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僕たちはなぜ“もの”をつくるのか|OVERCOAT 大丸隆平×陶芸家 桑田卓郎

Nov 22, 2025
大丸隆平が2015年にニューヨークで立ち上げた<OVERCOAT(オーバーコート)>がブランドの10周年を記念して南青山の「OVERCOAT TOKYO」でトークイベントを開催。
10周年のスペシャルピースとしてコラボレーションした陶芸家の桑田卓郎をゲストに、進行役に<UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)>の上級顧問、栗野宏文を迎えたトークイベントのテーマは「BY HAND-僕たちはなぜ“もの”をつくるのか-」。ファッション、リテール、アートのそれぞれの視点が交差した語りの模様をお届けする。

僕たちはなぜ“もの”をつくるのか|OVERCOAT 大丸隆平×陶芸家 桑田卓郎

Nov 22, 2025 - FASHION
大丸隆平が2015年にニューヨークで立ち上げた<OVERCOAT(オーバーコート)>がブランドの10周年を記念して南青山の「OVERCOAT TOKYO」でトークイベントを開催。
10周年のスペシャルピースとしてコラボレーションした陶芸家の桑田卓郎をゲストに、進行役に<UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)>の上級顧問、栗野宏文を迎えたトークイベントのテーマは「BY HAND-僕たちはなぜ“もの”をつくるのか-」。ファッション、リテール、アートのそれぞれの視点が交差した語りの模様をお届けする。


左から)栗野宏文氏、大丸隆平氏、桑田卓郎氏

自分が最も得意とする技術をプレタポルテに持ち込んだ

栗野:本日はお仕事での付き合いも長く、長年親交がある大丸隆平さんが手がける<OVERCOAT>が10周年記念のトークイベントを開催するということで、ファシリテーターを務めさせていただく<UNITED ARROWS>の栗野です。大丸さんと桑田さんには思う存分に語ってもらおうと思っていますので、よろしくお願いいたします。まずはお二人に簡単な自己紹介をしていただきましょう。

大丸:<OVERCOAT>のクリエイティブディレクターの大丸です。人前でお話しすることは不慣れなのですが、10周年というブランドの節目でもあるので皆さんにお集まりいただきました。よろしくお願いいたします。

桑田:陶芸家の桑田です。<OVERCOAT>の10周年の記念イベントにお呼びいただきうれしく思います。本日はよろしくお願いいたします。

栗野:お二人はファッションと陶芸でジャンルは異なりますが、「自分の手を動かしてものづくりをする」という共通点があります。そのため本日のトークイベントは「BY HAND」がテーマになっています。AIを筆頭にクリエーションが人間の手から離れていくような世の中になっていますが、一方で人間の手がないと実現できないものづくりを実践しているのが大丸さんと桑田さんです。イベントタイトルに「僕たちはなぜものをつくるのか」とありますが、そこの想いを皆さんにお届けできればと思います。



栗野:僕が<OVERCOAT>を知ったのは大丸さんが手がけた「ワンサイズで成立するコート」がきっかけでした。

大丸:<OVERCOAT>をスタートさせるときに、自分たちがプレタポルテに参入するのに普通の服を作っても意味はないという考えから生まれたものなんです。パタンナーである自分の特技を活かしていこうと。

栗野:ブランディングにも通じるような考えが「ワンサイズで成立するコート」につながったんですね。

大丸:僕は<OVERCOAT>以外でも他のブランドのショーのための服を作っていて、その数は年間で2,000着近くになったこともあります。ショーに出演するモデルの身体には当然のように個体差があります。モデルの体型に準じて作るということはありとあらゆるサイズ、シルエットの微調整が必要になります。そういう微調整を必要とせずに、どんな人にもフィットするプレタポルテを作るにはどうしたらいいかを考えて着目したのが肩の傾斜でした。

栗野:あのコートには肩にプリーツが施してありますよね。

大丸:肩に自然と乗るような感覚を生み出せれば、誰にとっても着心地がいい服いなり、肩にアジャストすることでオートクチュールのような感覚を味わってもらえるのではないかと思ったんです。

