今の上坂樹里のありのままが出ていると思います

―写真集を拝見させていただいて、まず驚いたのがあとがきで。「字、うますぎ」と。

うれしいです（笑）。自分で書きました。

― 書道をやっていたんですか？

もともと文字を見たり書いたりすることが好きだったので、高校生から習い始めました。

―高校生からって、珍しいですよね。でも本当にお上手でびっくりしました。

ありがとうございます。やった！

― もちろん写真もすごく素敵で、今しか撮れない若々しさやあどけなさが前面に出ているように感じました。完成した写真集をご覧になった、率直な気持ちをお聞かせください。

当たり前なんですけど、どのページにも自分しかいなくて。今までなかったことなので感動しちゃいました。

― それが全国の書店に並ぶという。

すごい……。写真集を見ていると、撮影のときを思い出して、戻りたくなってきました。

― 撮影は長崎県の五島列島で行われたそうですね。何日間にわたって撮影を？

4日間でした。

― 撮影時の印象的な出来事やハプニングがあればシェアしていただきたいです。

撮影初日は、空港から五島列島に向かうヘリに乗る予定だったんですけど、あいにくの天候で欠航になってしまって。結局、船で4時間かかりました。今まであまり船に乗ったことがなく、酔いそうで不安だったんですけど、横になったら揺れを感じにくいことがわかって。スタッフの皆さんと一緒に横並びで寝転がりながら向かったので、全然苦ではなかったです。

― そのときの写真も掲載されていますが、修学旅行みたいでいいですね。

あと初日は雪が降っていたんですけど、衣装が全部「ザ・夏」という感じで。写真だけ見ると夏に撮ったみたいなんですけど、実際はすごく寒かったです。でも想定外なことも含めて楽しかったです。

― 写真集としての見どころはどこでしょう？

今の上坂樹里のありのままが出ていると思います。おいしいものを食べていたり、大笑いしていたり、自然体の姿も楽しんでもらえたらうれしいです。

― 『日日是好日（にちにちこれこうじつ）』というタイトルはご自身で考えられたそうですね。

そうですね。言葉の並びも好きで、すぐ決まりました。あとは良い日も悪い日もあるけど、その時々で感じた気持ちを大事にしたい、そして今の自分をファンのかたたちに届けたいという思いでこのタイトルをつけました。

悩んだり落ち込んだりした経験も含めて充実した10代でした

― 写真集の発売日、7月14日は20歳の誕生日です。20歳という節目を迎えるにあたって、心境はいかがですか？

ワクワクしています。20歳になって自分がどう変化するのか、もしくは変化しないのかはまだわからないですけど。

― 自分自身や周囲の環境が変化すること自体は、いつもポジティブに捉えていますか？

はい。今までいろんなお仕事をさせていただいてきた中でも、その時、その環境でしか学べないことや、感じられないことがたくさんあったので、変化し続けることはすごく大切だと思っています。自分自身、少しでも成長したと感じられる瞬間をこれからも大切にしていきたいです。

― 10代を振り返って、やっておいてよかったこと、やり残したことはありますか？

やり残したことはないです。

― ない。それはすごいことだと思います。

思いつかないです。すべてがうまくいったというわけではなく、もちろん悩んだことや、失敗して落ち込んだこともたくさんあったんですけど、そういう経験も含めてすごく充実した10代でした。やっておいてよかったことは、このお仕事を始めたことですね。

― たしかに。俳優としてはまだ丸4年ぐらいと、駆け足で素晴らしいキャリアを築いてきましたが、ご自身にとって転機となった作品や出来事があれば教えていただきたいです。

初めて地上波のドラマに出させていただいた、NHKの『生理のおじさんとその娘』（2023）では、放送後にいろんな方から反響をいただいて。その時初めて自分が作品に関わる中でやるべきことは、観てくださる方に作品のメッセージを伝えることだと明確になりました。

― 作品のメッセージを届けるために、自分がどう振る舞うべきか、ですね。

はい、いつも大切にしています。

役と一緒に、自分もひとりの人間として成長していきたい

― 最後に、朝ドラについてもお話を聞かせていただきたいです。まずは2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』の主演、おめでとうございます。

ありがとうございます。

― 今はもう、何か準備を始めていますか？

撮影に向けて稽古が始まったところで、大家直美という役と一緒に、自分もひとりの人間として成長していきたいと思っています。

― もともと朝ドラに対して強い思い入れがあったのでしょうか？

このお仕事を始めてから一番の夢に、ずっと朝ドラが入っていました。

― それが10代で叶っちゃったと。とんでもないことですよ。

自分が一番驚いています（笑）。

― 事務所の先輩であり、『風、薫る』の前作『ばけばけ』でヒロインを務める髙石あかりさんからのエールやアドバイスはありましたか？

発表会見の当日の朝に連絡をくれて、「今日の世界の主人公はあなただから、全力で楽しんできて」というエールをいただいて、それがすごく力になりました。

― 素敵ですね。アドバイス的なことも？

アドバイスは、ご飯をちゃんと食べて、健康第一にと。

― 10代で朝ドラという大きな夢を叶えましたが、20代で叶えたい夢や目標はなんでしょう？

まずは目の前にあることに向き合うことを大事にしたいと思っています。だから今は、「これです」と言える大きな夢はなくて。これから先、いろんな作品と出会う中でまた新しい目標や夢が見つけられたら、それに向かって邁進していきたいです。

― 日々を大切に、「日日是好日」ですね。

はい（笑）。

Profile _ 上坂樹里（こうさか・じゅり）
2005年7月14日、神奈川県生まれ。21年8月から『Seventeen』専属モデルを務め、同年に俳優デビュー。22年にNHK『ヒロイン誕生! ドラマチックなオンナたち』、23年にNHKの特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』ではヒロインを演じ、東京ドラマアウォードにて作品賞・単発ドラマ部門の優秀賞を受賞。その他に、CX『いちばんすきな花』、24年にNTV『となりのナースエイド』CX『ビリオン×スクール』TBS日曜劇場『御上先生』BS NHK『トゥルーカラーズ』、「オロナミンC」のCMに出演。26年前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』ではW主演を務める。
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Information

上坂樹里 1st写真集『日日是好日』

2025年7月14日（月）発売

定価3,300円（本体3,000円＋税）

撮影：神藤剛
ロケ地：長崎県五島列島

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