ファッション業界人100名が注目するブランド図鑑 2026 vol.6【P-S】
PETROSOLAUM — 芦野 真治 / PR & Communications Manager
足を保護する道具としてのプロダクトと、アートピースとしてのプロダクトを高いレベルで融合させたモノづくりを目指す<PETROSOLAUM(ペテロオラウム)>。素材で使用する動物に敬意をはらい、性質、特性を最大限に引きだすために受け継がれてきた伝統的な製法をベースに、新たなチャレンジ、独自の思想を反映させた靴を製作しています。毎シーズン、継続的にアントワープのデザイナーのJAN-JAN VAN ESSCHE(ヤンヤンヴァンエシュ)とのコラボレーションシューズを発表し、最近ではDOVER STREET MARKET GINZAでの展開が始まり、今後がますます楽しみです。
PETROSOLAUM
https://www.instagram.com/petrosolaum/
PHOEBE PHILO — 沼本 博史 / ADDITION ADELAIDE マネージャー, バイヤー
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2025年の秋冬シーズンよりADELAIDEでの取り扱いがスタートし、現在は世界的にも限られたアカウントのみで展開されていることから、当店で最も注目度の高いブランドのひとつです。ADELAIDEでは<CELINE(セリーヌ)>時代から彼女のデザインを取り扱っており、ショップコンセプトとの親和性も非常に高く、<CELINE>時代からのファンにとっては待望の展開となりました。また、ユニセックスファッションがまだ黎明期だった当時、ADELAIDEでは女性のみならず男性に向けていち早く<CELINE>のレディースウェアを提案していた背景から、「ジェンダーレス」や「セリーヌ男子」といったワードと共に注目を集めたことを思い出します。今回のシグネチャーブランドにおいても、引き続き男性向けサイズをオーダーしており、直近の2シーズンはほぼ予約で埋まっている状況です。大胆なカッティングと繊細なカラーリングが生み出す力強いコレクションは、性差を超えて多くの人に刺激を与え、ファッションコンシャスな男性たちからも再び高い注目を集めています。さらにシーズンごとに「買い替える」のではなく「買い足したくなる」シーズンレスな洋服が揃っており、現代的なブランドとしてのアップデートも感じさせます。
PHOEBE PHILO
https://www.instagram.com/phoebephilo/
pillings — 橋本 航平 / 伊勢丹新宿店 リスタイル バイヤー
今季のリ・スタイルは、コンセプチュアルなファッションをお客さまの日常とつなげていくことがお題目。テーマは「ライフスタイリング」。洋服のスタイリングとは人生のスタイリングそのものである。リ・スタイルはそのお手伝いをしたいというメッセージを込めた。ヒントになったのは今季のハイライトだった<pillings(ピリングス)>。日常とコンセプチュアルなウェアがシームレスにつながった見事なショーだった。村上亮太デザイナーの「まいばすけっと」をモチーフに日常をクリエイティブに切り取り、デザイナーズの文脈でリアルクローズを提案するアプローチがすごく響いた。現在、クワイエット・ラグジュアリーの基盤を追い風に、リアルクローズやストリートを得意とするメンズブランド勢が世界で躍進している。一方で、コンセプチュアルなレディースデザイナーズ勢にはやや停滞感を感じている。レディースではリアルクローズだけでは差別化が難しく、大きな変化を生むことは容易ではない。そんな中で、村上亮太デザイナーは「日常をコンセプチュアルにデザインする」という新しいアプローチを見せた。決してリアルクローズに寄せすぎることなく、しっかりとデザイナーズという文脈の中で日常を切り取ったことに衝撃を受けた。これはレディースデザイナーズにおける大きな突破口になると感じている。
pillings
https://www.instagram.com/pillings_/
PoI — 佐藤 亜都 / qqn’s ROBE オーナー, フリーランスエディター