栗野:可変的なプリーツがあることで小柄な方が着ても、大柄な方が着ても自然と肩に乗っていく。僕はファッション業界に携わって48年間多くの服を見てきましたが、大丸さんの「肩にアジャストさせる服」という設計はあまり目にしたことがないです。これはデザイナーではなく、もはやエンジニアの発想です。ファッションも行き詰まりがある時代で、プロダクトとして進化させて、その完成度によって支持されることは素晴らしいことだと思い、そこから大丸さんとのお付き合いが始まりました。

思いつかないような発想を次から自分の視点に取り込む

栗野:僕と大丸さんの出会いはそんな感じだったのですが、桑田さんはどのようにして大丸さんと知り合ったのでしょうか。

桑田:僕は最初は<OVERCOAT>が好きな顧客の一人でした。

大丸:そうですね。<OVERCOAT>を購入していただいていました。

桑田:僕がニューヨークで個展を開催する際には大丸さんと会うようになり、いろいろ話をしていくうちにものづくりをしている人間として大丸さんには同じ匂いを感じたんです(笑)。僕の考えに理解を示してくれますし、僕は大丸さんのデザインから学ぶこともあり、そうして刺激をもらえる友人として親しくさせてもらうようになりました。

栗野:僕が桑田さんの作品を目にしたのは六本木の<COMME des GARÇONS(コムデギャルソン)>のトレーディング ミュージアムでした。すごい陶芸家がいるなって思ったら、その直後に<LOEWE(ロエベ)>のクラフトプライズで受賞したことを知りました。

桑田:<COMME des GARÇONS>はニューヨークの展覧会で僕の作品を目にしたそうで、「トレーディング ミュージアムに作品を展示しませんか」と連絡を頂きました。僕はトレーディング ミュージアムのことを存じ上げなかったのでコンセプトなどを説明していただき、そういう場であるならこんな展示をしたいですとこちらからも希望を伝えました。

栗野:僕も六本木で作品を目にしたときはインパクトがありましたから、<COMME des GARÇONS>も同じような感覚だったんでしょうね。

桑田:<LOEWE>はクラフトへの関心が強いクリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソンがクラフトプライズを立ち上げると知って、ハイブランドが工芸を支援することに興味を持って僕も作品を応募したんです。周囲の同業も「みんなで出そう!」とちょっと盛り上がりました。

栗野:陶芸業界がざわついたんですね(笑)。

桑田:ありがたいことに僕の作品はクラフトプライズで賞をいただくことができて、そこから<LOEWE>との取り組みがスタートしました。最初の打ち合わせでジョナサンから「何かやりたいことはある?」と唐突に言われて戸惑ったのを覚えています。

栗野:ジョナサンからは具体的にやってみたいアイデアの提示はあったんですか。

桑田:甲冑のような表現を服に取り入れたいと言われました。それをどうやったら実現できるかお互いの案を擦り合わせていき、僕が岐阜で制作した陶器を<LOEWE>に送り、<LOEWE>からは胸の部分に陶器を充てて甲冑に見立てたドレスのサンプルが上がってきました。。

栗野:<LOEWE>とのコラボレーションはバッグもありましたよね。

桑田:フラメンコバッグですね。<LOEWE>からは「チャームとしてベルを付けたい」というリクエストがあり、僕が作陶した小さな茶碗を逆さにしてベルに見立てました。僕は茶碗の色と素材の相性を考えて「このバッグにはこの色の茶碗を」と提案して先方も寄り添っていただきましたが、実際のショーでは組み合わせはバラバラでした(笑)。でも、それがむしろ新鮮な表情を生み出していて「<LOEWE>の発想はやはりすごいな」って思いましたね。

栗野:近年はラグジュアリーブランドとアーティストのコラボレーションは増えていて、<LOEWE>の取り組みを見て感じたのはジョナサン・アンダーソンは本当に桑田さんの作風を理解しているなってことです。ディスカッションはジョナサンの「やりたいことはある?」から始まるわけですよね。その関係性こそがコラボレーションであって、桑田さんもやりがいはあったでしょうね。ドレスでもバッグでも作品には力が宿っていましたから。

