リトリートのススメ 「BASE LAYER HOTEL NAGOYA NISHIKI」 – QUI編集部シャルルのホテル体験記
フランスと日本を行き来する生活の中で、改めて感じたのは、日本には「非日常」を楽しめる場所が驚くほど多いということ。観光名所を巡る旅とは違い、心の声に耳を傾け、ゆったりとした時間を味わう。そんな豊かなひとときを過ごせる施設が、全国に増えています。
今回は、そんな“とっておきの癒しの場所”のひとつとして、名古屋にある「BASE LAYER HOTEL NAGOYA NISHIKI」を訪れました。せわしない日々を抜け出し、都市の中で自分を整えることができる、まったく新しい“リトリート体験”を共有します。
ビジネスの中心地である錦二丁目に位置する「BASE LAYER HOTEL」。名古屋の繁華街からも徒歩圏内ながらも、都会の喧騒や慌ただしさとは一線を画す、少し落ち着いたエリアにホテルはあります。街のざわめきがまだ残る中で、ホテルのファサードだけがまるで異なる時間軸に存在しているかのように、不思議な静けさをまとっています。控えめなロゴ、やわらかい照明、磨かれたコンクリートとウッドの質感。そこには表面的なラグジュアリーだけではない奥深い余白が広がっていました。
今回はオープン前の宿泊体験を兼ねたパーティーに参加しました。自動チェックインは非常にスムーズで、スタッフの方々の心地よい距離感もあり、幸先の良いスタート。今回宿泊したのは、最もスタンダードなダブルルーム。部屋全体が落ち着いたトーンでまとめられていて、無駄な装飾を排したミニマルなデザインが心地良い静けさを生み出していました。
驚くべきは、こうした設備だけでなく、空間全体から感じられる洗練されたバイブス。<cado(カドー)>の空気清浄機、世界初<FRUIT OF THE LOOM(フルーツ オブ ザ ルーム)>のリネンや館内着、<athletia(アスレティア)>のアメニティ(※クイーン・キング以上から)が用意されています。壁にはまるで自分専用かのような有孔ボードがあり、短い滞在の中でも自分らしく部屋をカスタマイズできる楽しさも備わっていました。
1階のエントランス横には、オールデイダイニングの「MAISON YWE」が併設されています。ここでは食事だけでなく、カフェやバーとしても利用できる空間です。今回の滞在では、こちらでモーニングをいただきました。オーダーしたのは、季節野菜がふんだんに使われた香ばしいクレープ。大満足の食事とともに、都会の喧騒を忘れさせる穏やかな朝の時間を過ごすことができ、このひとときを大切にしたいと心から思いました。
このホテルでお勧めしたいもう一つの特徴は、予約制・完全プライベートのサウナです。(私が滞在したダブルルームの場合、サウナ利用は別途予約が必要でした。)このサウナの設計には驚かされました。内部の檜で組まれた広めのL字型ベンチは、足を伸ばしてくつろげるほどの余裕があり、壁と天井は断熱構造でしっかりと熱が回ります。立ち上がらずにボタンでセルフロウリュも可能です。
サウナルームには専用の水風呂と整いスペースも完備され、トーンを抑えた照明と自然素材の質感が相まって、都会の真ん中にいることを忘れてしまうような空間でした。
「BASE LAYER HOTEL」は、喧騒を押し付けるホテルではなく、むしろ地方へ足を伸ばしたかのような落ち着きと安らぎを提供してくれる都市型ホテルです。都市にいながら自然のような静けさに包まれ、自分の呼吸だけに耳を傾けられる、数少ない場所だと感じました。
今後、このような施設が都会と呼ばれるエリアにも増えていくのではないでしょうか。日々のスケジュールに追われ、気づけば心が置き去りになっていた時、焦りや疲れを感じる前に、都市の中でも一度「立ち止まる」という選択肢があることを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと思いました。
BASE LAYER HOTEL NAGOYA NISHIKI(ベースレイヤーホテル ナゴヤ ニシキ)
ビジネスからトラベルまで、年齢・性別・国籍を問わずすべての人に新鮮な宿泊体験を提供する、次世代の基礎機能型カルチャービジネスホテル「BASE LAYER HOTEL」。街との繋がり、優れた滞在品質、いまを切り取るコンテンツを備え、クリエイティブな発想から生まれた“オモテナシ”で宿泊そのものを旅の価値へと進化させる、新時代の基礎機能型ホテル。
〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦2丁目6-30
Instagramはこちらから
@baselayerhotel
- text : Charles Kawamoto
- edit : Miwa Sato(QUI)