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シンプルで着こなしやすいブランドが市場でも人気を集める中、<PoI(ポィ)>はその少し横を進むブランド。コーディネートの味変アイテムになってくれるインパクトのある小物から、何通りにも着こなせるウェアまで、スタイリングを面白がることがファッションの楽しみのひとつであることを思い出させてくれます。qqn’s ROBEでもオープンからお取り扱いしていますが、店頭でもオンラインでも反応が良いブランドです。昨年度の東京都のデザイナー支援プログラムにも選ばれていて、これからさらに飛躍が期待されます。個人的にはいつかランウェイショーが見てみたい!絶対ワクワクする世界観で見せてくれるはず♡
PoI
https://www.instagram.com/poi__official/
PONTE — 上岡 巧 / 編集者、YUI YAMANAKA / make up artist
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上岡 巧 / 編集者
ドーバー ストリート マーケット パリの雑多なハンガーレールの中で見つけた、ひっそりと掛けられた一枚のTシャツ。たった一枚のTシャツから世界観が広がり「これは何だ!?」と足を止めさせるブランドはそう多くない。ラベルには<PONTE(ポンテ)>とある。ジョナサン・アンダーソン率いる<LOEWE(ロエベ)>に在籍していたハリー・ポンテフラクトによるブランドだ。豪奢なクリエイターが手がけたそのルックブックには、ハンス・ベルメールを思わせるシュルレアリスム、キャロル・クリスチャン・ポエルにも通じる執拗さと狂気、寓話的で不穏で歪なデカダンスがにじむ。美しさと残酷さ、そしてそこに孕む矛盾。そして、見慣れたデニムやスウェットシャツにほんの少し手を加えるだけで、自らの世界へと引きずり込んでしまうようなビジョンの強さも。
YUI YAMANAKA / make up artist
ロンドン発の<PONTE>は、彫刻のようなシルエットと再構築された独特のデザインが素晴らしいブランドです。素材の使い方や造形のバランスがとにかく新鮮で、その存在感は一度見ると忘れられないほど。ルックはショーではなく、SNSや展覧会でお披露目するなど、ブランドの表現方法へのこだわりもとても感じる今注目しているブランドです。
PONTE
https://www.instagram.com/__ponte___/
POST ARCHIVE FACTION (PAF) — 高橋 卓巳 / Pred PR
<POST ARCHIVE FACTION (PAF) (ポストアーカイブ・ファクション (PAF) )>は、2018年にソウルで設立されたブランドです。過去にLVMHプライズのファイナリストにノミネートされ、Hypebeast 100に選出や<On(オン)>や<Clarks(クラークス)>とのコラボレーションでも話題を集めています。直近ではPittiのゲストデザイナーにも選ばれ、2026年春夏コレクションを発表しています。経歴だけでも勢いがあるのがわかりますが、韓国ブランドの中でも<POST ARCHIVE FACTION (PAF)> は特に勢いがあるブランドだと思っております。アイテムはシンプルに見えつつも細部へのこだわりや装飾使いで他にはない新たな構造的デザインを生んでいます。
POST ARCHIVE FACTION (PAF)
https://www.instagram.com/postarchivefaction/
RAINMAKER — 新川 陸斗 / ON TOKYO SHOWROOM PR
2024年秋冬シーズンのヴィヴィアン サッセンとのキャンペーンをはじめ、パリでのビジュアル撮影や2026年秋冬コレクションでは拠点にしている地元京都でのランウェイショーなど、新しい取り組みが目覚ましい<RAINMAKER(レインメーカー)>。グローバルに通用するクオリティと日本ならではの素材使いやディテールが融合した、唯一無二のブランドとして注目しています。
RAINMAKER
https://www.instagram.com/rainmaker_kyoto/
REPOS — Chisaki / モデル
最近の韓国ブランドで特に気になっているブランドです。コレクションのモデルをさせていただいたのがブランドを知ったきっかけで、着た時に自分らしいスタイルだと感じました。モノトーンアイテムのレイヤードスタイルが特徴で、色や素材の組み合わせで統一感を生み出せるところも気に入っています。
REPOS
https://www.instagram.com/reposseoul/
REVERBERATE — 髙木 聡二 / POETRY バイヤー
