北欧モダンデザインの巨匠たちの作品がChickadee & HOMEの2024 Exhibitionで展示販売
この展示では、フィンランドとデンマークのモダンデザインをリードした建築家、Alvar Aalto、Aino Aalto、そしてVilhelm Lauritzen (活動期間1930年~1950年頃)のモダンデザイン家具が中心となる。同時期に活躍したフィンランドとデンマークの家具・雑貨デザイナーの作品も展示販売される。
この展示は、人々の生活を豊かにしたいというヒューマニズムの思想を基に、フィンランドとデンマークの豊かな自然からインスピレーションを得た有機的なフォルムのモダンデザインを紹介する。空間と光の調和を通じて、「もうひとつの自然」のような存在を体験できる機会を提供することを目指している。
ESCAPERS AN OTHER WORLD
営業時間:8/30(金)~9/1(日) 12:00-19:00
※通常の営業時間と異なる。
開催場所:〒107–0061 東京都港区北青山 3–7–10
TEL 080-7508-9967
GALLERY ESCAPERS
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営業時間:8/30(金) 13:00~19:00 8/31(土)・9/1(日) 11:00~18:00
開催場所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-3-3
TEL 080-4009-2020
また、展示会期間中に販売されるラインナップの一部も紹介されている。
Paimio Bedside Table (1933)
Alvar Aalto アルヴァ・アールト
MADE IN FINLAND
フィンランド、パイミオ市の森の中にあるパイミオサナトリウムは、1933年に竣工したアルヴァ・アールト建築の代表作として今なお評価が高い。結核患者の療養に必要な要素を慎重に検討し、細部に至るまで配慮を重ねて設計・デザインされたこの建物は、患者の体を少しでも安らかにするために開発された特別な家具がいくつも存在する。
その中でも特筆すべきは、パイミオのサナトリウムで実際に使用されていたベッドサイドテーブルだ。このテーブルは最も純粋な機能主義の結晶と称され、裏面には当時の刻印が残っている。フィンランド製であるこのベッドサイドテーブルは、アールトの思想が色濃く反映されていると言えるだろう。
Savoy Vase /Wood Mold (1950s)
Alvar Aalto アルヴァ・アールト
MADE IN FINLAND
フィンランド生まれのデザイナー、Alvar Aaltoによるフラワーベースが注目を集めている。このベースのデザインは、優雅な曲線を特徴とし、オーロラ湖や北極圏に住むイヌイットのズボンをモチーフにしたものが数種類存在する。
特に注目されるのは、ヘルシンキの目抜き通りに位置するサヴォイレストランの設計時に制作された作品だ。現在では、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のパーマネントコレクションにも選ばれ、モダンデザインの代表作となっている。
初期の作品は木型を使用してカルフラ工房で製造された。その後、1950年から1960年にかけてはイッタラで木型を使って製造され、その中には現在でも希少とされるものが含まれている。Alvar Aaltoのデザインは、その独特の形状と優雅さで世界中から高い評価を受けている。
Open Shelf & Writing Bureau (1950s)
Arne Vodder アルネ・ヴォッダー
MADE IN DENMARK
デンマーク出身の名匠アルネ・ウォッダーのデザインによるリーフ取手のサイドボード作品は、高評価を得ている。これは、現代でもデンマークのヴィンテージ家具愛好家の間で人気の逸品として君臨している。
特に注目すべきは、市場にほとんど出回らないほど希少なシェルフである。ウォッダーの傑作の一つとされているこのシェルフは、軽快さと機能性を兼ね備えた非常に美しい作品だ。
810 Cup Board (1930s)
Alvar Aalto アルヴァ・アールト
MADE IN FINLAND
Alvar Aaltoのキャビネット作品の中で、最も評価された作品として世界的に知られている。1930~1960年頃まで製造され時代ごとに大きさや仕様の変更が繰り返された。こちらは最初期の小ぶりなもの。流通量も非常に少ないことから、Aaltoファンの憧れの家具となっている。
Model 47 Easy Chair (1946-47)
Alvar Aalto アルヴァ・アールト
MADE IN FINLAND
Alvar Aaltoデザインの一人掛けソファ。その中でもデザインが美しく、堅牢かつ座り心地の良い三拍子揃った椅子だ。アームの仕様は、アールト作品で 数多く見られる特徴的な意匠となっている。
Radiohus Lunch Room Chair (1930s)
Vilhelm Lauritzen ヴィルヘルム・ラウリッツェン
MADE IN DENMARK
デンマークの建築家、Vilhelm Lauritzenは、デンマーク建築史において最も重要な建築家の一人と評価されている。彼はデンマーク機能主義建築の先駆者として、ラジオハウスや1939年に竣工したコペンハーゲン空港などのモダニズム建築の傑作を多数手がけた。その作品はヨーロッパの近代主義建築の象徴とも言われている。
また、フィン・ユールがVL設計事務所で働いていたことは広く知られており、彼の影響を強く受けている。一方、VLがデザインしたラジオハウスで実際に使用されていた椅子は、彼の作品が主に自身で設計した建物で使用され、市販されることはほとんどなかったことを示している。