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セレクトショップの次なる視線|PNG STORE 鷲山翔祐

Apr 2, 2026
その名の通り、オーナーやバイヤーの審美眼がフルに発揮される「セレクトショップ」。
トレンドをとらえたブランド、趣味や嗜好性が表れた服、目利きがキャッチした新世代のデザイナーなど、コンセプトが明確なショップであるほど、ファッションに対する美意識は店内の品揃えからも一目瞭然だ。そんなショップを訪れるファッションフリークが気にしているのは、常に新しい刺激を提案してくれるオーナーやバイヤーの次なる動向や関心。
今回は「人が集まって、つながる場所」をコンセプトとし、原宿に2店舗目をオープンさせる「PNG STORE(ピーエヌジーストア)」の鷲山翔祐さんにお話を伺った。

セレクトショップの次なる視線|PNG STORE 鷲山翔祐

Apr 2, 2026 - FASHION
その名の通り、オーナーやバイヤーの審美眼がフルに発揮される「セレクトショップ」。
トレンドをとらえたブランド、趣味や嗜好性が表れた服、目利きがキャッチした新世代のデザイナーなど、コンセプトが明確なショップであるほど、ファッションに対する美意識は店内の品揃えからも一目瞭然だ。そんなショップを訪れるファッションフリークが気にしているのは、常に新しい刺激を提案してくれるオーナーやバイヤーの次なる動向や関心。
今回は「人が集まって、つながる場所」をコンセプトとし、原宿に2店舗目をオープンさせる「PNG STORE(ピーエヌジーストア)」の鷲山翔祐さんにお話を伺った。
Profile
鷲山翔祐
PNG STORE / PNG TOKYO オーナー

2001年生まれ、静岡県出身。静岡でセレクトショップ「PNG STORE」を立ち上げ、国内外の新進デザイナー図ブランドをセレクト。2026年に原宿に「PNG TOKYO」をオープンする。

 

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@png_store_

自分と趣味が同じ服好きのために地元にオープン

「PNG STORE」の1号店は静岡だそうですが、セレクトショップをオープンさせるまでの鷲山さんの経歴を教えてもらえますか。

鷲山:ファッションはずっと好きで、将来は自分でショップをやりたという思いは持っていたので高校を卒業後に上京して文化服装学院のファッションビジネス科に進学したんです。それで2年生のときにファッションビジネスのノウハウを学ぶために渋谷のセレクトショップでインターンとして1年間働いた後に地元の静岡に戻って「PNG STORE」をオープンさせました。

文化服装学院の卒業後にすぐに自分のお店を持ったんですか!?

鷲山:そうです。どこかの会社に就職することもなく、社会を知らないままに21歳でショップオーナーになりました。

地元には戻らずに、そのまま東京でオープンしようとは思わなかったんですか。

鷲山:いずれは東京でショップを開きたいという思いは持っていました。それでも静岡に住んでいた頃、自分が着たいと思うようなブランドを置いているショップがなかったんです。それなら自分好みの服を揃えたショップを地元にオープンさせようと思ったんです。

実際に「PNG STORE」の静岡での反応はどうだったんですか。

鷲山:僕がほしいと思っていたような服を同じように求める若者がたくさん来店してくれました。間違っていなかったなって思いましたね。

—「PNG STORE」というショップ名にはどんな意味があるのでしょうか。

鷲山:PがPeople(ピープル)、NがNexus(ネクサス)、GがGather(ギャザー)で、人が集まって、つながる場所にしたいという想いを込めました。ファッションを通じて交流が生まれるようなショップを作りたかったんです。服を買う、買わないに関係なく気軽に遊びに来てもらいたいですし、「PNG STORE」で多くのファッション好きと出会って、つながって、新たなカルチャーが生まれてくれたらうれしいです。

静岡の「PNG STORE」は何年目ですか。

鷲山:5年目です。

どういうお客さんが多いですか。

鷲山:高校生や大学生など、若いお客さんが多いですね。地元が中心ですけど国内ではあまり取り扱っていないブランドラインナップなので、SNSで「PNG STORE」のことを知って県外から訪れてくれるお客さんもいます。

2026年3月には東京の原宿にも「PNG STORE」をさせますが、ショップ5年目で東京進出は結構なスピード感のような気もします。

鷲山:原宿にも若いショップオーナーが増えていますし、原宿のファッション熱も高まってきているように感じたんです。自分も乗り遅れずに、その仲間入りをするなら今しかないと思ったのがこのタイミングでした。「いずれは、いつかは、東京」とずっと考えていましたが、ある程度の思い切りもないと実行はできないので。

