「藝大式 美術の“ミカタ”―この夏、藝大生になる―」、東京藝術大学大学美術館で新感覚展覧会を開催
本展は、美術作品をただ鑑賞するだけではなく、“藝大生になる”感覚で学びながら味わうことをテーマに構成されている。絵画、彫刻、日本美術史、西洋美術史、保存修復、版画、デジタルアーカイヴまで、東京藝術大学ならではの多彩な専門領域を横断しながら、美術の見方=“ミカタ”をひらいていく。
会場には、小倉遊亀《径》をはじめ、黒田清輝、和田英作、平櫛田中、藤田嗣治ら歴代教授・卒業生の作品に加え、フィンセント・ファン・ゴッホ《ガッシェ博士の肖像》など、藝大コレクションを軸とした名品が並ぶ。さらに、現役藝大生による模写の実践展示や体験型プログラム、ワークショップも予定されている。
講義形式で展開される展示構成もユニークだ。
「模写してわかる油絵のミカタ」では、西洋画教育における“模写”の役割に触れながら、黒田清輝《トゥルプ博士の解剖講義》と現役学生の模写作品を比較展示。作品を“まねる”行為の中から、技術だけでなく“美のこころ”がどのように受け継がれてきたのかが浮かび上がる。
また、「模刻から学ぶ仏像の保存修復」では、快慶《大日如来坐像》と、その模刻作品を通して、保存修復の現場に迫る。仏像を未来へつなぐための科学的調査や修復技術に触れながら、“藝大式、仏像のお医者さん”ともいえる視点が立ち上がる内容となっている。
さらに、「ゴッホがつなぐ日本と西洋の版画」では、実際にゴッホが使用したとされる版画印刷機を紹介。なぜそのプレス機が東京藝術大学に所蔵されているのか、その背景をたどりながら、西洋と日本の版画文化の交差を見つめていく。
そのほか、「藝大美術館に住む動物たち」では“かわいい”という感覚から作品鑑賞を始めたり、「生誕140年 藤田嗣治 日々の記録」では藤田嗣治の学生時代に焦点を当てたりと、専門性と親しみやすさが交差するラインナップが並ぶ。
大学の講義を“履修”するように展示を巡る体験は、夏の自由研究のようでもあり、大人にとっては知的好奇心を刺激する集中講義のようでもある。作品を見るだけでは終わらない、美術との距離が少し変わる夏になりそうだ。
美術館で作品を眺める時間が、“学ぶ”から“体感する”へと変わっていくはずだ。
開催情報
展覧会名:藝大式 美術の“ミカタ”―この夏、藝大生になる―
会期:2026年7月24日(金)~9月23日(水・祝)
休館日:8月10日(月)、9月21日(月・祝)を除く月曜日
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4
住所:東京都台東区上野公園12-8
観覧料:
一般 2,000円(前売 1,800円)
大学生 1,200円(前売 1,000円)
中・高校生 600円(前売 500円)
※小学生以下無料
※障がい者手帳を持参の方とその介助者1名は無料
前売券発売日:2026年5月12日(火)10:00〜
主催:東京藝術大学、読売新聞社
公式サイト:https://geidai-art-mikata.jp



