モデル 長澤メイ×美術家 山脇紘資 | 油絵体験レポート
重ねることで見えてくる色
今回油絵を教えてもらうのは、現役アーティストが多数在籍する宝田スタジオを運営している山脇紘資さん。自身も現役のアーティストとして活躍中で、真っ直ぐ見つめられているような迫力のある動物をモチーフとした作品を中心に制作を行う。
山脇:メイちゃんが油絵をやりたいと思ったきっかけは?
長澤:油絵は色を重ねることで綺麗な色合いが出るということは知っていたけど、完成するまでにどういった構造で描かれていくのかを知りたいと思いました。
山脇:そうだね。油絵は様々な色をのせていくし、正解がないから人柄が凄く現れるものだと思う。
長澤:初心者が意識することはありますか?
山脇:基礎のデッサンにも言えるけど、慎重にやろうとすると失敗しやすい。最初は多めにのせて、その後に削っていくことがコツかな。
長澤:わかりました。楽しみです!
その人らしい色彩感覚と筆つかい
今回は山脇さんの得意とする動物モチーフで挑戦。モデルはメイちゃんの愛犬、スムースチワワの“ウニ”に決定。
山脇:まずは、鉛筆で形を決め、その後に色を付けていこう!色付けでは、その人の持つ色彩感覚や筆つかいで全然違ってくるよ。
一筆目から躊躇なくキャンバスに線を引いていくメイちゃん。普段から絵を描くのが好きで中でもアニメの模写が得意だが、キャンバスに描くのはもちろん初めて。山脇さん曰く、絵を描く一つ一つの動きでその人の内面までもが見えてくるという。
メイちゃんらしさを残しつつ、全体のバランスが整うように的確にアドバイスをする。初挑戦にも関わらず、枠にとらわれず自分の思うまま一心に筆を滑らせるようすが、彼女の生き方そのものを表しているようだ。
独特な筆使いとティッシュや指を使って、見事に立体感のあるニットを表現。多くの色を使う事なく、キャンバスの地の色をいかしながら陰影も付けていき、徐々にウニが浮かび上がってくる。
2時間という限られた時間の中で描き上げ、最後にサイン入れて完成。
ジャンルは人の数だけ
山脇:初めてでここまで描けるのは凄いよ。初心者とは思えない味のある作品になったね。題名を付けるなら「グロポップ」かな。新たなジャンルを開拓したね!
長澤:自分では、もっとポップな仕上がりを想像してました!笑
山脇:これからも、どんどん描いていって欲しいな。ニットの部分の筆つかいとか、新鮮で見ていてとても楽しったし、凄くセンスあるよ。
長澤:ありがとうございます。また、絶対挑戦したいです!
初の油絵体験を終えたメイちゃんへインタビュー
ー初挑戦してみて、どうだった?
油絵は正解がなく自由に表現できるから凄く楽しかったです。先生にも褒めてもらえて、もっと極めたいと思った。
ー特にどんな所が楽しかった?
自分の好きな色を自由に重ねたり、ブラシでぼかしたり指を使ったりして徐々に完成に近づいていく過程も凄く楽しかった。
ー難しかった部分は?
楽しかった反面、力加減や筆の向きなど全部感覚的な事で正解がないところ。
ー次はどんな絵を描いてみたい?
お部屋にも常に飾っているくらい好きなお花も挑戦してみたいです。お花は色んな形があったり、花びらの色も一枚一枚少しずつ違うから描いてて楽しそう。
ーこれから油絵に挑戦する人に一言
実際にやってみて大胆に描くことは大事だと感じたので、思うままに大胆に描いてみて!
- Text : Seiko Inomata
- Photography : Kei Matsuura