美術館のコレクションを中心とした、さまざまなかたち・素材の彫刻作品に実際に手で触れることができる本展。来場者は美術館が用意した手袋を着用し、表面のでこぼこや冷たさ、硬さなどを指先で感じながら、視覚だけでは捉えきれない作品の魅力と出会うことができる。

展示作品には、堀内正和《半分おちそう》をはじめ、渡辺豊重《さまざま》や米林雄一《Cubic Castle》などが並ぶ。それぞれの手触りの違いから、彫刻という表現の奥行きを体感できるはずだ。

堀内正和《半分おちそう》 1973年 ブロンズ　神奈川県立近代美術館蔵 撮影：佐藤新一

渡辺豊重《さまざま》1985年 木、アクリル絵具、金属　神奈川県立近代美術館蔵

米林雄一《Cubic Castle》1991年 ブロンズ　神奈川県立近代美術館蔵 撮影：上野則宏

また、2F展示ロビーには、彫刻家・佐藤忠による鉄の作品《Untitled #62》などを特別展示。鉄の板を繋ぎ合わせて形作られたその作品は、表面が錆で覆われており、独特な質感をもつ。こちらも実際に触れることができ、彫刻と手のひらのあいだに新しい対話が生まれる。

[特別出品] 佐藤 忠《Untitled #62》2010年 鉄（耐候性鋼板）、錆　作家蔵 撮影：今村進介

「彫刻に触れる」という、通常の展覧会では体験できないアプローチで、作品の存在感と素材の記憶にふれる時間をぜひ楽しんでほしい。

【開催情報】
展覧会名：これもさわれるのかな？ —彫刻に触れる展覧会Ⅱ—
会期：2025年8月2日（土）〜10月19日（日）
会場：神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
開館時間：9:30〜17:00（入館は16:30まで）
休館日：月曜日（ただし9月15日、10月13日は開館）
観覧料：一般 250円（150円）/ 20歳未満・学生 150円（100円）/ 65歳以上・高校生 100円
※中学生以下および障害者手帳等、ミライロIDをお持ちの方と介助者1名 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※詳細および最新情報は公式ウェブサイトにて確認を推奨