本展は、上田が約40年にわたり追い求めてきた被写体とまなざしの軌跡を、代表作から未発表の初期作品、最新作に至るまで、自ら現像とプリントを手がけた約500点で一望する大回顧展である。

上田義彦《Robert Mapplethorpe ・New York》1986年ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《Flowers No.12 ・Tokyo》1996年ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《M.Ganges No.2 ・Varanasi》2014年ⒸYoshihiko Ueda

出展作には、ネイティヴ・アメリカンの聖なる森を捉えた〈QUINAULT〉、家族を撮影した私的なシリーズ〈at Home〉、著名人の肖像写真〈Portrait〉、そして生命の根源に迫る〈Materia〉などが含まれ、多面的な活動を網羅。さらにこれまで展示機会の少なかった映像作品や、チベットの人々を撮影した最新作も公開され、上田の眼差しの変遷と持続が静かに語られる。

上田義彦《Quinault No.1 ・Washington》1990年ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《at Home ・Morie and Karen ・Hayama》1996年ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《Pomegranate ・Tokyo》1987年ⒸYoshihiko Ueda

この夏、葉山の海辺で出会う上田義彦の「世界」とその距離は、静かな驚きと発見をもたらしてくれるに違いない。

上田義彦《Apple Tree No.2 ・Gunma》2017年ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《Māter No.1 ・Yakushima》2021年ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《Māter No.10 ・Yakushima》2021年ⒸYoshihiko Ueda

【プロフィール】
上田義彦（1957年兵庫県生まれ、神奈川県在住）は、1979年大阪写真専門学校卒業後、福田匡伸、有田泰而に師事し1982年に独立。代表作に『QUINAULT』『at Home』『Materia』『AMAGATSU』『A Life with Camera』など。映画『椿の庭』（2021年）では監督・脚本・撮影を手がけた。多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授（2014–2025）。
公式ウェブサイト：https://www.yoshihikoueda.com/

【開催情報】
展覧会名：上田義彦　いつも世界は遠く、
会期：2025年7月19日（土）－11月3日（月・祝）
会場：神奈川県立近代美術館 葉山
開館時間：9:30～17:00（入館は16:30まで）
休館日：月曜日（ただし8月11日、9月15日、10月13日、11月3日は開館）
観覧料：一般 1,200円（団体1,100円）/ 20歳未満・学生 1,050円（団体950円）/ 65歳以上 600円 / 高校生 100円
※中学生以下、障害者手帳・ミライロID提示者（および介助者原則1名）は無料
※無料開館日：11月3日（月・祝）文化の日
※詳細は神奈川県立近代美術館の公式サイトをご確認ください。