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楽天ファッションウィーク東京 2027年春夏コレクションガイド — 服のルールを組み替える vol.1

Oct 2, 2026
2026年8月31日(月)~9月5日(土)、楽天ファッションウィーク東京 2027年春夏コレクションが開催された。今シーズンは、身体と衣服、内と外、過去と未来、伝統と現在といったさまざまな境界に目を向け、その輪郭をずらし、重ね、組み替えるアプローチが目立った。素材や技法、記憶、土地の背景を手がかりに、それぞれのブランドが新たな服の形を探っていた。気鋭ブランドから海外注目ブランドまで、発表されたショーをvol.1からvol.2にわたってご紹介。

楽天ファッションウィーク東京 2027年春夏コレクションガイド — 服のルールを組み替える vol.1

Oct 2, 2026 - FASHION
2026年8月31日(月)~9月5日(土)、楽天ファッションウィーク東京 2027年春夏コレクションが開催された。今シーズンは、身体と衣服、内と外、過去と未来、伝統と現在といったさまざまな境界に目を向け、その輪郭をずらし、重ね、組み替えるアプローチが目立った。素材や技法、記憶、土地の背景を手がかりに、それぞれのブランドが新たな服の形を探っていた。気鋭ブランドから海外注目ブランドまで、発表されたショーをvol.1からvol.2にわたってご紹介。

※コレクション発表順

yoshiokubo/ヨシオクボ

<yoshiokubo>が、2027年春夏コレクション「Natural Born Nomads」を発表した。着想のきっかけは、久保嘉男がロサンゼルスの海岸沿いで目にした、古びた車から降りた若者がそのまま自然に走り出す姿で、誰かの指示を待たず、自分の気分に従って行動する軽やかさを今季の服へ取り入れている。普段着として取り入れやすいショートパンツなど、身体を自由に動かせるアイテムを揃えながら、1994年公開の映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の「born」という響きから連想した「骨」のモチーフも随所に取り入れた。久保自身がサウナへ歩いて通ううちに走るようになった経験も重なり、そのとき自分がしたいことを選びながら暮らす自由な感覚をコレクションの軸としている。

yoshiokubo 2027SS COLLECTION RUNWAY

Seivson/セイヴソン

<Seivson>が、かつて私邸として使われていた鳩山会館を舞台に、2027年春夏コレクション「閨房 / BOUDOIR」を発表した。女性の私室を起点に、ランジェリー、ストッキング、ストラップ、レースといった身体に近い要素を衣服の表側へ移し、旗袍の長いラインと西洋のコルセットが持つカップやボーンの構造を組み合わせた。ストッキング、ショーツ、ガーター、コルセットを服そのものの構造として使い、<JUICY COUTURE(ジューシー クチュール)>との協業では、ベロアのトラックスーツにレースや長く伸ばしたプロポーション、東洋的な結びのディテールを加え、黒とヌードカラーを中心に構成している。私邸から公共の場へと変化した鳩山会館の歴史と、身体の内側に近い要素を表へ出した服を重ね、私室で過ごすときの心地よさや親密さを外の世界で着る装いへ移している。

Seivson 2027SS COLLECTION RUNWAY

WHiTENOOK/ホワイトノック

<WHiTENOOK>が、東京で2027年春夏コレクション「融(FUSION)」を発表した。今季はデニムに素材を絞り、加工前に近い状態、ウォッシュ、コーティング、オパール加工という4つの方法によって、同じ生地がどのように変化するかを見せている。未洗いのデニムは深い色と明確な綾目を残し、ウォッシュでは色落ちと柔らかな風合いを加え、コーティングでは粗い織り目の上に光沢を重ね、オパール加工では繊維の一部を取り除くことで透け感や孔、不規則な縁を生み出した。一つのデニムへ時間や加工を重ねることで、素材本来の特徴を残しながら異なる表情を生み出し、その変化の過程を「融」というテーマに重ねている。

