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VALENTINO 2027春夏コレクション——未読の本から着想した、想像力を広げるワードローブ

Oct 19, 2026
<VALENTINO(ヴァレンティノ)>が、2026年10月4日(日)、パリのサント・ジュヌヴィエーヴ図書館にて、クリエイティブ ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレによる2027春夏コレクション「アンティ ビブリオテーカ(ANTIBIBLIOTECA)」を発表した。未読の本が持つ知識や発見の可能性を、ファッションの世界に置き換えた今シーズン。鮮やかな色彩や大胆な装飾、多様なシルエットを通じて、衣服が人々の想像力に働きかける力に焦点を当てた。

VALENTINO 2027春夏コレクション——未読の本から着想した、想像力を広げるワードローブ

Oct 19, 2026 - FASHION
<VALENTINO(ヴァレンティノ)>が、2026年10月4日(日)、パリのサント・ジュヌヴィエーヴ図書館にて、クリエイティブ ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレによる2027春夏コレクション「アンティ ビブリオテーカ(ANTIBIBLIOTECA)」を発表した。未読の本が持つ知識や発見の可能性を、ファッションの世界に置き換えた今シーズン。鮮やかな色彩や大胆な装飾、多様なシルエットを通じて、衣服が人々の想像力に働きかける力に焦点を当てた。

ショーの舞台となったサント・ジュヌヴィエーヴ図書館は、19世紀に建てられた歴史ある図書館。天井を支える鉄骨のアーチや壁一面に並ぶ蔵書が特徴的な閲覧室には、緑色のランプを備えた長い木製のテーブルが並び、普段は読書や研究のために使われる空間がランウェイへと姿を変えた。書物に囲まれた会場に、色鮮やかなドレスや装飾を重ねたルックが次々と登場し、文学とファッションが交差するショーが繰り広げられた。

コレクション名の「アンティ ビブリオテーカ」は、思想家ナシーム・ニコラス・タレブが著書『ブラック・スワン』で紹介した「アンチライブラリー(反図書館)」という概念に由来する。タレブは、作家ウンベルト・エーコが所有していた約3万冊の蔵書に着目し、すでに読んだ本と同じように、これから読む本にも大きな価値があると考えた。未読の本は、自分がまだ知らない知識や、これから出会う物語の存在を示している。日本で本を購入したまま積み重ねておく「積ん読」にも通じる考え方だ。

ミケーレはこの発想を衣服に重ね合わせた。ファッションショーで発表される服には、日常的に着用されるものもあれば、写真や映像の中で人々の記憶に残るものもある。実際に袖を通す機会がなくても、その服を着た自分の姿や、服にふさわしい場所、そこで過ごす時間を想像することができる。未読の本が新たな物語への期待を生むように、衣服もまた、これから経験するかもしれない人生を思い描くきっかけになるという視点が、今シーズンの根底にある。

ランウェイでは、ミケーレらしい華やかな装飾と大胆な色使いを取り入れたルックが展開された。鮮やかなピンクやイエロー、グリーン、パープルなどが登場し、色彩を重ねたスタイリングが目を引く。光沢のあるサテンや透け感のあるレース、立体的なフラワーモチーフ、フェザーなども取り入れられ、異なる質感を組み合わせることで、一着のなかに複数の表情を持たせている。

シルエットにも豊かなバリエーションが見られた。身体のラインを強調するビスチェやコンパクトなミニドレスに加え、ボリュームのあるラッフルや大きなリボンをあしらったドレス、裾に向かって広がるマーメイドラインのスカートなどが登場。なかでも、鮮やかなピンクのストラップレスドレスは、身体に沿う立体的なビスチェと、後ろ姿に広がる大きなラッフル、ブラックのリボンが特徴的だった。正面と背面で異なるシルエットを見せるデザインには、服を見る角度や動きによって印象が変化する面白さがある。

また、メンズウェアの要素を取り入れたスタイリングも展開された。テーラードジャケットやシャツに、装飾的なスカートやアクセサリーを組み合わせ、フォーマルなアイテムと華やかなディテールを重ねている。フェザーをあしらったトップスやレザーのジャケット、カジュアルなキャップなども登場し、ドレスアップと日常着の要素が一つのルックに取り入れられた。異なる時代やスタイルを組み合わせるミケーレのデザインが、今回も随所に表れている。

アクセサリーもコレクションの大きな見どころとなった。パールや大ぶりのチャーム、色とりどりのクリスタルを用いたネックレスを幾重にも重ね、首元に華やかなボリュームを形成。ロンググローブや存在感のあるハット、サングラスなども加わり、ウェアの色彩や装飾と呼応するスタイリングが披露された。複数のアイテムを重ねる着こなしからは、装うことそのものを楽しむミケーレの感性が感じられる。

こうした多彩なルックは、コレクション名に込められた「アンチライブラリー」の考え方ともつながっている。図書館に並ぶ本がそれぞれ異なる物語を持つように、ランウェイに登場した衣服も、着る人や場所、組み合わせによって異なる姿を見せる。鮮やかなドレスから端正なテーラリング、遊び心のあるカジュアルウェアまで幅広いスタイルが揃うことで、装いを通じて思い描く人物像も広がっていく。

ミケーレは今回のショーを、衣服が持つさまざまな可能性を集めた「視覚的なアンチライブラリー」として捉えている。その考え方を踏まえると、ランウェイで披露された一着一着は、完成されたスタイルであると同時に、これから生まれる着こなしの出発点ともいえる。特に印象的なのは、色彩や装飾を豊かに重ねることで、着る人の個性や気分に合わせた多様な選択肢を示している点だ。

「アンティ ビブリオテーカ」は、衣服を通じて未来の自分や新しい経験を想像する楽しさに目を向けたコレクションとなった。まだ開いていない本のページに物語が広がっているように、まだ袖を通していない服にも、これからの人生を彩るさまざまな着こなしが待っている。アレッサンドロ・ミケーレは、豊かな色彩と装飾を用いながら、ファッションが持つ想像力の広がりを表現した。

VALENTINO
ウェブサイト:https://www.valentino.com/

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