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QUI編集部が注目するファッション新興勢力|ROLF EKROTH(ロルフ エクロス)

Mar 29, 2024
ファッショントレンドの行方を見極めるならパリやミラノのコレクションのチェックは必須だが、常にまだ見ぬ才能との出会いを求めるQUI編集部が熱い視線を注いでいるのがロンドン、コペンハーゲン、ベルリンなどで開催されている新興勢力ともいえる展示会。

QUI編集部が注目するファッション新興勢力|ROLF EKROTH(ロルフ エクロス)

Mar 29, 2024 - FASHION
ファッショントレンドの行方を見極めるならパリやミラノのコレクションのチェックは必須だが、常にまだ見ぬ才能との出会いを求めるQUI編集部が熱い視線を注いでいるのがロンドン、コペンハーゲン、ベルリンなどで開催されている新興勢力ともいえる展示会。

今回取り上げるのは北欧ブランドらしい色や素材を得意としつつ、シルエットやスタイリングはモード感にあふれる<ROLF EKROTH(ロルフ エクロス)>。24AWコレクションで目を惹いた日本人なら馴染みのあるあのゲームに登場するコインについても質問した。


©︎BTS: Bryndis Thorsteindottir


©︎BTS: Bryndis Thorsteindottir

—まずは自己紹介からお願いできますでしょうか。

私の名前はロルフ・エクロス。フィンランドのヘルシンキ出身のファッションデザイナーです。

—では、続けてデザイナーになるまでの歩みについて教えてもらえますか。

大学ではソーシャルワークと社会心理学を学んだのですが、自分が何をしたいのか定まらない状態だったので、大学を卒業後はさまざまな営業職を転々としていました。ある時期にはポーカーのプロとしてプレイしていたことも。プロポーカープレイヤーとしての生活が好調になった頃、ハイブランドの服を買うようになり、ファッションの世界に引き込まれました。まさか自分がファッションデザイナーになるとは考えてもいなかったです。

—プロポーカープレイヤーからファッションデザイナーとはかなり異色の経歴ですね。

ちょうどポーカーをやめるタイミングで「ファッションデザインをやってみたらどうだろう?」という友人の言葉が大きなきっかけでした。あちこちの縫製学校を回った後、アールト大学を受験して2回目の挑戦で合格しました。アールト大学ではトゥオマス・ライティネンを教師として迎えられたことが私の人生を大きく変えました。そこでの数年間の学びにはとても感謝しています。

—<ROLF EKROTH>のコンセプトはなんでしょうか。

手作業の伝統をこよなく愛するフィンランド発のハイエンドファッションブランドです。

—デザイナーとしてのインスピレーションはどこから得ることが多いですか。

フィンランドの歴史や伝統からインスピレーションを受けることが多いです。スポーツや音楽からも影響を受けています。年を取れば取るほど自分が育った国の、奇妙で風変わりな文化をより理解できるようになったと思います。


©︎BTS: Bryndis Thorsteindottir


©︎BTS: Bryndis Thorsteindottir

—24AWコレクションについて教えてください。

コンセプトは「自宅のソファから見たフィンランドのウィンタースポーツの歴史」です。


©︎BTS: Bryndis Thorsteindottir

家族で祖母の家で冬季オリンピックを観戦したときの思い出も込められています。年齢やバックグラウンドに関係なく、スポーツは私たちを結びつけます。私たちはよくスキージャンプ、クロスカントリースキー、アイスホッケーなどをやっていました。コレクション全体を通して、それらのスポーツのエッセンスを入れています。また、80年代から90年代のフィンランドの家庭でよく使われていた色や素材も使用しています。


©︎The studio shots are by: Otto Virtanen

—今回のコレクションにはアイテムによってコインのバッチが見られましたがあれは?


©︎The studio shots are by: Otto Virtanen

コレクション制作中に「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」をプレイしていました。それを全てクリアしたら、次は古いマリオゲームに戻って過去に遊んでいなかったゲームもクリアしました。マリオといえばコインですよね。

—かなりゲームがお好きなんですね。

自分でブランドを運営するのは難しく、ときにストレスを感じることもあるので仕事とのバランスを上手くとる必要があります。私にとってゲームは無くてはならないもの。そして日本の大ファンでもあります。ゲームだけでなく、ファッションやアニメ、映画など日本のカルチャーが大好き。現在は新作の「ファイナルファンタジー7リバース」に夢中です。幼い頃もこのゲームに熱中しましたが、大人になり新バージョンをプレイできるのはとても嬉しく、懐かしさを感じます。ゲームの話なら何時間でも続けられますが、それはまた別の機会に取っておきます。

—日本のカルチャーに馴染みがあることを嬉しく思います。日本のファッションでいえば<WATARU TOMINAGA(ワタル トミナガ)>ともコラボレーションをされていましたね。

彼と出会ったのは毎年フランスで開催されている若手デザイナーのための大きなファッションコンペティションのイエール国際フェスティバルでした。彼は最高賞を、私はギャラリー・ラファイエット賞を受賞したことで、私たちのキャリアは大きく変わりました。彼はとても才能があり、コレクションが大好きなんです。私たちは<Vallila(ヴァリラ)> というフィンランドのインテリアブランドの支援を受けたレインウェアプロジェクトに参加し、フィンランドとアジアのいくつかの店舗でコラボレーションアイテムをリリースしました。


©︎Vallila project: Chris Vidal Tenomaa


©︎Vallila project: Chris Vidal Tenomaa

—<ROLF EKROTH>のこれからとして、どのようなビジョンを描いていますか。

このブランドで行うすべてのことにおいて、より良くなり続けたいと思っています。シーズン毎に自分の思い描いている姿に近づいている実感もあります。過去に行った、ある2つのコレクションで素晴らしかった点を進化させ、次のコレクションに繋げていきます。
それが一体何なのかはまだ公には言えませんが、今後のコレクションにそれがより明確に表れてくることを願っています。
ブランドのビジョンは常にアップデートしているので、今後も自分の理想へ挑戦し続けていきます。これからも楽しみに待っていてください。

2024AWコレクションはこちら
2024SSコレクションはこちら

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  • text : Akinori Mukaino
  • translation : Tetsu Charles Kawamoto
  • intaview & edit : Yusuke Soejima

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