WHiTENOOK 2027SS COLLECTION RUNWAY

ENFÖLD/エンフォルド

<ENFÖLD>が、建築の構造を着想源とする2027年春夏コレクション「WRAPPING STRUCTURE」を発表した。建物を構成する内側の設備、骨組み、外側の表皮を「INNER / STRUCTURE / SKIN」という3つのレイヤーに分け、それぞれを身体と衣服の関係へ置き換えた。ボンディング素材、エナメル、リネンネップを使って硬さや柔らかさ、ざらつき、光沢を組み合わせ、山口崇多による建築モチーフのグラフィックやルイス・バラガンの建築から着想した色彩、さらに<goyemon(ごゑもん)>との雪駄も加えている。身体が入って動くことで立体的なフォルムが生まれる服を通して、建築物と同じように、構造から衣服の形を組み立てている。

ENFÖLD 2027SS COLLECTION RUNWAY

support surface/サポート サーフェス

<support surface>が、東京ポートシティ竹芝 ポートホールで、2027年春夏コレクション「ordinary shift」を発表した。「普通からの静かな移行 当たり前のその先へ」を掲げ、サックスブルーのストライプ、リネン、レースといった身近な素材や柄に、ブランドが得意とする立体的なパターンや仕立てを組み合わせた。ストライプ地はワンピース、ジップアップジャケット、立体裁断のトップスへ展開し、リネンはコットンやシルクとの混紡で質感を変え、レースは春夏らしい軽さを加える要素として使われている。高度な仕立てや素材使いを日常のワードローブへ取り入れ、普段着の形や見え方に少しずつ変化を加えている。

support surface 2027SS COLLECTION RUNWAY

MITSURU OKAZAKI/ミツル オカザキ

©︎JFWO

<MITSURU OKAZAKI>が、「奇妙な光景」をテーマに2027年春夏コレクションを発表した。義理の父と電車を待っていたとき、周囲の多くの人がうつむいてスマートフォンを操作していることに気づいた経験から、普段目にしている光景も視点によって奇妙に映るという感覚を出発点にしている。石田徹也の作品に描かれた荷造り紐で縛られるサラリーマンをもとにした紐のシリーズや、ミヒャエル・エンデの小説『モモ』に登場し、人々から時間を奪う「灰色の男たち」を思わせる円形のシャツ襟、飴の外袋の内側を切り抜いて使ったシルバーのパーツなど、身近な素材や具体的なイメージを服へ取り入れた。ラストルックなどのパッチワークでは、『モモ』が着るメンズジャケットの当て布に着目し、本来は補強に使う布を装飾として重ねることで、一つの要素が用途や置かれる場所によって違って見える感覚を形にしている。

MITSURU OKAZAKI 2027SS COLLECTION RUNWAY

MEGMIURA WARDROBE/メグミウラ ワードローブ

<MEGMIURA WARDROBE>が、2027年春夏コレクション「POST NEW WAVE」を発表した。既存の価値観に新しい視点をもたらした“NEW WAVE”の先を見据え、身体の前後左右、360度どこから見ても成立する服づくりを軸にコレクションを構成。一部のルックには、デザイナーMEGが手がけた<THE NORTH FACE Urban Exploration(ザ・ノース・フェイス アーバン・エクスプロレーション)>のカプセルコレクションをスタイリングし、<KNIT CRUSADERS(ニット・クルセイダーズ)>の浅香有里が制作したニットピースも組み込んだ。着る人によって輪郭や表情が変わる構造を通して、一着の服に複数の完成形が生まれる可能性を探っている。

