「Yamaguchi Seasonal 2025/坂本龍一+YCAM《Forest Symphony》」、常栄寺で6年連続の展示へ、11/30(日)まで開催
《Forest Symphony》は、世界各地の樹木から取得した生体データをもとに音を生成するサウンドインスタレーションである。坂本龍一とYCAMの共同制作によって2013年に誕生し、国内外で高い評価を受けながら展示を重ねてきた。2020年からは常栄寺で継続的に期間限定で公開されており、今年で6年連続の展示となる。

撮影:山中慎太郎(Qsyum!) 写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]
2011年の東日本大震災の後、坂本は〈人類が生きる環境〉を支える森林に意識を向けるため、樹木が発する微弱な生体電位をもとに楽曲を制作するというアートプロジェクトを構想した。そのプロジェクトにYCAMが参画し、センサーデバイスを開発して世界各地の樹木の生体データを収集。高谷史郎によるビジュアルディレクションを加え、季節や天候に応じて変化を続ける〈森のような空間〉を生み出した。常栄寺雪舟庭を背景に、微細な森の息遣いに耳を澄ませる体験は、自然とアートが響き合う稀有な時間をつくり出す。
《Forest Symphony》が紡ぐ音は、虫の声が響く夏から紅葉の秋、冬の静寂へと移ろう景色とともに広がり、訪れる人に自然と環境への新しいまなざしを促すだろう。
【作家プロフィール】
坂本龍一(さかもと・りゅういち)
1952年東京生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー、同年にYMOを結成。映画音楽『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞などを受賞。環境活動や大規模なインスタレーション作品にも取り組み、芸術の枠を越えた表現を追求した。2023年逝去。
【開催情報】
展覧会名:Yamaguchi Seasonal 2025/坂本龍一+YCAM 《Forest Symphony》
会期:2025年8月8日(金)~11月30日(日)
時間:10:00~16:30
会場:常栄寺(山口県山口市宮野下2001-1)
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、9月24日(水)、11月2日(日)、11月3日(月・祝)
観覧料:入場無料(ただし常栄寺拝観料は別途必要)
URL:https://www.ycam.jp/events/2025/yamaguchi-seasonal-2025-forest-symphony/