原宿でも少しだけ奥まっている場所で、お客さんは落ち着いて買い物ができそうです。とてもいいロケーションですよね。

鷲山:東京でもショップをオープンするならファッションの中心地でもある原宿でやるというのは最初から決めていました。通りがかりにふらっと立ち寄れるような場所ではなく、ここを目指して訪れるような場所なのですごく気に入ったんです。

原宿のショップ作りはこれからだとは思いますが、静岡とは店舗のコンセプトは異なるのでしょうか。

鷲山:静岡と原宿では運営を変えていこうと特に意識はしていないのですが、お客さんも異なりますし、お客さんに合わせたブランドのセレクトも異なると思うので、結果的には別路線のショップになっていくかもしれません。すごくかっこいいけれど価格的に静岡では難しいと思って取り扱いを控えていたブランドも、原宿では積極的に買い付けていくことも考えています。

デザイナーの人柄を重視してブランドをセレクト

新しいお客さんを増やすのであればオンラインやSNSに注力するという選択もあると思うんです。それでもコストをかけて原宿にリアル店舗をオープンさせたいちばんの理由はなんでしょうか。

鷲山:先ほどのショップ名に込めた想いにもつながるのですが、やはり僕は人との直接的な交流を大切にしたいんです。「PNG STORE」もオンラインストアはありますが、自分が接客をして、ブランドや服の魅力を直接伝えて、お客さんが納得したうえで購入してもらいたい。僕自身も服を選ぶときに「この人から買いたい」という思いが強くて、「PNG STORE」のお客さんにも同じように感じてもらいたいです。人と人とのコミュニケーションが生まれるのがリアル店舗の存在意義じゃないでしょうか。ポップアップも積極的に開催したいと思っていますが、それも場を持っているからこそです。

鷲山さんの接客スタイルはどんな感じなのでしょうか。

鷲山:心がけているのは「対話を楽しむ」ということです。服選びをお手伝いするための会話から、まるで関係のない雑談まで、お客さんとの対話を自分も楽しんでします。お目当ての服が見つからなかったとしても、お客さんから「「PNG STORE」に行ってよかった」と思ってもらえるのが僕のいちばんの喜びです。

「原宿だとこんなお客さんが来るだろう」とある程度の想定はされているんですか。

鷲山:そこは全く読めていなくて想像すらつかないです(笑)。だからこそ、楽しみでもあります。

「PNG STORE」には他店ではあまり取り扱っていないブランドが多いそうですが、セレクトする際に重視しているポイントはありますか。

鷲山:まずは自分が着たいと思うかどうか、そこの優先順位は高いです。原宿は全てインポートで新進気鋭と呼ばれるようなブランドばかりですが、それもブランドと一緒に成長していきたいという思いがあるからです。世の中的には知られていなくてもかっこいいと思ったらセレクトに迷いはありません。

どういうブランドに惹かれることが多いですか。

鷲山:セレクトするかしないかはデザイナーに会って、会話して、その人柄に惚れるかどうかが大きいです。当たり前ですがモノづくりに真摯に取り組む人が作る服は魅力的なものが多い。デザインもクリエーションも尖っているようでも、デザイナー本人はすごく柔和で穏やかだったり、そんなギャップにもたまらなく惹かれます。人柄に惹かれたら、そのデザイナーの想いが服のどこに落とし込まれているのかをお客さんにも伝えたくなります。今は作り手の思想や美学に共感してくれるお客さんはすごく増えています。

「PNG STORE」としては推したいけれど、お客さんからはあまり反応がないということもあると思います。

鷲山:そういう場合はそのブランドの良さが伝わるまでお客さんに丁寧に説明し続けます。反応が良くないからといってブランドを頻繁に入れ替えることはしたくないんです。「PNG STORE」と一緒に成長していけたらとセレクトしているので、その想いを簡単に翻したくないですね。

走ってぶつかりそこから学んで成長につなげている

鷲山さんがショップを運営するうえで最も力を入れていることはなんでしょうか。

鷲山:どこに力を入れるべきなのか、僕はまだ勉強している最中です。組織に属した経験もなく自分のショップをオープンさせたわけですから社会のことをわかっていないことは自覚しています。なので走りながらあちこちにぶつかって、揉まれて、少しずつ軌道修正しているような状態です。

