rin art association MAEBASHIにてヤビク・エンリケ・ユウジによる個展「Tangerine Collapse in the Alley」を開催
ヤビク・エンリケ・ユウジはブラジル・サンパウロに生まれ、小学生のときに群馬県に移住。思春期を過ごしたのち、東京という都市に触れたことと、古書籍で見た雑誌のグラフィックやフォントに衝撃を受けたことで、東京と現在の自身が、ブラジルと幼少期の自身(原風景の記憶)と繋がった感覚を得たことを切っ掛けにアーティスト活動を始める。

彼の作品は自身の多様な経験や記憶などから抽出されるコラージュワークから成り立ち、それらにはダンボールやホチキスなどの日常的な物質が、彼の経験や記憶、空想のイーメージの断片と等価値として用いられる。そこから連想されるのは世界の繋がりと多様性であり、彼の作品には世界に対しての明確な接続の意思と、時空を超えたリアリティが伴う。組み替え可能なフレキシブルな作品は変容する世界のあり方を示唆し、時に見られるバイオレンスなどのラディカルな表現は、違和感や世界に歪みを生じさせ、不完全な世界の中に存在する《美しさ》を抽出しする。
多くのファッションブランドとのコラボや、ファッション誌への作品提供などでも活躍。オブジェクトや、インスタレーション、アートとスケートカルチャーの新しい形態での融合を実験的に試みるなど、近年ますます活動の幅を広げているヤビク・エンリケ・ユウジの、新たな展開を目にする貴重な機会となっている。
開催概要
期間:2025年6月14日(土)から8月3日(日)
場所:rin art association maebashi
Tel:027-387-0195
開館時間:11:00 – 19:00
休館日:月曜•火曜
入場料:無料
ヤビク・エンリケ・ユウジについて
1997年ブラジル、サンパウロ生まれ。11歳より日本に移住。一時、文化服装学院にて服飾を学ぶ。その後、2017年よりコラージュを用いた表現活動を開始する。2019年に初の個展”FIRST IMPRESSION”をW+K+ Galleryにて開催。さらに同年、雑誌Them magazineにValentinoとコラボしたアートワークを掲載。そして2022年、YUKIKOMIZUTANI Galleryにて自身の最大規模の個展”AFTERTHOUGHT”の開催に至る。作品は、愛と憎しみ、秩序と混沌、美と歪みといった二元的な叙述に囚われる鑑賞者の傾向に挑戦する。廃棄物ともいえる古雑誌のグラフィックと、アートの領域から程遠い、産業の領域にある既製のマテリアルを組み合わせることで芸術作品と消耗品、娯楽と効用、大義と機能的定義の境界線を曖昧にする。全て直感に任せて表現するスタイルは、東京のアート・ファッションシーンを席巻する。現在では、コラージュを中心にオブジェクトの作成や空間インスタレーションなど、その表現の裾野を広げている。
rin art associationについて
rin art associationはコレクターである原田崇人が2010年に設立した現代美術を中心に扱うギャラリー。 群馬県内のオルタナティブスペースを中心に活動していたが、2017年1月に高崎駅近郊の新スペースに移転。鬼頭健吾などの新進気鋭の作家から、白川昌生、長重之などのベテラン作家まで幅広く扱い、地方都市から良質な文化を発信する。