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フィンランドの「本当の豊かさ」に触れる、The Baröで過ごした2日間 – QUI編集部シャルルのホテル体験記

Jul 7, 2026
コロナ期間から始まり、これまでリトリートを軸に日本各地のホテルや宿を取材させていただき皆様にお届けしてきました。今回、この連載初となる海外ホテルをご紹介する機会に恵まれました。豊かな自然に囲まれたホテル「The Barö」。カントリーサイドへと場所を移してフィンランドの本当の豊さを感じた、素晴らしいお宿での体験をお届けします。

フィンランドの「本当の豊かさ」に触れる、The Baröで過ごした2日間 – QUI編集部シャルルのホテル体験記

Jul 7, 2026 - LIFE/STYLE
コロナ期間から始まり、これまでリトリートを軸に日本各地のホテルや宿を取材させていただき皆様にお届けしてきました。今回、この連載初となる海外ホテルをご紹介する機会に恵まれました。豊かな自然に囲まれたホテル「The Barö」。カントリーサイドへと場所を移してフィンランドの本当の豊さを感じた、素晴らしいお宿での体験をお届けします。

今回、「Fashion in Helsinki」の取材に合わせて滞在を少し延長し、ヘルシンキから少し足を延ばして豊かな自然が残る田舎町へと向かいました。ヘルシンキ中心部から車を走らせること約1時間。美しい森を抜け、海沿いの道を進んだ先にひっそりと現れるのが、小さなホテル「The Barö」です。取材で訪れたヘルシンキ中心部は、洗練されたデザインやファッション、ものづくりに触れる刺激的な日々でしたが、ここは、もっと原始的で本質的な豊かさを教えてくれる場所でした。

フィンランド湾に面したインコーの群島エリアは、ヴァイキング時代から続く歴史が残る地としても有名です。そんな土地に2021年に誕生した「The Barö」は、周囲の森や海に溶け込むよう設計されており、自然を壊すのではなく、共存することを前提とした佇まいを見せています。

ホテルへ到着した瞬間、目の前に広がる静かな海と風に揺れる木々に、思わず言葉を失いました。聞こえてくるのは、ほんのわずかな鳥のさえずりと波の音だけです。東京やパリのような都市生活の中では、溢れるほどの贅沢を享受していますが、ここではその反対に、静けさこそが最大のラグジュアリーなのだと気づかされます。

滞在した客室は、まるで森の中に浮かぶ小さな別荘のよう。大きなパノラマウィンドウの向こうには森と海が広がり、室内にいても常に自然と繋がっている感覚があります。ここでは全18室すべてが、同じタイプの部屋で構成されています。

北欧らしいダークトーンを基調としたインテリアは落ち着きがあり、暖炉やテラスが空間に温もりを与えています。最低限の照明のみに抑えられた空間で朝目を覚ますと、最初に目に入るのは人工物ではなく木々の緑。そんな贅沢な作りに心が満たされます。

また、施設内のレストランで提供されるニュー・ノルディック料理も、自然との距離が近いフィンランドらしさを感じさせてくれる素晴らしいものでした。地元で焼かれたパン、森で採れたベリー、自家製スモークサーモン、有機卵。派手さはありませんが、一つひとつの食材にこの土地ならではの豊かさが詰まっていて、どれも印象に残る美味しさでした。

透き通る空気、どこまでも続く森、静かな海、そして誰にも急かされない時間。フィンランドの幸福度ランキングがなぜ世界トップクラスなのか、その理由を探しに来たわけではありませんでしたが、「The Barö」で過ごした時間は、その答えの一端を教えてくれたような気がします。

豊かさとは、たくさんのものを持つことではない。自然とともに過ごし、自分自身と向き合う時間を持つこと。「The Barö」は、そんな北欧の価値観を言葉ではなく体験として教えてくれる場所でした。もし、またヘルシンキを訪れる機会があるなら、もう一度訪れたい。足を伸ばせば、ガイドブックだけでは出会えないフィンランドの本当の魅力が待っています。

 


 

The Barö

ヘルシンキ中心部から車で約1時間、インコー(Inkoo)の群島に位置するエコ・ラグジュアリーホテル。美しい自然に囲まれた隠れ家のような立地で、洗練された北欧デザインと手つかずの群島の風景が融合した特別な滞在を提供している。環境への負荷を最小限に抑えながら上質な滞在体験を追求しており、持続可能な建築や地域資源の活用、自然との共生を重視した設計が特徴。快適さやデザイン性を犠牲にすることなく、サステナビリティとラグジュアリーを高次元で両立させている。

Barösundsvägen 679, 10270 Ingå, Finland

Instagramはこちらから
@thebarohotel

  • text : Charles Kawamoto(QUI)
  • edit : Miwa Sato(QUI)

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