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2019.05.18

TOTEM POLE PHOTO GALLERY|QUI的ギャラリー探訪

美術館に頻繁に通うアート好きも、街のギャラリーにはなかなか足を踏み入れがたい。あの敷居の高さはなんなのだろう…。入場も無料だし、もっと気軽に利用できたなら。QUI編集部は勇気を出してギャラリーのオーナーに話をきいた。

美術館との違いは、作家と近い距離で、レア(生)な作品に出会えること

訪れたのは四谷にあるフォトギャラリー、TOTEM POLE PHOTO GALLERY。写真家の有元伸也さんが代表を務め、現在12名のフォトグラファーが所属している。

QUI編集部(以下QUI):街のギャラリーって、最初に扉開けるのにかなり勇気が要りますよね?

有元伸也さん(以下有元):そうなんですよ。僕も上京したての頃、小さいギャラリー行くときすごい怖かった印象があって。雑居ビルの2階とかで、中が見えないようなところいっぱいあるでしょ?一度入ったらタダで帰れるのか…みたいな(笑)。そういう雰囲気をあえて表現している場合もあると思うんですけど、僕は自分が感じた“入りにくさ”みたいなのを解消しようと思って。物件選びで一番こだわったのは、グランドフロアであるということなんです。

ガラス張りの開放的なギャラリー

QUI:たしかに。ここはオープンに中が見えますし、とても入りやすかったです。美術館にある作品と、ギャラリーの作品、どんな違いがあるんですか?

有元:僕も美術館で展示することはありますが、ここはインディペンデントなギャラリーなので自由度が高いというか、規制なく表現できるというのはあります。なにより、作者の一番レア(生)な作品に出会えるのがいいところ。ここでは新作を発表することがほとんどですし、作家と会話を交えながら鑑賞できるということが一番の違いだと思います。

正解なんてない。作者は観る人それぞれの理解を吸収したい

QUI:作家さんに話を聞くとか、やってみたい気持ちはあるのですが、なにも知識がないし…。正直気後れしてしまいます。

有元:まったく気にしなくていいんですよ!いや、知識がないほうがむしろいい。そういう方からもらえる意見のほうが参考になるくらいです。新作はとくに作品の評価がまだ定まっていないから、僕らも葛藤を抱えながら展示している。お客さんとのコミュニケーションの中から、自作のヒントを見つけたいんです。だから、ただ作品を壁に貼るだけでは成立しない。お客さんと会話をする中で、新しい発見をしていきたいんです。それがないと、ここでやる意味がないんですよね。

QUI:では、あまり気張らずに声をかけてもいいんですね?

有元:もちろん。僕も知らない人のギャラリーに行って作家さんに声掛けるのは緊張しますけど、その緊張感も含めていいものだと思いますね。

あと、相対的に日本人は黙ってむずかしそうな顔で作品を見ている方が多いんですよね。ヨーロッパの方とかは、ほとんど友だちとかカップルで来て、感想を言い合いながら見てる。

日本人は理解しようとする傾向が強いんですかね?でも、 作っている本人も理解の及ばないところがあるはずだから、誰もわからなくていいんですよ(笑)。正解なんてないんでね。みなさんそれぞれの理解を僕たちも吸収したい。もちろん、なにも感じなければなにも言わなくていいですけどね(笑)。

インスタで「いいね」するだけじゃなく、次のステップへ

QUI:それを聞いて安心しました(笑)。いまはスマホで手軽に写真をとって、インスタでシェアする時代になりましたよね。写真というものに対してすごく裾野が広くなっていると思うのですがいかがでしょう?

有元:本当にそうですよね。いま展示をしているギャラリーメンバーのジョン・サイパルは、tokyocamerastyleというインスタを5年以上やっていて、フォロワーが12万人以上いる。会場にはフォロワーの方がたくさん来てくれます。スマホ上で「いいね」を押すだけじゃなく、実際この場に来て作者と触れ合うという次のステップに進んでくれる方がいてくれるのはうれしいです。そのうちオリジナルプリントに興味をもってくれるようになったり、自分で写真を撮って展示するようになったり、そういう方が増えてくれたらもっとうれしいですね。

取材時に写真展「A Straight Line of Vision」を開催していたジョン・サイパルさんは、インスタグラムの人気アカウントtokyocamerastyleの“中の人”。「ギャラリーの外からちょっと覗いて帰っちゃう人結構いるんです。入って来てよ!って思うよ(笑)」

作家とのコミュニケーションを楽しみながら、立ち寄る度に新しい発見がある場所。美術館が大手デパートだとしたら、街のギャラリーは新鋭デザイナーのコレクションが並ぶセレクトショップのような存在かもしれない。

TOTEM POLE PHOTO GALLERYについて

2008年開設。日本、韓国、中国、アメリカ、イギリスと、国籍も多彩な12名が在籍し、ベテランから若手まで、それぞれの作家が創作意欲の赴くままに作品を創り続けている。

【Member】

有元伸也、宛超凡、甲斐啓二郎、姜美善、坂本陽、ジョン・サイパル、新名安奈、ダン・エプソープ、比留間達朗、広瀬耕平、淵上裕太、水島貴大

 

〒160-0004 東京都新宿区四谷4-22 第二富士川ビル1階

Tel/Fax:03-3341-9341

営業時間:12:00 – 19:00 (close on Monday)

名前の由来になった、目の前にある児童遊園のトーテムポール

 

【Past Exhibition】

2009.6.23 – 7.5

TIOUS × TOTEM POLE PHOTO GALLERY「Opera」

Copyright © 2009 Tatsuro Hiruma All Rights Reserved.

Copyright © 2009 Shinya Arimoto All Rights Reserved.

Copyright © 2009 Hiroyuki Kishiyama All Rights Reserved.

 

 

2010.6.1 – 6.20

Shinjuku × TPPG

Copyright © 2010 Emi Fukuyama All Rights Reserved.

Copyright © 2010 Tatsuro Hiruma All Rights Reserved.

Copyright © 2010 Shinya Arimoto All Rights Reserved.

Copyright © 2010 Naoki Sekiguchi All Rights Reserved.

Copyright © 2010 Tatsuya Shimohira All Rights Reserved.

 

 

2016.8.30 – 9.11

同猫棲時代 / Co – Nekotation Era

Copyright © 2016 Masayuki Nakaya All Rights Reserved.

Copyright © 2016 Sean Marc Lee All Rights Reserved.

 

 

2019.2.26 – 3.10

張 瑜眞 / YU JIN JANG
Homewear

Copyright © 2019 YU JIN JANG All Rights Reserved.

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