見る、知る、作るをひとつに、「リサ・ラーソンの作り⽅ 展」が12/27(土)PLAY! MUSEUMで開幕
本展は、完成した作品だけでなく、その背景にある時間や工程にも目を向ける構成となっている。リサが粘土で原型を作り、工房の職人が型を起こし、焼成し、絵付けを重ねていく。ひとつの造形が、いくつもの手を経てかたちになっていく過程が、写真や映像、資料とともに丁寧に紹介される。
第1部 リサ・ラーソンのものづくりを「⾒る」・「知る」
第1部の「見る」「知る」のセクションでは、リサのスケッチや完成作品、スウェーデンで実際に使われていた道具類を展示するとともに、量産制作の工程と、それに関わる国内外の職人たちの仕事ぶりを、映像や写真でたっぷりと紹介する。

リサ・ラーソンの原型をもとに出来上がったプロダクト © LISA LARSON ©TONKACHI

リサ・ラーソンが実際に使用していた道具 © LISA LARSON ©TONKACHI
リサの陶器は、成形から焼成までを自身が手がける一点ものの陶器(ユニーク・ピース)と、リサが原型を作り、職人たちが量産する陶器という、ふたつの制作工程によって展開されてきた。本展では、世界各地へ届けられてきたプロダクトがどのように生まれてきたのか、その制作プロセスを通してリサのものづくりに触れることができる。
プロダクトのもととなる原型は、リサ自身が粘土から形を生み出す。そこから工房の職人が型を作り、素焼きを行い、絵付けを施して完成へと向かう。リサの頭の中にあったアイデアは、多くの手を経ることで広がり、各地へと届けられていった。その流れを、資料や映像を通して「見る」「知る」ことができる。

工房「ケラミック・スタジオ」の様子 撮影:木寺紀雄

リサ・ラーソンが制作のために描いたスケッチ © LISA LARSON ©TONKACHI
また、スウェーデンを何度も訪れ、20年近くにわたりリサを撮影してきた写真家・木寺紀雄の写真も展示される。制作の現場だけでなく、日々の暮らしと作品づくりが自然につながっていたことが、写真から静かに伝わってくる。
第2部 私だけのリサ・ラーソンを「作る」
第1部でリサのものづくりに触れた後は、会場の大空間でさまざまなワークショップに参加することができる(一部有料・事前予約制)。日本の窯元で製作された「リサ猫」の陶器に模様をつける体験や、猫のキャラクター「マイキー」にオリジナルの模様を施すサンドアートボトル、ぬり絵など、本格的な制作体験から親子でも気軽に楽しめるプログラムまで、会期中は毎日開催される(一部のワークショップは日付・曜日指定)。
自由に手を動かし、色を選び、形と向き合う。その時間そのものが、リサのものづくりとゆるやかにつながっていく。

マイキーのぬり絵 参考写真 © LISA LARSON

にっぽんのリサ猫 模様つけ 参考写真 © LISA LARSON
・マイキーのぬり絵(無料)
・マイキーのサンドアートボトル(有料)
・にっぽんのリサ猫 模様つけ(有料・数量限定)
第3部 リサ・ラーソンのゆくえ
第3部では、陶器という素材の特性にも目が向けられる。土から生まれながら、焼かれることで土に還れなくなる陶器。その一方で、リサが壊れた陶器をリユースしていたエピソードも紹介され、作品と長く付き合うための感覚が浮かび上がる。かわいらしさの奥にある、ものづくりへの誠実な姿勢に触れられるだろう。

リサ・ラーソンが筆立てとしてリユースしていた作品 © LISA LARSON ©TONKACHI
会期中は、展覧会オリジナルグッズの販売に加え、数量限定でヴィンテージ陶器作品も並ぶ。PLAY! CAFEでは、本展にあわせたオリジナルメニューも登場予定だ。
【プロフィール】

© LISA LARSON ©TONKACHI
リサ・ラーソン(1931–2024)
1931年スウェーデン生まれの陶芸家。1950年代より創作活動を始め、動物をモチーフにした愛らしい陶器作品を数多く制作した。スウェーデン最大の陶芸製作会社グスタフスベリ社では、同社の黄金期を支える中心的デザイナーとして活躍。日本では、陶器作品に加え、スケッチから生まれたキャラクター「マイキー」でも広く親しまれている。2024年、92歳で逝去。
URL:https://lisalarson.jp/
【開催情報】
展覧会名:「リサ・ラーソンの作り⽅ 展」
会期:2025年12月27日(土)〜2026年2月23日(月・祝)
会場:PLAY! MUSEUM
所在地:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F
開館時間:10:00–17:00(土日祝は18:00まで、入場は閉館30分前まで)
休館日:12月31日〜1月2日、2月8日
入場料:一般 1,800円/大学生 1,200円/高校生 1,000円/中・小学生 600円(未就学児無料、税込)
[立川割]立川市在住・在学:一般 1,200円/大学生 700円/高校生 600円/中・小学生 400円(※利⽤時、⽴川市在住・在学の⽅を対象に⼊場の割引があります。要証明書、税込)
主催:PLAY! MUSEUM
企画協力:株式会社トンカチ
URL:https://play2020.jp/article/lisalarson/
Instagram:@play_2020_04