若くしてオーナーになって年齢的なことで苦労などはありましたか。

鷲山:それはないですね。若いから、経験が少ないから軽く扱われたことも全くないです。むしろ同業の先輩方は「若いのにすごい!頑張れよ!」って応援してくれることが多いです。

メンズもレディースも服からバッグ、靴まで揃っていますが、さらに取り扱ってみたいジャンルはありますか。

鷲山:これからアイウェアが新たにラインナップに加わる予定です。今後の展望ということでいえばフレグランスはやってみたいです。「PNG STORE」のセレクトする香りを気に入ってもらって、それが再来店の動機になってくれたらうれしいです。

フレグランスは小規模でやっているブランドも多いので、「PNG STORE」はニッチなところを攻めそうですね(笑)。

鷲山:そうかもしれないです(笑)。

原宿への進出も「PNG STORE」としての次のステップだとは思いますが、最終的にはどういうショップにしていきたいですか。

鷲山:原宿のショップがどうなっていくのかも未知ですし、「PNG STORE」そのものもまだ5年目なので、あまり先のことは考えたことはないですし、考えられないですね。同じことの繰り返しにはなりますが、人と人がつながれるお店ではあり続けたいです。

現時点では自分がやりたかったショップは実現できていますか。

鷲山:自分が思い描いていたセレクトショップ像を遥かに超えていると思っています。わずか5年で東京にも店舗を構えることができるなんて夢にも思っていなかったですし、新しい目標もどんどん生まれていて、「PNG STORE」はものすごいスピードでステップアップできている気がしています。

鷲山さんよりも若い世代で将来はセレクトショップをやりたいと思っている人からすると、「やればできる」というのは心強いでしょうね。

鷲山:自分の力だけでここまで来られた決して思ってはいないです。お客さんもお店のスタッフも、人とのつながり、信頼関係を大切にしてきたから順調に成長できている。それは強く思いますね。

鷲山翔祐がレコメンドする3ブランド

<MAINS(メインズ)>

アーティストのSkepta(スケプタ)がクリエイティブディレクターを務めるロンドンのブランドです。自社のオンラインストアでの販売がメインなので、国内でも取り扱いがあるのは「PNG STORE」だけだと思います。リベットや5ポケットなど、デザインはデニムなのにそれをスラックス生地で仕立てるなど、独特のデザイン性に強く惹かれて「<MAINS>をどうしても日本でやりたい」と伝えて、その思いを叶えることができました。

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@mainslondon

<YAKU(ヤク)>

ロンドンのブランドで、「PNG STORE」のエクスクルーシヴのTシャツを作ってもらっています。恐竜をモチーフにしているカットソーなど遊び心のあるデザインもキャッチーですし、一方で麻シャツなどは一点一点を手染めするなど職人気質なところもあり、モノづくりの姿勢も独特だと思いました。デザイナーが僕と同世代ということもあり、これこそ人柄に惹かれたブランドのひとつです。

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@yaku.____

<DIARY1999(ダイアリー)>

マシュー・M・ウィリアムズの右腕と言われるフォトグラファー兼デザイナーが手がけるアメリカのブランドです。シャツとパーカーをフェイクレイヤードにしたり、腰で穿くようなシルエットのパンツだったり、90年代のヒップホップファッションからインスピレーションを得ているデザインが多く、ヒップホップ好きには刺さるはずです。シルエットはコンパクトなど現代的なバランスに仕上げているところも魅力です。

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@diary1999mhh

 


 

PNG STORE

「PNG STORE」は、異なるファッションの価値観をミックスし、世界的ブランドから新進気鋭のブランドまで幅広く展開するセレクトショップである。多様なカルチャーが交差する空間を通じて、人と服、そして人と文化がつながる場所を提案している。店名の「PNG」は「People Nexus Gather」の略であり、「人が集い、つながり、新たな流れが生まれる場所」という想いが込められている。街の空気や一人ひとりのスタイルに寄り添いながらも、環境の変化に揺るがない確固たる軸を持ち続けることを大切にしている。さらに、デジタルにおけるPNG画像のように「どのような背景(環境)にあっても本質を失わない存在」であることも意味している。自らの芯を貫き、常に透明性と鮮度を保ち続ける、それが「PNG STORE」のフィロソフィーである。

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〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目8−10 AIHARAⅡ1F A号室

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  • Photograph : Reina Tokonami
  • Text : Akinori Mukaino(BARK in STYLe)
  • Edit : Miwa Sato(QUI)

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