8月10日はハットの日 – 縛られず自由に選ぶ
古代の人々が厳しい自然から身を守るために生み出したこの実用的な装飾品は、長い歴史の中で権力や地位を象徴するものでもありました。
かつて、シルクハットが上流階級の象徴であり、モガと呼ばれたモダンガールたちにとってクロシェ帽が必須アイテムだったように、帽子は被る人物の人となりや、その社会的地位を本人以上に雄弁に語る存在でした。
時を経た現代、帽子はその制約から解放され、誰しもが社会的地位に縛られず、自由に好きなデザインを選べるようになりました。
「帽子なくしてモードは完成しない」という言葉があるほど、身に着けるものとの組み合わせで無限のコーディネートを生みだす帽子。何を被り、どんな装いを選ぶかは、自身のスタイルを表現するだけでなく、心を落ち着つかせてくれたり、その時々の気分やスタンスを伝える選択でもあります。
いまや帽子は立場や地位を表現するものから、内面と世界とを繋ぐものへと変化したと言っても過言ではありません。独創的な帽子のデザイナーとして知られ、ロイヤルファミリーのヘッドピースも手掛けるフィリップ・トレイシーはこんな風にも言っています。
How a hat makes you feel is what a hat is all about.
「帽子があなたにどのような感情を抱かせるか、それこそが帽子のすべてである」
今日はスタイリストの宮崎典子さんを迎え、個性際立つハットを主役にしたスタイリングをご紹介。
この夏、あなたの気分に寄り添うハットを探してみては。
マウンテンハットとしては珍しい、ラフィア素材かつ大ぶりなデザインが特徴のハットは、スカーフをプラスし、よりハットの存在感を際立たせて。
ラフィアとも相性の良いデニムを合わせたスタイリングで、陽気で軽快なムードを演出。
HAT ¥22,000(BODYSONG. info@bodysongbodysongbodysong.com) JACKET ¥57,200(OpéraSPORT|SHOWROOM UNO contact@showroom-uno.com) CAMISOLE ¥52,800(YUEQI QI|MATT. INFO@THE-MATT.COM) PANTS ¥39,600(venit|Harumi Showroom 03-6433-5395) SCARF ¥31,900(mister it. 03-4363-6608)
蛍光オレンジが目を引くシンプルなフォルムのフェルトハットは、目深に被りジャケットで合わせてスタイリッシュかつクラシカルな印象に。
インナーとパンツは、シアーなアイテムをプラスし、異素材のニュアンスをMIXして。
HAT ¥15,180(WYETH|THE WALL SHOWROOM 03-5774-4001) JACKET ¥99,000(Queen&Jack|ESTEEM PRESS 03-5428-0928) TOP ¥30,800(HOUGA info@houga.jp) PANTS[REFERENCE PRICE] ¥8,560(CALZEDONIA|H3O Fashion Bureau 03-6712-6180)
夏の代表的なアイテムであるカンカン帽は、広めなつばとつば先から顔を覆おうほどのフリンジが目を惹くデザインで、軽やかながらにグッとモードな印象に。
オールブラックでまとめ、ユニークな柄のグローブで外すことで、女性らしさの中に遊び心を感じるスタイリングへ。
HAT ¥88,000(SENOTÉ MILLINERY http://senotemillinery.com/) TOP ¥63,800、DRESS ¥79,200(ELAINE HERSBY|SHOWROOM UNO contact@showroom-uno.com) GROVES ¥28,600(mister it. 03-4363-6608)
- Direction : Takashi Okuno
- Styling : Noriko Miyazaki
- Photograph : Shuhei Tsunekawa
- Hair & Make up : Miku Shigeyama
- Model : KIDO(TOMORROW TOKYO)
- Edit : Yukako Musha(QUI)