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デザイナーの星健介氏がアトリエを構えるのは在住するアムステルダム。都内の有名ヴィンテージショップに勤め、その後に渡英し某ブランドに従事し、2013年に英国にて<REVERBERATE(リバーバレイト)>を始動しました。型紙製作もミリ単位の調整も自らが幾度と繰り返し、美しく、そして柔らかなシルエットを生み出し、さらに彼自身の縫製レベルの高さは業界も認める程の腕を持っています。パタンナーから縫子までこなすデザイナー。テーラリングとミリタリーの融合、そこにアムステルダムの日常的な風景や色、建築からインスピレーションを入れ込んだ構築的なデザイン。着ると自然と馴染んでしまう大人な雰囲気と上質な素材感。妥協しないマニアック過ぎるオリジナルテキスタイルには、毎シーズン、バイヤー魂に火を付けられています。
REVERBERATE
https://www.instagram.com/reverberate_official/
RIKU UMEHARA — 中本 健士郎 / モデル, beans.クリエイティブディレクター、宮崎 翔太 / Freelance PR
中本 健士郎 / モデル, beans.クリエイティブディレクター
<RIKU UMEHARA(リク ウメハラ)>のデザイナーの梅原陸くんと出会ったのは2024年12月で、2025AWのルックにモデルとして起用してもらったことがきっかけでした。撮影後も付き合いは続き、QUIの「New Generations」で紹介していただいたbeans.の活動としてキュレーションした制作物と、<RIKU UMEHARA>のアクセサリーのワークショップイベントを2025年11月に開催しました。このイベントは陶芸家の家系である梅原くんとして陶器のアクセサリーをブランドのアイデンティティとして打ち出したいという想いのもと実現しました。彼の作る服は他のブランドでは見られないようなシルエットや素材使いが巧みな職人技が光り、それでいてデイリーで着られる服でもあります。バッググラウンドをうまく昇華した服作りや陶器アクセサリーの提案は、これぞ日本人という感性であり、今後はbeans.としても陶器を使用したアクセサリーや家具の制作、また陶器を身近に感じられるイベントも考えています。<RIKU UMEHARA>というメンズウェアの領域だけでなく、ライフスタイルの分野でも活動を考えている注目ブランドとして選びました。
宮崎 翔太 / Freelance PR
ネクストを担う若手の才能として<RIKU UMEHARA> を推薦します。2025年の夏に展示会へ伺いましたが、まず心を掴まれたのは「アイデンティティの落とし込み方」でした。作品全体に宿っていたのは民藝と真摯に向き合いながらも単なる引用ではなく、自身の感覚や経験を通して再解釈したピュアさと気品。特に印象的だったのは、箪笥飾金具の「戸隅」をモチーフに落とし込んだジャケットです。ブランドとしての「物語」と物量としての「重み」、その両方を持ち合わせていて、良い意味で着る側にも一種の責任感を与えるような力がありました。トレンドが高速で移り変わる時代において、デザイナーの梅原陸さんは「着る人のワードローブを想像」しながら服を描き、形にしていると感じました。民藝の精神を 「継承」と「更新」の両軸で捉え、自然に統合するそのバランス感覚は同世代の中でも抜きん出ていると思います。若手でありながら明確な芯と思想を持ち、これからの成長がもっとも楽しみなデザイナーとして強く推したいです。
RIKU UMEHARA
https://www.instagram.com/riku_umehara__/
ROMAIN KREMER — KANI / STYLIST
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<Mugler(ミュグレー)>や<CAMPER(カンペール)>で活躍したことでも知られるロマン・クレメール。そのクリエイションは時にセンシュアルやジェンダーという言葉では計りきれない官能美的男性像を描き、革新的なデザインは時に力強く、一貫してアバンギャルドでモード、グラマラスで退廃的、そしてユーモア。ビジュアル含め大好きです!ロマン・クレメールの求める理想の男性像を今後も注目しています。
ROMAIN KREMER
https://www.instagram.com/romainkremer/
Rory William Docherty — 鈴木 達之 / Archive Store
