パルコ 2025年Autumnシーズン広告を公開、クリエイティブディレクターにはAJ DUAN(エージェイ・ドゥアン)を起用
短編映画およびドキュメンタリー監督。上海出身、ロンドンのキングストン大学で映画制作を専攻し学士号を取得後、バーミンガム大学大学院にてドキュメンタリー制作を専門に修士号を修得。
短編ドキュメンタリー、ファッション短編、ブランドコンテンツなど多様な作品を手掛ける。人物の情感と環境との相互作用を捉えることに長け、独創的な発想と独自の美学を映像表現を通じて伝達する。<Hermès>や<GUCCI>、<LOEWE>、<PRADA>、<MIUMIU>、<Maison Margiela>などさまざまなグローバルブランドのキャンペーンを手掛け、世界に活躍の場を広げている。


今回のキーワードは「Echoes of self(反響、響き)」。自然の情景を超現実的かつ詩的な視点で描き出している。
息つく間もないほどのスピードで進む今の時代、私たちは膨大な情報の中に放り込まれ、自分自身の居場所を見つけられないまま時に彷徨い、迷いながら歩んでいると言える。
本広告では、“Echoes”を物理的な音の反響ではなく、内面の深い響き“Echoes of self”として描き、現代社会に埋もれてしまった自分の内面を探し求める姿を、撮影地である伊豆大島の雄大な自然の中で表現している。
今回公開されたAUTUMNムービーでは、自然の中で研ぎ澄まされる感覚により、自然や自分自身との繋がりを取り戻す姿が描かれる。
※WINTERシーズン広告は10月中旬頃に公開
AUTUMN MOVIE Voice Over
Listen, I'm not connected to anywhere.
Listen, the sounds echo from afar.
The nature, the wind.
I am the nature.
We are connected with everything around us.
In the stillness, I remember.
In the silence, I find myself.

クリエイティブディレクター AJ DUAN インタビュー

“Echoes of self”のタイトルに込めた思いは何ですか?
echoesという言葉はずっと私の心を打つものでした。
それはとても不確かな状態の音で、いつまでも最初の音がいつからはじまったものだったのか分からない。なぜならそれは絶えず反射し、歪み、変形しているからです。
だから、“Echoes of self”をコアコンセプトにした最大の理由は、私たち一人ひとりの「自我」は実にさまざまな声、さまざまなechoes(反響)で構成されていると思うからです。外からの声、他者の見方、私達それぞれの経験も、やがてechoesのように絶えず私たちの自己認識に影響を与え形作っていきます。
このテーマを考えたとき“Echoes of self”という言葉が浮かんだのです。
この息つく暇もないスピードで進み、情報が溢れる時代の中で、私たちが「自我」という曖昧でありながらも確かな存在を探求し、思索する様子をechoesというイメージで表現したいと思いました。

シューティングオフショット(1)
このテーマを通じて、反響に満ちた世界の中で皆さんが一度立ち止まり、ゆっくりと耳を澄ませ感じ取り、本当の自分自身の声を見分ける機会を持っていただければと願っています。
AUTUMN篇にどんな想いを込めていますか?

シューティングオフショット(2)
秋の映像の中で表現したいと思ったのはとても微細な感覚、つまり普段はほとんど気にも留めないような音です。
自然からのこれらの音がはっきりした瞬間 私たちの感覚もまた大きく研ぎ澄まされる、これはとても不思議なプロセスだと思うのです。
今回ロケ地とした伊豆大島のように大自然の前に立った時、自然はあなたの想像を超えた形であなたに応えてくれる。秋のムービーを通じて自然や自分自身とのつながりを取り戻す可能性を皆さんに感じてもらいたいと考えています。