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「コレクション展 2025- II」開催中、“日常”をほどく4つのキーワードで広島市現代美術館がコレクションを再編集

Oct 8, 2025
広島市現代美術館 A展示室で「コレクション展 2025- II」が2025年9月6日(土)から2026年2月1日(日)まで開催中。(PHOTO:モナ・ハトゥム《ノーウェイ(日本のスプーン)》2011 © Mona Hatoum. Photo © White Cube (George Darrell))

「コレクション展 2025- II」開催中、“日常”をほどく4つのキーワードで広島市現代美術館がコレクションを再編集

Oct 8, 2025 - NEWS
広島市現代美術館 A展示室で「コレクション展 2025- II」が2025年9月6日(土)から2026年2月1日(日)まで開催中。(PHOTO:モナ・ハトゥム《ノーウェイ(日本のスプーン)》2011 © Mona Hatoum. Photo © White Cube (George Darrell))

本展では、広島市現代美術館のコレクションを“日常”というテーマから再構成。展示室ごとに「日常の再発見」「生と死の狭間」「広島/ヒロシマ」「非常のあらわれ」という4つのキーワードを設け、収集方針や地域性をふまえた特別出品も交えて紹介している。

日常の再発見

人々や風景、身近な素材やモチーフといった日常を題材にしながら、その背後に潜む新しいまなざしを映し出すセクション。作品を通じて、見慣れたものがいつもとは違って見え、当たり前の世界に小さな揺らぎが生まれる。

日高理恵子《空との距離Ⅰ》2002

生と死の狭間

めまぐるしく変わる社会のなかで、心身に不調を抱えながらも日々を続けるために、人はさまざまな折り合いをつけて生きている。本セクションでは、身近な日用品や素朴な行為、人の姿かたちを映し出す作品が並び、途切れることなく続く日常の底にある「生」の在り方を意識させる。また、時にその営みを取り巻く社会の仕組みにまで視線を向けさせる作品も紹介される。

諫山元貴《screen》2017 ©︎ Genki ISAYAMA

広島/ヒロシマ

広島市現代美術館の収集方針のひとつである、「『ヒロシマ』と現代美術の関連を示す作品」を紹介するセクション。広島という土地から立ち上がる表現が集まり、作家たちの異なるアプローチを通して「広島」の多層的なイメージに触れることができる。

荒木高子《原爆の聖書》1984

非常のあらわれ

パンデミック、戦争、災害など、“日常”が揺さぶられる局面を取り上げるセクション。高嶺格《God Bless America》の特別出品や、新規収蔵となったモナ・ハトゥム《ノーウェイⅣ》の初展示などを通じて、日常に忍び寄る非常の兆しが示される。

下道基行《戦争のかたち》より〈農業倉庫〉2001-2005/2012

会期中は、作品を対話を通じて鑑賞する「いどばた鑑賞会」(毎月第1日曜)、小さな子ども連れでも参加しやすい「ベビーカーアートナビ・ツアー」(毎週水曜)、アートナビゲーターによる「アートナビ・ツアー」(毎週土日祝休)など、コレクションをより身近に体験できるプログラムも実施される。

日常を見つめ直す4つの視点が、美術館の展示室を歩くたびに重なり合い、静かに広がっていく。

【開催情報】
展覧会名:コレクション展2025 -Ⅱ
会期:2025年9月6日(土)–2026年2月1日(日)
会場:広島市現代美術館 A展示室
開館時間:10:00–17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(9/15、10/13、11/3、11/24、1/12は開館)、9/16、10/14、11/4、11/25、年末年始(12/27–1/1)、1/13
観覧料:一般350円(250円)、大学生250円(150円)、高校生・65歳以上150円(100円)、中学生以下無料
※()内は30名以上の団体料金
※毎月第3日曜「ハロー!コレクションデー」はコレクション展無料
※11/3「文化の日」は全館無料
URL:https://www.hiroshima-moca.jp/

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