ファッション業界人が注目しているブランド図鑑 vol.1【A】
ここでは、ファッション業界人100名が注目しているブランドを紹介。
大御所ブランドから、新進気鋭ブランドまで、業界人ならではの視点にも注目したい。
A MACHINE — eri kobayashi / PR&SALES
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この数年、毎シーズン購入していて着用率がとても高いブランドです。1コレクションの型数は絞られていますが、その分1型1型のクオリティが高く、それぞれのアイテムにユニークなコンセプトがあるところが面白いです。
数年前に<A MACHINE(エー マシーン)>で初めて購入したノルディックセーターは、いくつも穴が空いていて、施されたダメージが星座の形になっていて遊び心を感じました。
アイテムごとに生産数の上限を設けているので、タグにはナンバリングが記されているのも嬉しいポイント。実はその横には指紋がプリントされていて、肉眼では見えないレベルの仕掛けがしてあるということを最近知りました…。とにかく細かいところへのこだわりがすごいので、是非実際に手に取ってほしいブランドです。
A MACHINE
https://www.instagram.com/a_machine/
AARON ESH — 大杉 真心 / ファッションリポーター
イーストロンドン出身のアーロン エッシュによる地元のナイトライフやカルチャーを凝縮したブランドです。
セントラル・セント・マーチンズMA卒業後、2022年にスタート。
すでにロンドンの若手支援プログラム「NEWGEN」や「LVMHプライズ」のファイナリストに選出された実績があり、現在はアレクサンダー マックイーン社が主催する「サラバンド財団」が支援中。ロンドン・ファッション・ウィークでショーを拝見し、今のロンドンらしいムードを体感できました。
どんよりとした曇り空に影響されたダークな色使いで、ちょっと気怠い感じがありながらも、反骨精神を感じられる若々しいエネルギーもある。ドラマチックなカッティングのドレスや、かっちりとしたテーラリングがありながら、ストリートウェアの要素が加わったエフォートレスなリアルクローズに落とし込まれています。
スタイリングにはケイティ・イングランドが携わっているのも特徴。来場者たちもかっこよくて、ロンドン中のイケている人を集めてきたような(笑)、ブランドコミュニティを間近で見られたのも強く印象に残りました。今後ますますの成長を期待したいブランドです。
AARON ESH
https://www.instagram.com/aaron.esh/
Abelia Edoward Goucha — 宮田 耕介 / SALES , PR
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ヴィンテージショップに足を運んだ際に、レギュラーアイテムのコーナーで発見できそうにも感じるのですが、よーく見ると「どこか」違う、「少し」違うを随所に感じ、その違和感が気を衒っているわけではなく、むしろ心地よく感じます。
尚且つデザイナー自身の原体験が意外と反映されており、またその体験が見かけによらずアクティブな事も非常に面白く興味をそそられます。
Abelia Edoward Goucha
https://www.instagram.com/abeliaedowardgoucha/
Acne Studios — 佐野 なぎさ / 縫製士、モデル
元々はクリエイティブ集団として始まった<Acne Studios(アクネ ストゥディオズ)>、現在ではデニムやマフラーなどですでに幅広く認知されているブランドです。
コレクションではショーピースに近いデザイン性の高いアイテムが多く、会場はオブジェなどで作り込まれており、空間全体がアートのようでいつ見てもとてもワクワクします。
デザイン性の高いアイテムも多いですが、自社生産でコストを抑えていたりきちんと実用的に作られているアイテムも多くあります。クラフトマンシップもしっかりと感じられるので、今もう一度注目しています。
Acne Studios
https://www.instagram.com/acnestudios/
AEHRR — 水戸 悠夏子 / 洋服屋
ステファノ・ピラーティに師事し磨いた立体裁断の技術と、帰国後にテキスタイルメーカーのブランドのデザイナーを担った経歴などから、素材への造詣の深さも持ち合わせている杉原さんが2025春夏からスタートするブランドです。
現在、杉原さんは”品の良さとデイリーユースの両立”を掲げるメンズ・ユニセックスブランド<nonnotte(ノノット)>も運営し、弊店に足を運んでくださる皆さまはもとより全国の洋服好きに非常に好評を博しています。
そんな杉原さんが新たにスタートするレディースブランド<AEHRR(エアー)>は、どうしてもメンズでは制約の出てしまう立体裁断によるドレーピングの表現を解放しています。 素材も拘り抜かれた他に見たことのないものを用いており、触れて、袖を通して、新鮮な驚きをもたらしてくれることと思います。
AEHRR
https://www.instagram.com/aehrr_official/
AKIKOAOKI — 大島 あずみ / PR01. PR
今年で10周年を迎える<AKIKOAOKI(アキコアオキ)>。デザイナーの青木さんは女子美術大学ファッション造形学科卒業後、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファッションを学んだ後、自身のブランドを立ち上げました。
ファッションを生きる行為そのものと捉え、それを纏う人の生き方や姿勢が感じられる装いを提案するブランドです。日常から拾い上げる「なぜ」や、不自由から生まれる美しさにはその背景を持つ衣服にしか生み出せないシェイプがあります。
デザイナーが出会ってきた造形、環境、時代、人、全ての背景からなる衣服を身に纏うことで、繊細な気づきが得られるとともに、様々なジャンルの垣根をこえて「ファッションは面白い」と感服させられるブランドの一つです。
ストリクトな経験を経ているからこその共感や、ワクワクさせてくれる違和感をぜひ袖を通すことで体感していただきたいです。
AKIKOAOKI
https://www.instagram.com/akikoaoki_official/
