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リトリートのススメ 「沼津倶楽部 / NUMAZU CLUB」 – QUI編集部シャルルのホテル体験記

Nov 13, 2024
コロナ以降、何故か少し遠くなってしまった海外。海外に行くには大型の休みや大きな調整が必要になり、ハードルが高い。しかし、今国内でも、海外に行ったかのような非日常的な体験を楽しむことが出来る施設が増えてきている。
フランスと日本を往復し生活しているQUI編集部シャルルが、非日常を求めて、まだ見ぬ新しい宿を楽しみながら、実際に体験したことをご紹介。
心身の回復を図るため、旅先の観光地を楽しむためではなく、自分自身に意識を向けゆったりとした時間を過ごす。そんな時間をあなたも過ごしてみては?

リトリートのススメ 「沼津倶楽部 / NUMAZU CLUB」 – QUI編集部シャルルのホテル体験記

Nov 13, 2024 - LIFE/STYLE
コロナ以降、何故か少し遠くなってしまった海外。海外に行くには大型の休みや大きな調整が必要になり、ハードルが高い。しかし、今国内でも、海外に行ったかのような非日常的な体験を楽しむことが出来る施設が増えてきている。
フランスと日本を往復し生活しているQUI編集部シャルルが、非日常を求めて、まだ見ぬ新しい宿を楽しみながら、実際に体験したことをご紹介。
心身の回復を図るため、旅先の観光地を楽しむためではなく、自分自身に意識を向けゆったりとした時間を過ごす。そんな時間をあなたも過ごしてみては?

今回は都内からも比較的近い、静岡県沼津市にある「沼津倶楽部」へ向かいます。
連載が始まってから初めての一人での旅行になります。

新幹線で東京から三島駅へ約1時間、そこから車で30分弱というアクセスの良さ。駿河湾を臨む静岡県沼津市千本松原というエリアに、堂々たる門構えの集合別邸が現れます。

入り口を入ってすぐにまるでタイムスリップしたかのような感覚に陥るぐらい歴史を感じさせる小道を抜けると、ひっそりと佇む堂々たる「沼津倶楽部」が現れます。

ここのお宿は、1日8組の8室限定となっています。

素晴らしい建築美とフロントから見える風景美に圧倒されます。

どこを切り取っても絵になるのですが、歴史を感じるのはもちろんのこと、どこか“今っぽさ”が融合したモダンで素晴らしい内装にもこだわりを感じました。

フロントの中庭で歴史を感じながら、池を横目にお部屋へと案内いただきます。

引き戸タイプのドアを開けると、1人で宿泊するには勿体無いくらいの素敵空間が広がります。

ドアを開けてすぐ、ダイニングエリアとなり簡易キッチンとテーブルが配置されています。
冷蔵庫に入っているドリンクは全てインクルードされており、ウェルカムドリンクまでいただきました。嬉しいメッセージカードまで添えていただき、特等席で目の前の庭を望むことができます。最高のひとことです。

ダイニングのすぐ隣にはお風呂があります。このお風呂は檜造りになっており、ドアを開けると檜の香りがブワッと広がります。

早く入りたい欲に駆られ、早速お風呂を沸かします。
その間にベットルームをチェック。

ダイニングから少し小上がりになっているベッドルームにはソファとセミダブルベットが2台配置され、2名でも十分な広さで、アメニティも充実しています。

お風呂が沸くのと夕食までの間、少し時間があったので自分へのご褒美としてスパも予約しました。(要予約制)
Uka監修のトリートメントメニューということで、60分の長いコースを選択。しっかりとカウンセリングをしていただき、至福の時間を満喫。

スパを終えると、リラクゼーションスペースへご案内いただきサウナや露天風呂も楽しむことができます。自分だけの空間なので何も邪魔も入らず、好きなようにサウナと露天風呂も満喫しました。

リラクゼーションスペースを後にしてお部屋の檜風呂へ。
お風呂が大好きな私は永遠に入っていることができる至福の空間。好きな音楽をかけて足がふやけるまで入り続けました。

