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スタイルに深みを与える「ネクタイ」「スカーフ」「ストール」のスタイリングアイデアをコレクションルックから紐解く

Apr 18, 2025
スタイリングに奥行きを与えるキーピースとして、「ネクタイ」や「スカーフ」、「ストール」に再び注目が集まっている。2025年に発表された各ブランドの最新コレクションルックでは、これら“巻物”を巧みに取り入れたスタイルが数多く披露された。
本記事では、“巻物”をデイリースタイルに取り入れるべく、ブランドのルックに注目。
ブランドがコレクションのムードやスタイリングを提案するために作っているルックは、スタイリングのプロのテクニックを手軽に勉強することができ、いわば「スタイリングのバイブル」である。
今日は、“巻物”をデイリースタイルに取り入れるために必要なスタイリングバランスを、コレクションのルックから紐解いていく。

スタイルに深みを与える「ネクタイ」「スカーフ」「ストール」のスタイリングアイデアをコレクションルックから紐解く

Apr 18, 2025 - FASHION
スタイリングに奥行きを与えるキーピースとして、「ネクタイ」や「スカーフ」、「ストール」に再び注目が集まっている。2025年に発表された各ブランドの最新コレクションルックでは、これら“巻物”を巧みに取り入れたスタイルが数多く披露された。
本記事では、“巻物”をデイリースタイルに取り入れるべく、ブランドのルックに注目。
ブランドがコレクションのムードやスタイリングを提案するために作っているルックは、スタイリングのプロのテクニックを手軽に勉強することができ、いわば「スタイリングのバイブル」である。
今日は、“巻物”をデイリースタイルに取り入れるために必要なスタイリングバランスを、コレクションのルックから紐解いていく。

首元に仕込むエレガンス、“ストール・イン”でつくる静のスタイル

ストールをあえて見せず、シャツやジャケットの襟元にそっと忍ばせる。その控えめな所作が、装いに深い余韻と知的なエレガンスを添えてくれる。色や素材がさりげなく覗くことで、スタイリングに繊細な立体感が生まれ、視線を引き寄せる“静かなる主張”へと昇華。モードの最前線では、装飾を削ぎ落とすことで引き立つ美しさが再評価されている今、このストール・インのテクニックは、まさに“引き算の美”を体現するスタイルと言える。

SOSHIOTSUKI 2025AW COLLECTION

ZEGNA 2025AW COLLECTION RUNWAY

Loro Piana 2025SS MEN’S COLLECTION

tokio 2025AW COLLECTION RUNWAY

Colbo 2025AW COLLECTION

同じ色柄を重ねて奥行きをまとう、“トーン・オン・トーン”の魔法

“トーン・オン・トーン”は、色を主張させるのではなく、響き合わせるスタイリング。シャツとスカーフ、あるいはネクタイをあえて近しい色柄で重ねることで、目に見えない奥行きと洗練が生まれる。視覚のノイズを抑えたその装いは、纏う人の静かな自信を映し出し、シンプルであることの豊かさを物語る。ディテールの美しさで差がつく今、ミニマルな中に潜むレイヤードの妙こそ、日常に上質な余白をもたらすスタイルの鍵。

Maison MIHARA YASUHIRO 2025AW COLLECTION RUNWAY

Paul Smith 2025AW COLLECTION

vowels 2025AW COLLECTION

Off-White 2025AW COLLECTION RUNWAY

Paul Smith 2025AW COLLECTION RUNWAY

BED j.w. FORD 2025AW COLLECTION

Graphpaper 2025SS WOMEN’S COLLECTION

Colbo 2025AW COLLECTION

AMI 2025AW COLLECTION RUNWAY

視覚的な緊張感を加える選択肢、ネクタイで仕上げるレザールック

レザーの無骨な存在感に、ネクタイの端正さをひとさじ。相反する質感がぶつかり合うことで生まれるのは、緊張感すら美しい洗練されたスタイル。タフな素材に品格を与え、着こなしに“張り”を宿すアプローチは、スタイリングに確かな奥行きを加える。素材が語るストーリーに、あえて異なる文脈を重ねることで、定番のレザールックが一変。視線を引き寄せる鮮度と意外性、そして都会的な知性を手に入れたいなら、取り入れるべきミックス。ネクタイという選択が、レザーをよりモードに、より洗練された印象へと導いてくれる。

AURALEE 2025AW COLLECTION RUNWAY

FURSAC 2025AW COLLECTION RUNWAY

JOHN LAWRENCE SULLIVAN 2025AW COLLECTION

JUHA 2025AW COLLECTION

ssstein 2025AW COLLECTION RUNWAY

あえて緊張感を崩す“ラフ巻き”で、スタイルに加えるこなれた余白

完璧に整えられたスタイリングが美しいのは確か。しかし、あえてその完璧さを崩すことで、そこに生まれる余白が何よりの魅力となる。ラフに巻かれたネクタイや、スカーフ、ストールは、意図的に緊張感を解き放ち、装いに“自然体”という名のエレガンスを加える。計算された不完全さが、日常に程よい抜け感をもたらし、見る者に心地よい印象を与える。シンプルでありながらも、どこか他の誰とも違う個性を演出するスタイルへ。

KAMIYA 2025AW COLLECTION RUNWAY

BED j.w. FORD 2025AW COLLECTION

BUZIGAHILL 2025SS MEN’S COLLECTION

MASU 2025SS COLLECTION RUNWAY

OUR LEGACY 2025AW COLLECTION

dunhill 2025AW COLLECTION RUNWAY

KANAKO SAKAI 2025AW COLLECTION

上品さとリラックスが鍵、パーカーで完成する都市的なカジュアル

都市的なカジュアルは、もはやただのラフなスタイルではない。シャツとネクタイがもたらす上品さに、パーカーのラフさを重ねることで、新しいバランス感覚が生まれる。絶妙なコンビネーションは、気負わないのに品があり、街に映えるスマートな印象を叶えてくれる。パーカーのリラックス感は動きやすさを叶えつつ、ミニマルで無駄のない美しさを引き出すため、忙しい日常にこそふさわしいスタイルに。計算された“ゆるさ”が、都会的なセンスと響き合うこの着こなしを取り入れれば、見た目だけでなく、空気感までもスタイリッシュに仕上がる。

SHOOP 2025AW COLLECTION

NAMESAKE 2025SS COLLECTION

Maison MIHARA YASUHIRO 2025AW COLLECTION RUNWAY

Children of the discordance 2025AW COLLECTION RUNWAY

AVAVAV 2025AW COLLECTION

ネクタイや、スカーフ、ストールなどの巻物という小さなピースは、装いにこれほど豊かな物語を与える。クラシックなアイテムでありながら、その巻き方、合わせ方ひとつで、静けさも緊張感も、抜け感さえも自在に操ることができる。コレクションルックに見るスタイリングは、単なる装飾にとどまらず、「どう魅せたいか」を語るための言葉のよう。型にはまらない自由なアプローチこそが、今のムード。自分のスタイルに“ひとさじ”の工夫を加えることで、見慣れたワードローブにも新たな息吹が宿るはず。次に巻物を手に取るとき、その可能性の広がりに、きっと心が躍るだろう。

  • Edit : Yukako Musha(QUI)

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