歩したりするたびに、ヘルシンキは「進歩と調和は共存できる」ということを思い出させてくれます。国際的に活動する立場として、この街の受容性にも感謝しています。人々は礼儀正しく、国際感覚に優れ、英語も広く通じます。多様性はさらに広がり続けており、国際的な協働に対する開かれた姿勢があります。何よりも、ヘルシンキは私に考え、成長し、自分の目的と向き合うための余白を与えてくれます。私にとって、これほどインスピレーションと心の平穏を同時に与えてくれる都市は非常に稀です。

<Sofia Ilmonen(ソフィア・イルモネン)>の2027年春夏コレクション。緑豊かな庭園を舞台に、自然と調和する軽やかなルックが披露された。

Q3. 独自の存在感を放つ、現在の「北欧ファッション」の最大の強みはどこにあると思いますか?

北欧ファッションの強みは、機能性と洗練性を両立させる力にあります。北欧のデザイナーたちは、服は目的を果たしながらも個性を表現するべきだと理解しています。その哲学が、クリーンで知的、実用的でありながら洗練されたデザイン言語を生み出してきました。北欧ファッションは、人々に着方を押し付けるのではなく、それぞれが自分らしく解釈し、スタイリングする余白を与えています。さらに、この地域の大きな強みはイノベーションへの取り組みです。機能素材、責任ある調達、循環型デザイン、生産方法の革新などを通じて、北欧ファッションは業界をより持続可能で未来志向の方向へと導いています。特に興味深いのは、北欧ファッションがロゴや過度なブランディングに依存していないことです。その代わりに、クラフトマンシップ、素材感、シルエット、そして細部への配慮によって語っています。そこには「抑制の美学への自信」があります。消費者が何を、なぜ買うのかをより意識するようになる中で、北欧ファッションの価値はますます高まっています。それは「今日よく見える服」だけではなく、「何年先も価値と機能を持ち続ける服」を提案しているのです。この長期的な視点こそが、最大の強みの一つだと思います。

Q4. フィンランドと日本、双方のファッションシーンの共通点や、日本のコミュニティに対する印象を教えてください。

私は北欧と日本のファッションには多くの共通点があると感じています。特に、クラフトマンシップ、機能性、素材開発、そして思慮深いデザインへの敬意という点です。両者とも、優れたデザインは細部に宿ることを理解しています。高度なテキスタイルや技術的な構造、緻密な仕立てを通じて、品質と耐久性を深く尊重しています。どちらも単なる流行に依存するのではなく、長く価値を持つプロダクトを生み出すことを重視しています。もちろん、日本は世界のファッションを形作る上で革新的な役割を果たしてきました。川久保玲や山本耀司、そして<COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)>は、美しさやテーラリング、シルエットの既成概念を根本から覆し、その影響は今も世界中のデザイナーに受け継がれています。しかし、私が日本のファッションコミュニティに最も感銘を受けるのは、その知識の深さと審美眼です。日本のバイヤー、小売業者、消費者は業界でも特に知識が豊富で、構造、素材開発、職人技、ブランド哲学を非常に高いレベルで理解しています。日本のバイヤーたちはヨーロッパを訪れる際、単に次のトレンドを探しているわけではありません。彼らは真正性、品質、性能そして明確な思想を求めています。商業性と文化的価値を兼ね備えた、控えめでありながら個性のあるブランドに惹かれるのです。また、日本のファッションコミュニティを特徴づけるプロフェッショナリズム、敬意、礼節にも深く感銘を受けています。そこには卓越性を追求する真摯な姿勢があり、それが長期的で意味のある関係性を築いています。

Mikko Puttonen(ミッコ・プットネン)/ ファッションインフルエンサー兼フォトグラファー

フィンランド中央部のムーラメ出身、ロンドンとヘルシンキを拠点に活動するフォトグラファー兼ファッションインフルエンサー。16歳から写真のキャリアをスタートし、地元フィンランドの美しい湖や森を捉えるポートレートから、徐々に独自のファッション表現へと活動を広げた。彼の作品や自身のスタイルは、ハイファッション、ジェンダーフルイド、そして自然との深い結びつきを融合させた唯一無二の世界観が特徴。<Kalevala(カレワラ)>などのビジュアルを手掛けるほか、Vogue Scandinaviaのクリエイターとしても活動し、国際的なファッションシーンで高い評価を得ている。

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Q1. なぜ今、ヘルシンキのファッションを世界に向けて発信するべきなのでしょうか? その意義やタイミングについてどう考えていますか?

今のヘルシンキはとても面白い段階にあると思います。建築や食文化に見られるモダンさと伝統の絶妙な融合、そして私が大好きなスオメンリンナやヴァッリサーリといった群島の豊かな自然と、心地よいローカルな雰囲気が共存する独自のカルチャー。このユニークな環境が、今まさにクリエイターたちの新しいインスピレーションの源泉となっています。ファッションの観点でも、この街の活気あるエネルギーを背景に、新世代のインディペンデントブランドやデザイナーたちが次々と登場し、業界に全く新しいアイデアをもたらしています。ヘルシンキという街が持つ多面的な魅力と、そこで育まれた新世代の瑞々しいクリエイティビティが融合している「今」だからこそ、その新鮮なパワーを世界に向けて発信する絶好のタイミングであり、大きな意義があると考えています。

Q2. あなたにとって「ヘルシンキらしさ」とは何ですか? この街が持つ魅力や、ご自身のライフスタイル・創造性への影響について教えてください。

私にとってヘルシンキは、どこかユニークな魅力を放つ北欧の首都です。現代的なトレンドを感じさせつつも、他にはない独自の個性が光っています。私はフィンランドの田舎で育ち、現在はロンドンとヘルシンキを行き来する生活を送っていますが、ここは間違いなく大好きな都市の一つです。特に、クリエイティブ業界の温かいコミュニティやつながりに深く惹かれています。

Q3. 独自の存在感を放つ、現在の「北欧ファッション」の最大の強みはどこにあると思いますか?

北欧ファッションは、考え抜かれたデザインを通して生まれる洗練されたシルエットや素材使いが特徴だと思います。個人的にはテーラリングが好きなのですが、多くの北欧ブランドはそれを非常に得意としています。私は普段あまりプリントを着ませんが、北欧のブランドやデザイナーはプリント表現もとても上手いと思います。また品質、機能性、長く使えることが重視されている点も、大きな魅力です。

マリメッコ自社工場での「ウニッコ」プリント風景。

Q4. フィンランドと日本、双方のファッションシーンの共通点や、日本のコミュニティに対する印象を教えてください。

北欧と日本のファッションシーンは、品質、クラフトマンシップ、そして素材に対する深いこだわりという点で共通していると感じます。私はこれまで何度か日本を訪れていますが、そのたびにクリエイティビティの高さや、一人ひとりが持つ強い個性に感銘を受けてきました。日本のファッションコミュニティについてはさらに深く知りたいと考えていますが、これまでの経験から言えば、とても温かく、ユニークで、協力的な場所だと感じています。

  • Edit : Miwa Sato(QUI)

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