ANCELLM — 中根 良介 / 1LDK Planner , Buyer
2021春夏よりスタートした岡山を拠点とするブランドです。
SNSをきっかけにブランドを知りましたが、写真から伝わる独特な雰囲気に魅了されたのを今でも覚えています。『視点を変えた経年変化の提案』をテーマとし、地場の職人によって手作業で施される加工の数々はもちろん、デザイナー自身が作るパターンの緻密さは着てみて満足する魅力的な仕上がりです。
ヴィンテージの再解釈の視点が他とは異なる事で、スタイリングに変化を与え、改めてファッションは楽しいと味合わせてくれる稀有な存在だと思っています。
バイヤーとして、新たな企画を考えるプランナーとして、製作に真摯に向き合う姿勢や考え方に深く共鳴でき、とても注目しているブランドです。
ANCELLM
https://www.instagram.com/ancellm_official/
ANNAKIKI — 入口 梨紗 / CARV STORE PR ディレクター
ウェアラブルなアイテムから、立体的なカットワークが特徴的なアートピースまで心躍るアイテムが多い<ANNAKIKI(アンナキキ)>。2017年にアンナ・ヤン氏によって設立されたイタリアのブランドで、モノトーンをベースに、メタリックデザインやカーブィーなシルエットなどの大胆で未来的なデザインが魅力です。コレクションルックもどれも着たくなるアイテムばかりで注目しています。
ANNAKIKI
https://www.instagram.com/annakikiofficial/
ANOTHER OFFICE — 久戸瀬 崇裕 / TEENY RANCH
2024秋冬に日本に正式に上陸した韓国ブランド。元グラフィックデザイナーという経歴を持つデザイナーが、自身のグラフィックを模倣されたことを機に、時代に左右されない本質に向き合ったトラッドブランドを作るという、180°方向転換したという経緯が面白いブランドです。一見プロダクトブランドなのですが、掘るとアイテムによってはテーマソースが小説であるなど、ベースに男くささを感じます。デザイナー自身のバックグラウンドが生み出す面白さと本質を追求する誠実さが交錯したプロダクトは、掘れば掘るほど人間味が出てくるので興味深いです。
ANOTHER OFFICE
https://www.instagram.com/anotheroffice_official/
Ans Dotsloevner — 藤田 佳祐 / THE FOUR-EYED CEO
以前、QUIさんの別企画でも紹介させていただいた<Ans Dotsloevner(アンスドッツローヴナー)>ですが、この数シーズンでさらに飛躍的に業績と知名度を上げ、私の中ではすでに日本を代表するブランドのひとつとなっております。
上品でありながらアバンギャルドなデザイン、可愛さと格好良さの絶妙なバランス感覚、優しくかつ安売りしない強気なプライシング、そして影響力・牽引力のあるビジュアルディレクション。日本の市場からは簡単に飛び出して行くであろうブランドとしての完成度があるなどなど…、褒める点が多すぎます。(笑)
また、同業者(ブランドデザイナー等)からの支持や評価が非常に高いと様々なシーンでよく耳にしますが取り扱い店としても誇らしく感じます。
Ans Dotsloevner
https://www.instagram.com/ansdotsloevner/
ANTOK — 北島 佳奈 / DELTA , BREATH BY DELTA Staff
<Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)>出身の木代康太とOEM会社で経験を積んだ山白真結を中心に大阪モード学園の同級生7人によって2023年にスタートしたブランド。
地球環境に配慮した素材や染色方法を徹底して使用しながら、シルエットや加工方法など常に新しいアプローチを模索しています。サステナビリティが当たり前になる時代はいつか絶対に来る。その大切さを服を通じて世の中の人たちに伝えたいという姿勢にもとても共感できます。
ANTOK
https://www.instagram.com/antok__design/
ASHLYN — 尾花 未来 / 103
現在はニューヨークコレクションで発表している<ASHLYN(アシュリン)>のデザイナー、アシュリンとは2022年の「LVMHプライズ」で出会いました。数日間にわたるプレゼンテーションやショールームでの立ち振る舞いから、彼女の美意識の高さとパターンメーカーとしてのプライドが伝わってきました。フォルムの設計、生地のドレープ、人が纏うことで生まれる造形美を妥協なく追求しています。女性らしい曲線は特に魅力。
ブランドの素晴らしい功績や活動を上げることはいくらでもできるのですが、それ以上に<ASHLYN>の服に袖を通した時の高揚感が全てですね。
ASHLYN
https://www.instagram.com/ashlynnewyork/
AVAVAV — 槌田 有希 / stylist
洋服のデザインやシルエットも勿論可愛いけど、いつもランウェイショーで大胆な演出がされている所も素敵です。
2025春夏だとボディーペイントや両手が繋がったネイルに目を奪われました。
AVAVAV
https://www.instagram.com/avavav/
AXIS — 鈴木 綾介 / SOPORTE (BRAND SALES)
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デザイナーの田村さんは、ニューヨーク、パリのデザイナーズブランドでレディースパタンナーとしてキャリアを積み、2023秋冬から自身のブランドをスタートさせています。
レディースパターン出身という事もあり、<AXIS(アクシス)>の洋服は女性らしいパターンに、強さを感じる生地を当てこんでいるため、独特な雰囲気を醸し出していると思います。それが嫌な違和感になっていないのが個人的に凄く響いているポイント。ラフさと上品さのバランスが非常に素敵で、ギャザーの使い方が秀逸、無骨な男性が着ても様になってしまうところが凄い。
現状厳選されたモノ(シャツやパンツをメインに)を世に展開しているためブランドの成長と共に商品数が増えていき、<AXIS>のフィルターを通した、ニットやカットソーが増えていくのが非常に楽しみです。
田村さんの人間性も穏やかな中に熱いモノがあり、日本人離れした感覚を持っているのも凄く惹きつけられる部分です。