お部屋のアメニティも全てuka。
2箇所でお風呂を満喫し、体の芯からぬくぬくの状態でお食事へ向かいます。

もう、外はすっかり真っ暗。夜もとっても素敵です。
お食事は同じ敷地内にある茶亭でいただきます。
この茶亭は、1900年代初頭から約三千坪の庭園「松石園」の中に、当代随一と言われた江戸幕府小普請方大工棟梁の柏木家十代目・柏木祐三郎の手によってつくられたそうです。また第二次世界大戦中には、建物が陸軍省に接収され、将校たちの休息所にもされていたそう。

大正より大切に受け継がれてきた希少な建物の中で、鎌倉の「イチリン ハナレ」のオーナーシェフでもある齋藤宏文氏監修による中華料理をコースでいただきます。

特別な空間でいただいたお食事はどれも素晴らしく、駿河湾や静岡近郊で採れたお魚や地元の食材を巧みに使われた五感で楽しめるお食事です。

紹興酒漬けの大きなエビや、よだれ鶏の残りを担々麺として食したり、フカヒレが出てきたりと大満足な内容でした。

明日の朝食後にこの歴史ある建物をご案内いただけるということで、明日の朝を楽しみにお部屋へと戻ります。
お部屋では、ゆっくりと自分の時間を過ごし、1人ならではの過ごし方を堪能。本を読んだり、気ままに音楽を聴いたり、あえて携帯から離れ夜の時間を過ごしました。

翌朝、鳥の囀りと気持ちの良い木漏れ日と共に起床。
朝はお部屋に備え付けの地元のカフェのコーヒーを淹れて、1日を始めます。

サクッと用意を済ませ、爽やかな気持ちで朝食へ向かいます。
朝の空気もとっても澄んでいて、気持ちがいいです。

昨夜と同じ席で、たくさんのおかずと共に朝食をいただきます。
昨日の夜とは全く違う窓の外の風景に見惚れながら干物などもいただき、とっても健康的な気分。

そして朝食後にこの歴史ある素晴らしい茶亭をご案内いただきました。

国の有形文化財にも指定されているこの建物は、ほとんどが当時のまま残されているそうです。作りが特徴的なお部屋が数多く、面白かったのが手前から見る目線のまま部屋の奥に向かうと頭をぶつけてしまう造りの部屋。まるで遠近法のようになっていて、パッと見た感じ奥にいくほど天井が低いことがわからないトリッキーな造りです。

各部屋には茶室には、茶器を洗うための水屋や客用の小さな出入り口として使われる躙口があり、歴史の背景を聞くと、勉強になることも多く有意義な時間でした。
各部屋をみっちり、時間をかけてご丁寧にご案内くださり、感謝です。

 

私が訪れたのは初夏なのですが、日本特有のジメッと感も少なくこの敷地内はとても涼しくカラッとしている印象。朝も日が昇って暑さは感じつつも、爽やかな感覚です。

今回、私は1人で訪れてこの時間を自分の思うがままに過ごしました。
旅において、感動や美味しさなど何かを共有する相手がいる旅も素敵ですが、1人で心と感動や美味しさを自分自身と共有する時間も、素敵だなと感じました。

7月からはこの施設で更に「深呼吸・新睡眠」をテーマにしたリトリートプランも始まったとのことで、また訪れてみたいと思います。

沢山の人が何百年にも渡って、利用した歴史あるこの空間で、歴史に耳を傾けながら、1年のご褒美にこの門を潜ってみて欲しい。某ジブリの映画のような世界観と、異世界に来たトリップ感をきっと感じることと思います。

宿を後にするときに、門を抜けた途端、空気が変わったと感じたぐらい秘めた何かを感じる「沼津倶楽部」。明日からもまた頑張れそうです。

<沼津倶楽部 / NUMAZU CLUB>
〒410-0849 静岡県沼津市千本郷林1907-8

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