桑田:僕は作品が自分の手から離れたらあとは選んでくれた方がどのように使っても構わないという考えで、茶碗を逆さにしてベルにすることにも異を唱えることはありませんでした。むしろ自分にない発想を与えてもらうことで、次からは自分の視点に取り込むことができる。それによってまた新たな感動が生み出せることができたらいいなと思っています。

完成形が想像できるから真逆のアプローチを探っていく

栗野:ものづくりの柔軟さでいえば大丸さんも「着ることができない服」というものを作っていましたよね。あれはなんですか(笑)。

大丸:なんなんでしょうね(笑)。僕の服作りは16歳からスタートしているんですけど、服を作っている人間はサヴィルロウのテーラリングを多少なりとも意識するはずです。僕も影響は受けましたし、勉強もしました。ただ、サヴィルロウのテーラリングだけが正解のようになってしまうのも個人的にはつまらないと思っているんです。それでサヴィルロウとは真逆の服作り、技術を探りたくて作ったのが着ることができない、着ることが難しい服です。

栗野:大丸さんにとってはそういう試みはガス抜きでもあるんですかね。

大丸:そうかもしれないですね。16歳の頃は一着が完成するたびに感動して、興奮していましたが、それは今思うとエンドプロダクトが自分で見えていなかったからなんですよね。でもキャリアを積んだ現在はデザインを起こした時点でどういう服になるか想像できている自分がいる。なので最後はどうなるのかわからないような服作りを試みたくなるんです。やはり自分自身がプロダクトの完成形を模索することを楽しみたいですから。

栗野:僕は初めて<OVERCOAT>のアトリエを訪問した際に、店舗の雨よけなどに使われるオーニングで作った服が飾られていて、それを見たときに常に「解」のない服作りを自分に課しているんだろうなって感じました。あと、大丸さんの印象としてあるのは解体魔ということです。

大丸:笑

栗野:ものを見ると頭の中に展開図が描かれるんですよね。5年ぐらい前の六本木での展示会では解体された野球のボールやビールの空き缶などが展示されていました。

大丸:立体物を平面に、フラットにしたくなるんです。同時にフラットなものを立体にしたい欲望もあります。

栗野:とても危険な人物です(笑)。ただ、服も平面の生地をパターンに乗せて、立体的に仕立てていくものなのでやっていることには一貫性があります。フラットにしたくなるというのは服の出自に遡って、生地の状態に戻したくなるってことですよね。ボールにしても空き缶にしても立体物になる前の姿を見たくなるというか。

大丸:そういう考えは確かにあると思います。

栗野:桑田さんの作品も一筋縄ではいかなくて、陶芸としては形も歪なものが多い。あれは土や釉薬と向き合うことで自然と生まれてくるものなんでしょうか。

桑田: 「こういう形を作りたい」と頭の中に描いたとしても、その通りに仕上げることは不可能なことは自分がいちばんわかっています。僕が住む岐阜県は瀬戸焼、有田焼に並ぶ陶芸の産地なのでそのときに自分が表現したい陶器にふさわしい材料も手に入れやすく、素材の個性を活かしたいと手を動かすことで形が固まっていきます。歪に見えるのは試行錯誤の結果です。

栗野:カラフルさも陶芸作品としては異色ですよね。

桑田:「焼き物ってこういうものだよね」という先入観があるからか、陶芸にはポップな色は少ないです。でも僕は若い頃ですけどカラフルなものばかりが目に留まる時期があって、侘び寂びの世界ともいえる陶芸にカラフルな色を加えたら、もっと自分が好きと思える作品が生み出せる気がしたんです。

 

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栗野:そういった独自色の強い作品に対して周囲の反応は?

