ギャラリー小柳で「Tranquility 静謐」、ヘレン・ファン・ミーネら4作家によるグループ展を開催
静謐(Tranquility)とは、物事が静かで落ち着き、穏やかに整った状態を指す。本展では、そのあり方が風景や記憶、感情、時間の流れと重なりながら、多様なかたちで現れることに着目する。ヘレン・ファン・ミーネの写真作品に加え、熊谷亜莉沙、中澤安奈、小林照による新作を展観する。

ヘレン・ファン・ミーネ《Untitled》1999年、c-print、40 x 40 cm © Hellen van Meene / Courtesy of Gallery Koyanagi

中澤安奈《Remove the Veils 暁にまみえて》2026年、楠、107 x 52 x 60 cm © Anna Nakazawa

小林照《dpi 05》2026年、木炭紙、木炭、水、59.4 x 42 cm © Sho Kobayashi
オランダ出身のヘレン・ファン・ミーネは、1990年代半ばから主に少女を被写体とした写真作品を発表してきた。知人や街で声をかけた少女たちをモデルに、自ら服や髪に変化を加え、ポーズをつけながら撮影する。歴史的なオランダ絵画を想起させる繊細な光と色彩のなかで、少女たちの強さと脆さが交錯する内面を捉えている。
熊谷亜莉沙は、自身の複雑な生い立ちや境遇を起点に、生と死、愛と憎しみ、豊かさと貧しさといったテーマを絵画で扱ってきた。新作《she》では、フランスの教会で出会ったマリア像を描く。熊谷が人物を描く際に繰り返し用いてきた、目から下だけを捉える構図によって、「聖母」という象徴であると同時に、ひとりの人間としての「彼女」を描き出す。
中澤安奈は、石や木を用い、キリスト者としての信仰生活のなかで彫刻を制作している。本展では、人の人格や神に出会う人のありようを衣の姿を通して表現する「衣」シリーズの新作《Remove the Veils 暁にまみえて》を発表。さらに、カーテンをモチーフとした新作《その日、風の吹くころ》も展示する。
小林照は、「ピクチャー」を巡る歴史を背景に視覚表現を展開し、「像の起こり」を主題として制作する一方、御嶽行者として山岳信仰の実践や祭祀、儀礼にも携わる。本展で発表する《dpi》シリーズは、画像の解像度を示す「dpi(dots per inch)」から着想を得た作品。1インチに1つのドットを配置する「1dpi」の考え方をもとに、円形の版木による点描を重ね、制作地で採取して自製した炭インクを木炭紙に定着させている。
プロフィール
ヘレン・ファン・ミーネ(Hellen van Meene)
1972年、オランダ・アルクマール生まれ。1992年から1996年までヘリット・リートフェルト・アカデミー写真学科で学び、1995年にエディンバラ・カレッジ・オブ・アートに在籍。現在はオランダ・ヘイロー在住。国内外の美術館やギャラリーで個展を開催し、2000年、2006年、2012年にはギャラリー小柳でも個展を行っている。
Instagram:@hellenvanmeene
熊谷亜莉沙
1991年、大阪生まれ。2013年に京都造形芸術大学洋画コースを卒業、2015年に同大学大学院総合造形領域を修了。ギャラリー小柳では2017年のグループ展「Portrait」以降、個展やグループ展に参加。2025年には個展「天国泥棒」を開催した。
Instagram:@arisakumagai_art
中澤安奈
1988年、横浜市生まれ。2012年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、2014年に同大学大学院美術研究科彫刻専科を修了。2022年に大塚美術で「祈りの淵から」、2023年にNANAWATA café & spaceで「新しい日を賛美う」を開催した。
Instagram:@anna.sculpture
小林照
仙台市生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を経て、山岳信仰の道に進む。御嶽行者。「ピクチャー」を巡る歴史を背景に視覚表現を展開し、「像の起こり」を主題として制作している。
Instagram:@kobayashigazo
開催情報
「Tranquility 静謐」
作家名:Hellen van Meene、熊谷亜莉沙、中澤安奈、小林照
会期:2026年9月26日(土)〜10月24日(土)
会場:ギャラリー小柳
住所:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
開廊時間:12:00〜19:00
休廊日:日/月/祝祭日
ウェブサイト:http://www.gallerykoyanagi.com
Instagram:@gallerykoyanagi