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12/13(土)から開催「猪熊弦一郎展 夢をならべている」、形のバランスに心を遊ばせる自由な絵画世界へ

Dec 12, 2025
2025年12月13日(土)から2026年2月15日(日)まで、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて「猪熊弦一郎展 夢をならべている」が開催される。本展では、80歳を超えてなお精力的に制作を続けた猪熊の晩年の絵画作品を紹介し、具象も抽象も自由に行き交うユニークな画面構成が立ち上がる。(PHOTO:猪熊弦一郎《ポートレイトの会話》1988年 (C)公益財団法人ミモカ美術振興財団)

12/13(土)から開催「猪熊弦一郎展 夢をならべている」、形のバランスに心を遊ばせる自由な絵画世界へ

Dec 12, 2025 - NEWS
2025年12月13日(土)から2026年2月15日(日)まで、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて「猪熊弦一郎展 夢をならべている」が開催される。本展では、80歳を超えてなお精力的に制作を続けた猪熊の晩年の絵画作品を紹介し、具象も抽象も自由に行き交うユニークな画面構成が立ち上がる。(PHOTO:猪熊弦一郎《ポートレイトの会話》1988年 (C)公益財団法人ミモカ美術振興財団)

猪熊弦一郎(1902–1993)は、香川県高松市に生まれ、東京、パリ、ニューヨーク、ハワイといった多様な土地を行き来しながら70年以上にわたり制作を続けた画家。画風は写実的な具象から抽象へと移ろいながらも、常にその時々の自分をまっすぐに画面へとぶつけ続けた。

晩年の猪熊が描いたのは、形の区別を超えたおおらかな絵画である。丸や四角、鳥や顔のような“かたち”が、何の序列もなく共に生きるように存在し、軽やかにバランスを取っている。それらは見る者の想像を静かに刺激し、作品ごとに違った“夢”を語りかけてくるようだ。

猪熊弦一郎《真昼のカーニヴァル》1992年 ©公益財団法人ミモカ美術振興財団

 

猪熊弦一郎《三つの言葉》1989年 ©公益財団法人ミモカ美術振興財団

「俺は俺なりの一つの画面の上で夢をならべているだけで、あなたはあなたでこの絵を見てなんて感じるか*」──晩年の猪熊はそう語り、観る者に自由な視点を委ねた。

*「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館オープン記念番組 guénまるがめの顔」(西日本放送、1991年11月17日放送)より

展示空間は、1階エントランスから2階、3階へと広がり、立体的に構成されている。観客は空間を移動しながら作品に触れ、それぞれの視点で猪熊が描いた形や画面構成を“発見”していく体験ができる。また同時開催の「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」では、音のなかを自由に歩くことで立ち上がる体験が楽しめ、視覚と聴覚という異なる感覚が呼応するような時間が広がる。

 

【プロフィール】

撮影: 高橋章

猪熊弦一郎(いのくま げんいちろう)
1902年香川県高松市生まれ。少年時代を香川県で過ごす。1921年に旧制丸亀中学校を卒業し上京、本郷洋画研究所を経て東京美術学校西洋画科で藤島武二に学ぶ。1926年に帝国美術院第7回美術展覧会に初入選し、その後も入特選を重ねる。1935年に第二部会を組織し、1936年に新制作派協会(現 新制作協会)を結成。1938年から40年までパリでアンリ・マティスに学ぶ。1950年に三越の包装紙「華ひらく」をデザインし、1951年に国鉄上野駅の大壁画《自由》を制作。1955年に渡米し、直線と円を中心とした幾何学的作品を多数制作する。1975年に帰国後は東京とハワイにアトリエを構え、鮮やかな色彩と多様な形を描く。1988年以降は顔や動物の姿も取り入れ、形が共存する表現へ到達する。1989年に丸亀市へ1,000点を寄贈し、1991年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が開館。1993年逝去、90歳。

 

【開催情報】

展覧会名:猪熊弦一郎展 夢をならべている
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
所在地:香川県丸亀市浜町80-1
会期:2025年12月13日(土)ー2026年2月15日(日)
開館時間:10:00–18:00(入館17:30まで)
休館日:月曜日(2026年1月12日は開館)、2025年12月25日(木)〜31日(水)、2026年1月13日(火)
観覧料:
一般1,500円(団体1,200円、市民割900円)
大学生1,000円(団体800円、市民割600円)
高校生以下または18歳未満・丸亀市内在住の65歳以上・各種障害者手帳を持つ方と介護者1名は無料
*同時開催企画展「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」、常設展「猪熊弦一郎展 物が在る」の観覧料を含む
*団体割引は20名以上
*市民割は証明書提示が必要。他割引との併用不可
問い合わせ先:0877-24-7755
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
URL:https://www.mimoca.jp/exhibitions/20251213inokuma/
Instagram:@mimoca_jp

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