桑田:よくなかったですね(笑)。和食器ショップに売り込んでも食器として見てもらえなかったです。

栗野:トラディショナルな世界では認めてもらえなかったかもしれないですが、それでも多くの人に受けようとするのではなく、オルタナティブな方へと自然と向かっていった感じですね。

桑田:多くの人から「いいね」と言われたいですけど、そういう風にはできないんです。自分なりに正統派を目指しても周囲の反応はあまり良くなくて、いつもの歪な作品の方が面白がってもらえることもある。先ほど大丸さんが「服の完成形が想像できてしまう」と言っていましたが、僕も同じで押さえるべきところを押さえたら整った器ができるのは想像できるんです。それをやっている陶芸家はたくさんいるので、自分が同じことをやる必要ないという考えは持っています。

栗野:ご存知の方もいるかもしれませんが桑田さんは元々はストリートダンサーだったんです。

桑田:ほんの少しですよ(笑)。

栗野:ダンサーから陶芸家への転身というのはあまり例がないと思いますけど、その振り幅の大きさが常識にとらわれない現在の作陶のスタイルにも現れているのかもしれないですね。

桑田:最初は受け入れてもらえないことは多かったですが、それでも自分のスタイルを続けていくことで「いいですね」って言ってくれる人が少しずつ現れて、大丸さんのように「一緒に何かやりましょう」と声をかけてくれる人もいて、それは本当にありがたいことだと思っています。

合理的とはいえない手を動かすものづくりを信じている

栗野:桑田さんの独創性を早くから評価していたのが大丸さんで、<OVERCOAT>の10周年記念のコートには桑田さんが一点一点制作した陶器のボタンがあしらわれています。

大丸:10周年という節目に桑田さんと何か一緒にできたらいいなと考えて、飾りボタンの制作を依頼しました。桑田さんとコラボレーションするなら陶器をただの装飾品にするのではなく、きちんと機能を持たせたものにしたかった。そこで出てきたのがボタンというアイデアでした。


桑田:自分としても満足できる陶器ボタンが完成したと思っています。このボタンは着脱式なのですが、取り外せる仕様や扱いやすいサイズ感など機能的な部分は大丸さんが主導してくれたもので、そういったファンクショナルな着地点の見極めはすごく勉強になりました。

栗野:トラディショナルかつポップな桑田さんの作品と大丸さんの細部まで計算された服が結びつくことで素晴らしいケミストリーを生み出していますが、これは「BY HAND」を信条とするクリエーター同士のコラボレーションの賜物だと思います。パターンを引けない、デザインも起こさない、画像を検索して「この要素とこの要素をミックスしてサンプルに」と指示だけするようなピンタレストデザイナーもいる。でも大丸さんも桑田さんも自分の手を動かしてものを生み出すことができる魔法を操れる二人です。かつては魔法使いがたくさんいて、70年代、80年代はいろんな夢を見ることができた時代でした。

桑田:<LOEWE>のジョナサン・アンダーソンと接していても、確かにそんな感じはありました。いろんな夢を見て、それを実現しようとしている人でした。

栗野:大丸さんも年間で約2,000着のショーピースを手がけたこともあったそうですが、それもご自身がパターンを引けて、自らがモノを生み出すことができるから可能なことです。

大丸:パターンを人に任せることはないですね。必ず自分で引いています。

栗野:大丸さんも桑田さんも魔法を駆使して、多くの夢見る人たちの希望や理想を叶えてきたんだろうなって思います。そんなお二人に質問したい方もいらっしゃるはずなので、ここからは質疑応答としたいと思います。

—大丸さんは服の完成形が見えてしまうと言っていましたが、それが見えたとしても服は人が着ることで変化が生まれて、そこに面白さもあるような気がするのですがどうでしょうか。

大丸:それは確かにありますね。僕は店頭に立つのが好きで、<OVERCOAT>のお客様に会いたいと思っています。それは自分が作った服をどうやって着こなしていただけるのかが知りたいからで、ワードローブとしてどのように活用しているのかを自分の目で確かめたい。なので僕は「余白のあるデザイン」というのを心がけています。100%作り込んでしまっては、着る人が入り込む余地がなくなってしまうような気がするからです。

