「うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と」展、資生堂ギャラリーで3/3(火)より開催
資生堂社の企業文化誌『花椿』をはじめ、化粧品広告のポスター、資生堂パーラーのパッケージやプロダクト、そして展覧会初出品となる貴重な原画まで、約200点の作品を厳選して紹介。仲條が手がけたデザインは、時代の先を行く前衛性と、今なお色褪せない軽やかさをあわせ持ち、国内外のグラフィックデザイン界に異彩を放っている。

キュイジーヌ シセイドー オリジナルプレート、1984

資生堂パーラー ビスキュイ パッケージ、2015
本展の軸となるのは、「文字」と「画」の関係性だ。仲條は「文字」を造形として捉え、「画」と同じ地平で組み上げてきた。手描きの線、自由な構成、写真やイメージの重なりによって、「文字」はリズムを帯びて立ち上がり、「画」は自然と動き出す。仲條自身が語った「デザインはうたになる方を選ぶ」という言葉の通り、その仕事には、うたい、おどる感覚が一貫して宿っている。
見どころのひとつが、仲條が40年にわたり関わった『花椿』のライブラリー展示である。1982年から2011年まで、アートディレクターとして采配をふるった約350冊を一挙公開。ページをめくる行為そのものが、仲條のエディトリアルデザインに触れる体験となり、視覚的な構成の魅力をあらためて感じさせる。

『花椿』 表紙 1983 年1 月号 撮影/冨永民生、スタイリング/檜山カズオ 、ヘアメイク/マサ大竹
また、仲條のデザインに憧れ、影響を受けたグラフィックデザイナー・山口崇多(株式会社コル)による映像作品も展示される。仲條の「うた」や「おどり」を再解釈し、次世代へとつなぐ試みは、本展を現在進行形の表現として浮かび上がらせる。

「忘れちゃってEASY思い出してCRAZY」出品作、2012
日本美術に連なる文字と画の造形感覚、そして資生堂とともに育まれてきた仲條デザインの精神。
その重なりの中から、過去と未来を行き来するような美の可能性が、立ち上がってくるだろう。
【プロフィール】

撮影:若木信吾
仲條正義(なかじょう・まさよし)
1933年東京生まれ。東京藝術大学図案科(現デザイン科)卒業後、1956年に株式会社資生堂宣伝部に入社。1960年にフリーランスとなり、1961年に仲條デザイン事務所を設立。1966年から2011年まで資生堂社の企業文化誌『花椿』を手がけ、広告、パッケージ、企業文化活動のグラフィックなど多岐にわたる仕事を残した。東京ADC会員最高賞、JAGDA亀倉雄策賞、毎日デザイン賞ほか受賞多数。2021年10月26日没。
【開催情報】
展覧会名:うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と
会期:2026年3月3日(火)~6月28日(日)
会場:資生堂ギャラリー
住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
開館時間:平日 11:00~19:00/日・祝 11:00~18:00
休館日:毎週月曜(祝日にあたる場合も休館)
入場料:無料
主催:株式会社 資生堂
協力:仲條デザイン事務所
URL:https://gallery.shiseido.com/jp/
Instagram:@shiseidogallery
X:@ShiseidoGallery