2026年春夏ロンドンファッションウィークにてデビューコレクションを発表した、<Rory William Docherty(ロリー ウィリアム ドハーティ)>。アーティスト兼デザイナーがニュージーランドを拠点としていて、不均衡なバランスで構築され、ややゆったりとしたシルエットが特徴的なブランドです。そんなモード特有のムードを醸し出している一方で、落ち着いたカラーバランスと素材感によって優雅さも感じられます。テキスタイルに描かれているのは、全てデザイナー自身によるアートワーク。そんなオリジナルのアート表現とリアルクローズとの融合は、アーカイブとしての価値を高める要因になるはずなので、個人的に注目しています。
Rory William Docherty
https://www.instagram.com/rorywilliamdocherty/
RYO TOMINAGA — 本橋 達郎 / XANADU TOKYO
数々のアーティスト衣装を手がける東京出身のデザイナーが全てハンドメイドで生み出すアクセサリーやボディパーツの作品は、アートとストリートモードをハイブリッドしたまったく新しいTOKYOスタイルです。
RYO TOMINAGA
https://www.instagram.com/ryo_tominaga/
SALON C. LUNDMAN — 中山 慶人 / BIOTOP プレス、井上 透 / International Gallery BEAMS バイヤー
中山 慶人 / BIOTOP プレス
BIOTOPで今シーズンから取り扱いをスタートした<SALON C. LUNDMAN(サロンシーランドマン)>。デザイナーのクリストファー・ルンドマンは1978年、スウェーデン北部のルレオに生まれ、18歳でデザインを学ぶためロンドンへ移住。パターンメイキングとテーラリングを学んだ後、セントラル・セント・マーチンズ大学で伝説的デザイナーであるルイーズ・ウィルソン教授に師事し、2005年にファッション修士号を取得。その後、<Acne Studious(アクネ・ストゥディオズ)>や<TOM FOTD(トム・フォード)>、<TEKLA(テクラ)>といった国際的なファッションブランドでシニアデザイナーおよびディレクターを歴任。2020年からは、アートディレクションとデザインのコンサルタントとして独立して活動しています。2023年に立ち上げられた<SALON C. LUNDMAN(サロンシーランドマン)>は、スカンジナビアのミニマリズムと、表現力豊かで時に気まぐれなディテールを融合させた、パーソナルなメンズウェアプロジェクト。プロダクトはイタリアの一流ファクトリーで縫製されています。派手さはないながらもテーラードからシャツまで洗練された丁寧な仕立てで、男心をくすぐるブランドかと思います。個人的にも非常に好みで長年着用したいブランドのひとつになりました。
井上 透 / International Gallery BEAMS バイヤー
2024年にパリの展示会で初めてフルコレクションを拝見させていただいたブランド。デザイナーはスウェーデン出身で過去に<Acne Studios(アクネストゥディオズ)>のヘッドデザイナーを務めていた。初めて見たジャケットは仕立てと生地の両軸でハイレベルなブランドでした。International Gallery BEAMSはレーベルの軸として「ドレス」が要素として入っているため、<SALON C. LUNDMAN>のようなブランドは僕たちにはすごく魅力的で、整合性があると考え、買い付けに至りました。オーセンティックでミニマルなムードですが、カットソーやニットの袖口のディテールなどはかわいらしさもあり、「真面目な服を本気で作り遊び心を少し入れるセンス」が個人的には好きなポイントでもあります。
SALON C. LUNDMAN
https://www.instagram.com/salon_c_lundman/
SANMONT — 稲垣 大貴 / alpha Brand Consulting
<SANMONT(サンモント)>が掲げる「必要な服」という思想が、今の時代に非常にフィットしていると感じています。奇をてらうのではなく、日常に静かに寄り添いながらも、素材選び・縫製・シルエットのすべてに一切の妥協がない。ミニマルでありながら、人の生活を本質から整えるようなバランス感が他のブランドにはない魅力です。毎日のように手に取ってしまう「必然性のある服」を生み出すブランドだと強く感じています。
- Edit : QUI Editrial Team、Akinori Mukaino(BARK IN STYLE)