栗野:<OVERCOAT>のシーズンビジュアルに登場しているのはプロのモデルではなく、大丸さんの身近にいる人たちなんですよね。それは服がプロダクトとして完成しているので、あえてプロをキャスティングしないことでズレを生み出そうとしているのかなと僕は思っています。ビジュアル的にクセが強めな方が多い気がします。

大丸:クセは強くても、みんないい方ですよ(笑)。

—桑田さんにお聞きしたいのですが、<LOEWE>や<OVERCOAT>のようにファッションだけでなく、あらゆるジャンルとコラボレーションしてみたいという想いはあるのでしょうか。

桑田:大丸さんのようにものづくりの感覚が近しいクリエイターならジャンルにこだわらずに一緒に仕事をしてみたいです。今回の<OVERCOAT>とのコラボレーションは本当に楽しかったですし、刺激もありました。それは僕がやってきたことを「いいですね」って理解してくれた大丸さんとの取り組みだったからなんですよね。

栗野:僕は桑田さんの作品は帽子と相性がいいような気がしています。あとは家具との協業も見てみたいです。

—今回のトークイベントのタイトルは「僕たちはなぜものをつくるのか」でしたが、それに対するお二人の答えをお聞きしてよろしいでしょうか。

大丸:手を動かしてものを作るというのは今の時代においてあまり効率的ではないですし、もしかすると論理的でもないのかもしれません。富を得ることとは真逆な行為のようにも思っています。ただ、僕は資本主義の頂点に近づくことが全てではないと信じているところがあって、それは冷蔵庫の残り物で作ったとしても、自分の手料理がいちばんおいしいというのに近い感覚です。僕はものづくりに関してはすごくロジカルです。ですが、ロジカルな思考を効率や生産性に向けるつもりがないんです。大量に作って、大量に売っていくことはお金につながるとは思いますが、そうじゃないものづくりというものを信じています。

桑田:僕の場合は「なぜものをつくるのか」と聞かれたら、その答えはそれしかできないからです。子供の頃はラジコンの動きのメカニズムを知りたくて分解していましたし、大丸さんと同じく解体魔でした(笑)。手を動かす作業そのものが好きなんですよね。考えながら手作業でものを作っていくことは自分に与えられた役割だと思っています。

栗野:大丸さんがやってきたことをあらためて振り返ってみるとファッションデザイナーでありながらファッションの世界で生きていないようにも思える。マーチャンダイジングという考えがないですよね。

大丸:そうかもしれないです。

栗野:生地との出会いがあって、過去にやってきたことを活かして服を作って、次に進んでいるのが大丸さんです。誰にとってもわかりやすいファッションで自分を確立しようとしていませんよね。それは桑田さんも同じです。

桑田:はい。

栗野:素晴らしい才能をお持ちなので陶芸の伝統に倣うような作品を生み出せば若くして人間国宝になれるかもしれない。ですが、そこを目指そうとしていませんよね。「コジコジ」というマンガに「コジコジはコジコジなんだよ」という決め台詞があるんです。それは「他の何者でもない」ということで、マーケティングやSNSの影響で何もかもが同質化している世の中で、ずっとコジコジでいる大丸隆平さんと桑田卓郎さんに僕は尊敬の念すら抱いています。これからも自分の居場所、立ち位置、役割を守り続けて欲しいです。本日はいろいろとお話しいただきありがとうございます。

大丸:こちらこそありがとうございました。

桑田:ありがとうございました。

編集後記
どのような一着にも、作品にも、作り手が見出した独自の視点が宿っていて、それに触れることが、日常に小さな驚きや問いをもたらしてくれるのだと実感。ファッションとは単に衣服を纏うのではなく、作り手の思考や哲学を纏うこと。それをあらためて教えてくれたトークイベントだった。

  • Photograph : Kaito Chiba
  • Text : Akinori Mukaino (BARK in STYLE)
  • Edit : Yusuke Soejima(QUI)

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