QUI

NEWS

UESHIMA MUSEUMで「創造的な出会いのための展示」開催中、ジェームズ・タレルの常設展示もスタート

Jul 14, 2025
東京・渋谷のUESHIMA MUSEUMにて、「創造的な出会いのための展示」が2025年6月21日(土)より開催されている。

UESHIMA MUSEUMで「創造的な出会いのための展示」開催中、ジェームズ・タレルの常設展示もスタート

Jul 14, 2025 - NEWS
東京・渋谷のUESHIMA MUSEUMにて、「創造的な出会いのための展示」が2025年6月21日(土)より開催されている。

金沢21世紀美術館前館長・長谷川祐子をキュレーターに迎え、館のコレクションをテーマごとに再構成した本展は、光のアーティスト、ジェームズ・タレルの常設展示が新たに加わったことで、展示空間そのものの体験性が一層深まっている。


ジェームズ・タレル「Boris」2002年

本展は、「同時代性」を軸に蒐集された700点超のコレクションから厳選した作品を、地下から5階までフロアごとに異なるテーマで展開する構成。空間の流れと作品の響き合いによって、観る者の感覚と想像力を刺激し、自由な解釈へと導く。視覚だけでなく、知覚全体が呼び覚まされるような、静かに想像力を誘うような空間だ。

地下では「宇宙と重力」をテーマに、ロバート・ロンゴの惑星シリーズや、ボスコ・ソディによる物質の変容をテーマにした作品などが、人知を超えた世界への憧憬と重力への回帰を可視化する。


ロバート・ロンゴ「untitled (small Venus)」2005年


ボスコ・ソディ「untitled (Urushi Series)」2015年

1階では「都市とポップ」と題し、都市のリアリティに呼応する多様なポップアートが交錯する展示空間が展開される。アンディ・ウォーホル、バンクシー、奈良美智、草間彌生といった作家たちが、それぞれ異なるスタイルや視点でポップを表現し、都市の現在を多角的に浮かび上がらせている。


バンクシー「Bomb Love」2003年


草間彌生「今こそわが芸術のおとづれをまっているワタシ ハナバナしいわが心のナグサメのおとづれをまっている いつ年月をえてしらぬまにわたしは 今日のわたしはさみしかったので空の白いクモみつめたのだ / I who await the arrival, any moment now, of my art Awaiting the arrival of my heart's glorious consolation Years passed before I knew it Because I felt lonely today I watched a white cloud in the sky」2021年


奈良美智「No Nukes」2022年


アンディ・ウォーホル「Campbell’s Soup I: Tomato」1968年

2階は、ゲルハルト・リヒターの絵画群と、ジェームズ・タレルの新常設インスタレーションによる、視覚と精神の揺らぎをめぐる空間。ここでは「光」はもはや対象ではなく、知覚そのものとなって鑑賞者を包む。


ゲルハルト・リヒター「Kanarische Landschaften I [Canary Landscapes I (Butin 39)]」1971年


ゲルハルト・リヒター「21. Feb. 01」2001年


ゲルハルト・リヒター「Abstraktes Bild (P1)」1990/2014年

3階は「幾何と内省のコンポジション」として、アグネス・マーティンや山田正亮らの抽象作品が並び、沈潜する静かな時間が広がる。


アグネス・マーティン「untitled」1995年


山田正亮「Work E. 369」1988-89年

4階では「ナラティヴと色彩のアウラ」として、ウマー・ラシッドや加藤泉らによる具象と抽象の交差が描かれ、


ウマー・ラシッド「Payback is a motherfucker. The final death of Harlem Carl. Or, in another time, he would have outlived us all.」2022年


加藤泉「untitled」2020年

5階では「物質と感情のエンタングルメント」として、水戸部七絵、ジャン・ミッシェル・オトニエルらが愛と欲望、記憶を複層的に紡ぐ。


水戸部七絵「remember love」2022年


ジャン・ミッシェル・オトニエル「pink Lotus」2015年

全体を貫くのは、展示空間を単なる作品の配置ではなく、「余白」として捉える構想だ。作品と作品、階と階のあいだに宿る気配が、来場者自身の思考と感情を照らし出し、再び「見る」ことの意味を問い直させる。

【長谷川祐子 プロフィール】
京都大学経営管理大学院客員教授、国際文化会館アート・デザイン部門プログラムディレクター。元金沢21世紀美術館 館長。東京藝術大学名誉教授、総合地球環境学研究所客員教授。国内外で多数の国際展・大型展を企画し、オラファー・エリアソン、ダムタイプ、ライゾマティクスなどの個展を手がけてきた。著書に『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』『「なぜ?」から始める現代アート』『新しいエコロジーとアート 「まごつき期」としての人新世』など。

【開催情報】
展覧会名:創造的な出会いのための展示
会期:2025年6月21日(土)〜
会場:UESHIMA MUSEUM(東京都渋谷区渋谷一丁目21番18号 渋谷教育学園 植島タワー
キュレーター:長谷川祐子
開館時間:11:00〜17:00(最終入場16:00)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
観覧料:一般 1,800円/中高生 500円/小学生以下 無料(日本国内在住者)
日時指定チケット購入:https://ueshima-museum.com/#area-3

All Photo

NEW ARRIVALS

Recommend