再始動にあたり、流動性とはまた違う“生”を込めた服作りを堀内がブランドの根幹を形成し中心となりながら、〈TARO HORIUCHI〉アートディレクターとして大平かりんが新たに参画。
彼女が培ってきた、音楽・映画・アート・東京のファッションシーンから得たインスピレーションを堀内の作り出す世界に融合させ、“remix”したコレクションを展開する。
2023年春夏コレクションは、太いアナログサウンドに基づくリズムから攻撃的でエモーショナルな表現へと昇華されるアシッド・テクノがインスピレーション源。〈th products〉のミニマルなアイテムに、カットアウトやスリットなどを施し、不完全さを表現。シースルー素材との大胆な切り替えやドッキングにより、着る人が自由なレイヤードを楽しめるスタイルも特徴的。
グラフィックはEXTRAORDINARY MOMENTS(非日常的な瞬間)をテーマに、NYで活躍するRyan Carl(ライアン・カール)とのコラボレーション。
「より良い「プロダクト」を作ることは、余計な要素を削ぎながら整えていく行為と考えています。しかしその過程である種の『美』を排除していることも事実です。現代の服はどうあるべきか、と私がファッションデザインと向き合った時に、〈th products〉という感情や人間らしさを抑制した制作を『静』と捉えるのであれば、その都度の社会状況や時代の文脈のなかで、同時に『動』なものづくりも存在するのではないか。ある種の崩れたものや、変化は、人間が持つ豊かさの象徴でもある、それを考えたいと思っています。」— 堀内太郎
「今プロジェクトでの私の役割は、堀内やチームが作った〈th products〉のスキームのなかで、整えられたものを壊し/遊び再構築するという役割なので、得意とする『編集』にも近いと感じています。再始動にあたり〈th products〉の「集積の美」というコンセプトを私なりに解釈し、それは人格の多層化、漸進的な変化によって人間としての厚みや奥行きを重ねていくことだと考えました。
着る人の自由な精神/クリエイティビティを呼び起こし、自身のオルタナティブな魅力を表現できる服であるよう、様々なカルチャーから学んだ知性、美しさ、洗練を込めていきたいと思っています。」— 大平かりん
Instagram:https://www.instagram.com/tarohoriuchi/