《Piano sonata 01》2025 年｜🄫Nerhol Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery

《Canvas (Oasa)》2025 年｜🄫Nerhol Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery

Nerholは、グラフィックデザイナーの田中義久と彫刻家の飯田竜太によって2007年に結成された。連続写真に彫刻を施す作品で注目されたNerholは、写真と彫刻、可視と不可視、自然環境と人間社会など、異なる領域を行き来しながら表現を拡げてきた。2024年の千葉市美術館での大規模個展「Nerhol 水平線を捲る」を経て、本展では未発表作を含む約100点が紹介される。

《Cornus florida linn》2025 年｜🄫Nerhol Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery

蒔かれた種がその場で育つことと、掘り返されて別の土地で芽吹くこと。どちらも目的を果たしているようでいて、見方によっては失敗や過誤とも受け取れる。展覧会タイトル「種蒔きと烏 Misreading Righteousness」には、そうした両義的な出来事を通して、一義的な確かさの奥にある関係や意味に目を向けてきたNerholのまなざしが、このタイトルに反映されている。

本展は、2024年の千葉市美術館での大規模個展「Nerhol 水平線を捲る」を経て開催される。連続イメージを積層し彫るという手法を軸に、これまで扱ってきた素材や、対話という制作の起点を改めて見つめなおし、新たなアプローチへと展開された作品群が並ぶ。これまでの歩みを踏まえながら、次のフェーズへと踏み出す契機となるような構成だ。

《connecticut》2025 年｜🄫Nerhol Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery

多様な素材への探究も見どころのひとつで、街路樹や珪化木、ストーンペーパーなど、それぞれ異なる素材に対して新たなアプローチが試みられており、作品どうしが呼応する展示構成にも注目が集まる。また、帰化植物・ハナミズキをモチーフに、展示空間そのものを素材とする大型インスタレーションも発表される。

《carve out / E.M 38a》2023 年｜🄫Nerhol Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery
Photo by Daisuke Shima Photography

【開催情報】
展覧会名｜Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness
会期｜2025年7月12日（土）〜10月13日（月・祝）
会場｜埼玉県立近代美術館（〒330-0061 さいたま市浦和区常盤9-30-1）
休館日｜月曜日（7月21日、8月11日、9月15日、10月13日は開館）
開館時間｜10:00〜17:30（入場は17:00まで）
観覧料｜一般 1,400円（団体 1,120円）、大高生 1,120円（団体 900円）
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方（付き添い1名まで）は無料
※企画展観覧券でMOMASコレクション（1階展示室）も観覧可
WEBサイト｜https://pref.spec.ed.jp/momas/
主催｜埼玉県立近代美術館、朝日新聞社
協力｜Yutaka Kikutake Gallery
広報協力｜JR東日本大宮支社、FM NACK5