角川武蔵野ミュージアムを訪れるべき10の理由
隈研吾が手がけた「岩の建築」
世界的建築家・隈研吾氏が国立競技場と同時期にデザイン監修した、角川武蔵野ミュージアム。極端に開口部が少ない複雑な多角形が約2万枚もの花崗岩で覆われ、高さ30mの建物自体がまるで巨大な岩そのもののよう。上に向けて広がっていくような壁面と相まって、建物に近づくほどにそのスケールに気圧される。そこに建っているというよりも大地の一部であるようなダイナミックな存在感を、実際に訪れて体感してほしい。
松岡正剛が編んだ「本好きの聖地」
4F エディットタウン-ブックストリート
角川武蔵野ミュージアムの館長を務めるのは、知の巨人・松岡正剛氏。編集工学者である松岡氏が監修した「エディットタウン-ブックストリート」は、本の息づかいや賑わいが感じられる「本の街」。世界を読み解くための9つの文脈によって約2.5万冊の本が50メートルの通りに配架され、新しい本と出会い、新しい連想が生まれる。
4F 本棚劇場
約8メートルの巨大本棚に囲まれた図書空間。2020年大晦日のNHK紅白歌合戦で、音楽ユニットYOASOBIによるテレビ初パフォーマンスが生中継されたことでも話題を集めた。KADOKAWAの出版物のほか、角川源義、山本健吉、竹内理三、外間守善の個人文庫など約3万冊が配架されている。「本と遊び、本と交わる」がコンセプトのプロジェクションマッピングも定期上映。本の内容が表紙の外に飛び出してくるような、音と映像を体験できる。
思考を深める、アートと出会う
4F エディットアンドアートギャラリー
現代アート作品を中心に様々なジャンルの、様々なものを展示するアートギャラリー。もの/作品、言葉と出会い、そこから感じることを出発点とし、想像、連想、思考をすることで、自らの知を再構築する経験の場となる。こけら落としは、国内初の大規模個展となる「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」(2021年5月31日(月)まで)。
2F ロビー
誰もが気軽に立ち寄れる広大なメインエントランスには、角川文化振興財団が所有する現代美術作品やユニークなプロジェクトを展示。
1F グランドギャラリー
約1,000 m²の空間に実験的な展示企画を展開する「グランドギャラリー」。自然、科学、芸術、博物、服飾、環境、社会など、物語を持つすべてのものを展示対象とし、大胆な構成でユニークなメッセージを伝える。サイエンスはアーティスティックに、博物はファッショナブルに、アートは物語とともに、そして過去は未来とともに。何かと何かが交わり合うところに「新たな発見」を見出す。
アラマタワールドに溺れる
4F 荒俣ワンダー秘宝館
日本が誇る博覧強記の怪人・荒俣宏氏が監修した、「想像力」や「アニマ」の見せ方にこだわった驚異の部屋。あらゆる「驚き」に充ち満ち溢れ、ヴンダーカンマーの凝縮からアカデミックの極致まで、視覚と感覚で楽しめる多種多様な展示品が集結。
4F アティックステップ
本棚劇場裏にある屋根裏的階段空間。荒俣宏氏の蔵書から約3,000冊を厳選して自ら配架。19世紀の書物から近作まで、日本ではここにしかない本も。荒俣氏の頭の中を覗き込んだような体験ができる。
アニメ文化の集積地
3F EJアニメミュージアム
EJとは『Entertainment Japan』の意で、日本が世界に誇るアニメを文化として捉え、独自の切り口で紹介するミュージアム。原作やスタジオ、キャスト、スタッフなど多くの創造性のもとに制作され、書籍や映画、ゲーム、グッズなど幅広い展開を見せるアニメを、作品を取り巻くエンターテインメント全体と共に紹介する。アニメ好きな方はもちろん、エンターテインメント好きな方も楽しめるはず。
世界で一番ラノベが読める
1F マンガ・ラノベ図書館
世界でもっとも多くのライトノベルに出会える場所。KADOKAWAグループから出版されたほぼすべてのライトノベルが揃い、児童書やコミックなども合わせて約25,000冊を所蔵。日本が誇るジュブナイルやエンターテインメントの豊かな世界を体験できる。
武蔵野の歴史に触れる
5F 武蔵野ギャラリー
角川武蔵野ミュージアムがある武蔵野エリアの土地、文化、歴史、自然などを深く知り、武蔵野を再定義するためのギャラリー。「武蔵野学」を提唱している民俗学者・赤坂憲雄氏が監修し、武蔵野の巨人「ダイダラボッチ」の巨大絵や立体地図など、様々なコンテンツを展示する。
5F 武蔵野回廊
武蔵野エリアに関する書籍や資料が並ぶ空間。民俗学者・赤坂憲雄氏が、「雑木林」「郊外」「川」「ハケ」「旅」「新田開発」「移民」というテーマのもとに集めた書籍のほか、地元の郷土資料や縄文土器も展示。
ここだけのお土産も
2F ロックミュージアムショップ
角川武蔵野ミュージアムの外観イメージからネーミングされた「ロック(岩)ミュージアムショップ」。オリジナルグッズや普段使いしたい可愛いアイテム、武蔵野で造られる様々な工芸品や、お土産にもピッタリな個性豊かな食品などを豊富にラインナップ。独創的な館の形状を活かしたグッズの販売も。
武蔵野の美味を堪能
5F SACULA DINER
地産地消をモットーに「武蔵野キュイジーヌ」をテーマに掲げるレストラン。特に野菜は、武蔵野の地で江戸時代から続く落葉堆肥農法で作る「三富(さんとめ)野菜」を使用。自然豊かな武蔵野台地を中心とした、まだあまり知られることのない魅力的な食材を、自由な調理法で発信する。
2F 角カフェ
所沢の特産品であるサツマイモと白玉粉で作った無添加の新スイーツ「オイモボール」を販売。角川武蔵野ミュージアムのスケッチがプリントされたラテも提供。隈研吾氏デザイン設計の店内でゆったりとした時間を過ごすことができる。
日本最大級のポップカルチャー発信基地
角川武蔵野ミュージアムが建つのは、日本最大級のポップカルチャーの発信拠点として2020年11月にグランドオープンした「ところざわサクラタウン」。
約4万㎡もの広大な敷地内に、角川武蔵野ミュージアムをはじめ、KADOKAWAが運営する書籍製造・物流工場やオフィス、イベントスペース(ジャパンパビリオン、千人テラス)、体験型ホテル(EJアニメホテル)、ショップ(ダ・ヴィンチストア)、レストラン(角川食堂)、商業施設、神社などを展開する。
角川武蔵野ミュージアム
□埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
□開館時間:日〜木曜 10:00-18:00/最終入館17:30、金・土曜 10:00-21:00/最終入館20:30
□休館日:第1・3・5火曜日
※祝日は該当する曜日の開館時間と同様 ※休館日が祝日の場合は翌日休館 ※レストランは除く ※開館日・時間は変更される場合もございます。
ⓒ 角川武蔵野ミュージアム
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- Edit&Text : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)