MEGMIURA 2027SS COLLECTION RUNWAY

EITARO/エイタロウ

<EITARO>が、渋谷ヒカリエで、「脱」をテーマに2027年春夏コレクションを発表した。これまでの経験や記憶を持ったまま、新しい状態へ移っていく「脱皮」や「脱却」を今季の考え方としている。赤と黄色のオーガンジーを重ねてオレンジ、赤と青を重ねてパープルをつくるなど、透ける素材を重ねることで色を生み出し、ブリーチデニムのようなプリントを施したオーガンジーを重ねたアイテムも登場した。人を絵の具のパレット、記憶をそこに残る色に見立て、過去の色を重ねながら真っ白な未来へ新しい色を加えていくという考えを、服の配色とレイヤードで見せている。

EITARO 2027SS COLLECTION RUNWAY

KEIKO NISHIYAMA/ケイコ ニシヤマ

<KEIKO NISHIYAMA>が、2027年春夏コレクション「Cultivating Wonder」を発表した。人の手によって姿を変えながら異なる土地へ受け継がれてきた植物の旅を着想源に、18〜19世紀の植物図鑑や押し花標本、日本の『本草図譜』を紐解き、日本原産のユリ、西洋で発展し日本でさらに品種改良されたチューリップ、熱帯アジアから世界へ広がった蘭の背景をたどった。異なる植物の特徴を組み合わせた手描きの花を起点に、京都・与謝野のリボン織、花の生命感を立体的に描く手刺繍、異なる糸を掛け合わせたニットなど、日本各地の技術をテキスタイルと衣服へ取り入れている。植物を栽培して新たな品種を育てることと、自然への好奇心からまだ見ぬ美しさや驚きを育むことをテーマ名に重ね、手描きの図案と職人の技術が出会う一着一着を、新たな植物の「品種」として仕上げた。

KEIKO NISHIYAMA 2027SS COLLECTION RUNWAY

pillings/ピリングス

<pillings>が、朝日新聞社東京本社で、2027年春夏コレクション「Landscapes 2」を発表した。夢や遠い記憶の中にある景色が、思い出すたびに少しずつ形を変えていく感覚を起点に、現実、記憶、幻想の境界が曖昧になる様子を服へ重ねた。花の色が下のニットへ滲んだように見えるカーディガン、余った布が膨らむバルーンシルエット、捻ったり摘んだりしたシャツやカーディガン、綿毛をブーケのように配したニットなどを揃え、ブルーとホワイトが混ざるニットではインターシャ編みによって染めたような色の揺らぎをつくっている。
日常的な服へ少しずつずれや歪み、色の滲みを加え、同じ景色がその日の記憶や感情によって違って見える感覚を一着ごとのディテールへ落とし込んでいる。

pillings 2027SS COLLECTION RUNWAY

yushokobayashi/ユウショウコバヤシ

<yushokobayashi>が、渋谷ヒカリエ HALL Aで、2027年春夏コレクション「MeRmaid's Tears」を発表した。
TOKYO FASHION AWARD 2026受賞時にかけられた「ずっと地下にいると思っていた」という言葉をきっかけに、それまで空だと思っていたものを水面として捉え、地上へ憧れた人魚姫の物語と自身の現在地を重ねた。
立体的なカッティングで身体から膨らむフォルムをつくり、クッションのような貝殻や錨を使ったベルト、亀やヒトデを連ねたビスチェ、古着にレースやパールを重ねたリメイクドレス、オーガンジーのバラやローゲージのニットビスチェなどを展開した。
今季から小林裕翔が主に柄や生地、上原碧海がニットを担当し、水面から差し込む光を思わせるパステルカラーや塗り絵から着想したテキスタイルを使いながら、人魚が人間になることで得たものと失ったものを服の変化として描いている。

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yushokobayashi 2027年春夏コレクション──水面の光に憧れて、人魚は涙を流す
Sep 15, 2026

yushokobayashi 2027SS COLLECTION RUNWAY

 


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楽天ファッションウィーク東京 2027年春夏コレクションガイド — 服のルールを組み替える vol.2
Oct 02, 2026

  • Edit & Text : QUI Editorial Team

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