Studio Doeが代官山で単独ポップアップイベントを開催、ディレクターのアン・チェンにインタビュー
<Studio Doe(スタジオ ドー)>が国内で大きいイベントを開催するのは今回が初めての試み。4日間にわたってメディア向けの展示会とポップアップイベントを「DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY」で開催した。2012年に設立した台湾発のファッションブランド<Studio Doe>は、アジア圏を中心に多くのファッショニスタに愛される人気ブランドの1つだ。ディレクターのアン・チェンは美容やファッションに興味を持ち、自身のブログで多くのファッションコーディネートを紹介したことで「インフルエンサーの元祖」と称されるようになった。店舗経営を続けながら、服飾デザインの知識も広げていった彼女にとって、ブランドの洋服やアイテムを、ライフスタイルの象徴だと話す。「私は<Studio Doe>を通して、頑張りすぎず抜け感のあるスタイルを伝えたいと思っています。日常に寄り添い、簡単にコーディネートできる服を提供したい。あまり時間や手間をかけず、アクセサリーや濃いメイクも必要なく、自分らしさを表現できる上品さを持ったスタイルを提案したい」
12という数字に特別な想いを重ね合わせるディレクターのアンは、ブランド設立12年という記念すべき節目にブランドの価値観を再解釈し全面アップグレード。同時に待望の日本進出を叶えた。このイベントをきっかけに本格的な国内展開を望む彼女に<Studio Doe>や自身についてを伺った。
<Studio Doe>とはどんなブランド?
アン:シンプルでクラシックなデザイン性、上質な素材を使っているブランドです。
レディースではかっこいい女性像を掲げています。
ブランドの方向性は設立した当初から変わらないのでしょうか。
アン:ブランドを設立する前までは、自分に合ったスタイルがまだよくわかっていなかったので、流行っているものを身につけていろんなテイストに挑戦していました。でも、最終的には今の<Studio Doe>が掲げるかっこいい女性像が好みだということに気づいて、そこからは芯がブレることなく方向性も変わっていません。
今回、日本でポップアップイベントを開催したきっかけを教えてください。
アン:2022年に伊勢丹からオファーをいただいて初めてポップアップを開催した際に、意外にも多くの反響があり、日本にこんなに多くのファンがいることを知りました。インスタグラムでも日本のフォロワーが増えていて、これから本格的に日本進出をするにあたって良いタイミングだと思ったんです。今後は、日本の素敵なセレクトショップさんと面白い企画や販売ができたら良いなと思っています。
現在、販売している2024秋冬とジェンダーフリーコレクションのアイテムについて教えてください。
アン:本当はもっとたくさんの商品があるのですが、今回のイベントでは日本人に向けたアイテムをピックアップして持ってきました。特に秋冬のアイテムではふわふわなニットシリーズがすごく人気ですね。また、ジェンダーフリーコレクションは台湾でもすごく人気なラインです。ブランドとしてかっこいい女性像を掲げていることもあって、第一弾を発表した時から男性人気がすごくありました。また、一般的なジェンダーフリーの洋服とは違って細かいデザインがそれぞれ施されているので、メンズとウィメンズではシルエットが異なります。
アンさんの普段のスタイルで影響を受けているものを教えてください。
アン:美しいものがとにかく好きなので、国内外のアートやインテリアなどをよくみています。
日本にきたら必ず訪れるショップなどはありますか?
アン:台湾と日本では、市場の規模が全然違うのでセレクトされたブランドやアイテムが異なります。なので出張に来た際には小さいお店から大きいお店までいろいろ回りますが、中でもジュエリーブランド<LORO(ロロ)>の旗艦店は必ず訪れます。あとは<TODAYFUL(トゥデイフル)>にも行きますね。
「Flow in Style」というブランドコンセプトに沿って、流れる水のような静けさを感じさせる<Studio Doe>の洋服は、シンプルでミニマルながらも決して気負わない、だからこそ力強い不朽の魅力を持つ。内装は水を想起させるブルーの絨毯に雫を模ったオブジェが飾られ、透き通ったガラス越しから私たちを歓迎した。本イベントでは2024秋冬新作コレクションの他、定番コレクション、初お披露目となるジェンダーフリーコレクションの第二弾が登場。国内未入荷アイテムなどを含めた多彩なラインナップは、会場で試着が可能で商品はリアルタイムでオンラインサイトから購入できた。シンプルながらに洗練されたデザインは、着る人のライフスタイルに寄り添い、いかなるシーンやスタイルにも気品と自信を与えてくれる。新たなアイテムを毎月ローンチするというアンのアイデアの源となるのは、日常生活や普段の洋服だ。ベーシックなアイテムが抱える問題を解決したりアップデートしたりすることで、シンプルなデザインながらも他ブランドとは一線を画する魅力を持つ。それはサイズ表記にも表れている。通常のSMLサイズの他にプラス(+)やマイナス(−)がついているものがあり、それぞれウエストサイズは変わらず丈の長さが通常サイズよりも長めだったり短めだったりと、身長や体型に合わせた幅広い展開を実現する。他にもジェンダーフリーコレクションでは、メンズとウィメンズでサイズ展開が異なるだけでなく、袖のリブの長さやデニムのバックポケットのデザインが違うなどの細かいディテールへのこだわりが着る人を輝かせる。
<Studio Doe>の定番アイテムはデザインがシンプルでカラーリングもモノトーンやアースカラーといった合わせやすいものが多い。特に国内人気の高いアイテムをアンさんに伺うと【リバーシブルダウンコートジャケット】、【ウォッシャブルレザーテクスチャーワイドパンツ】、【サイドカットゼリーTシャツ】、【ジェンダーフリー ウォッシュドニットデニムジャケット】を挙げてくれた。
リバーシブルダウンコートジャケット
「レザーのロゴが入っていてシンプルなデザインです。ポケットの作りが裏と表で違うところが特徴で、ブラックとホワイトの2色展開です。」
ウォッシャブルレザーテクスチャーワイドパンツ
「秋冬新作のポリエステル素材のパンツは、洗濯機で洗えるところもポイント。ウエストがゴム仕様なのでリラックスした状態で着れます。」
サイドカットゼリーTシャツ
「ゼリーパックのようなつるんとした肌触りのTシャツで、サイドラインを作ることでスタイルが良く見えます。」
ジェンダーフリー ウォッシュドニットデニムジャケット
「実はデニムじゃなくてニット素材のジャケットは、ヴィンテージ加工が施されています。リブの幅がメンズとウィメンズで異なります。よく伸びる素材で、メンズが着ると柔らかい印象です。」
今後の目標を伺うと「来年の一番大きな目標としては、台湾で1店舗目を開きたいです。場所にこだわりを持っているので、良いところがないか常に探しています。また、場所だけでなく空間やサービスなど全てにおいてハイエンドなクオリティで提供したいと考えています。」と、台湾での初の実店舗に向けた思いを語ってくれた。これからの日本での展開については国内セレクトショップとの企画などを通して、実際に店舗で試着、購入ができる機会を増やしていきたいと話す。今後も、引き続き注目していきたい。
2012年に設立した台湾発のファッションブランド<Studio Doe(スタジオ ドー)>は、アジア圏のファッショニスタに愛される人気ブランドの1つ。「Flow in Style」を価値観に掲げ、シンプルながら洗練されたデザインで、着る人が自信と個性を自然に表現できることを目指している。ライフスタイルに寄り添い、どんなシーンやスタイルにも自由に合わせられ、気品あるスタイルを提案。また、ジェンダーレスラインも展開しており、男女ともに楽しめるアイテムを揃えている。