PRADA HOMEに「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」が登場、茶碗が映す住空間の詩学
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」は、シアスター・ゲイツとプラダの長年の関係から生まれた。クラフツマンシップへのまなざし、文化的な奥行き、住空間と儀礼空間に宿る内面的な価値、そして実験精神への継続的な関心が、その背景に流れている。会場ではシアスター・ゲイツ自身の作品に加え、黒木泰等、平野祐一、田端志音、大原光一の作品が呼応し合い、アートとオブジェクトの境界を揺らしていく。さらに、シアスター・ゲイツのスタジオで制作された大型彫刻やPrada Homeのセレクションも並び、機能、フォルム、日常の営みにひそむ儀礼性をめぐる視点が空間全体へと広がっていく。




本プロジェクトの中心にあるのは、日本の茶道文化で重要な役割を担う「茶碗」だ。「茶碗」は単なる機能的な器ではなく、所作そのものを受け止める存在として置かれている。一方で、「湯呑」は日々のリズムに寄り添い、「ぐい呑」や「徳利」は飲むという行為を共有の体験へとひらいていく。「器」はここで、手から手へ渡りながら関係を生むインターフェースとして捉え直されている。所有から体験へ、展示から使用へ、オブジェクトから関係性へ。そんな視点の切り替えが、「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」をかたちづくっている。







空間そのものも、このプロジェクトをかたちづくる大きな要素だ。日本の静かな住空間を思わせる会場には、常滑の水野製陶園ラボと協働して開発したセラミックタイル、日本の伝統的な左官技術に着想を得た土壁仕上げ、再生木材の長いテーブル、モジュール式の金属製シェルフが配されている。右手の空間には、シアスター・ゲイツの個人コレクションに属するキャビネットが置かれ、プロジェクト名の由来にもなった存在が場に厚みを添える。そこには「1,000 tea bowl project」による茶碗が並び、反復される形と釉薬の表情が、器に流れる時間をより豊かに感じさせる。
中庭には茶室も設けられている。畳をはじめとする日本建築の原則に基づき、厳選された素材で構成されたこの空間では、日本の茶人による茶会が“再現”ではなく、実際の営みとして行われるという。砂利や植栽、シアスター・ゲイツによる彫刻的な器で構成された庭、そしてヴィンテージのターンテーブルから流れるアナログレコードの音が重なり、会場には静かな思索と親密な空気がゆるやかに満ちていく。
開催情報
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」
会期:2026年4月16日~
会場:PRADA HOME | CHAWAN CABINET BY THEASTER GATES / VIA MONTENAPOLEONE 6
プラダ クライアントサービス
TEL:0120-45-1913