銀座 蔦屋書店で「画家 ル・コルビュジエ 建築の巨匠が紡いだ絵画の世界」開催、ドローイングとリトグラフでたどる創作の軌跡
サヴォア邸やロンシャンの礼拝堂を手がけ、近代建築の歴史に大きな足跡を残したル・コルビュジエ。一方で、毎朝アトリエに入り、生涯にわたって絵を描き続けた画家でもあった。「画家 ル・コルビュジエ 建築の巨匠が紡いだ絵画の世界」では、彼のインスピレーションの源となった絵画に焦点を当て、建築と絵画のあいだを行き来する制作の変遷をたどる。
見どころのひとつは、制作年代の異なる2点の原画《ピュリスムの静物》(1927年)と《手》(1951年)の展示だ。「ピュリスム」は、第一次世界大戦後のフランスでル・コルビュジエとアメデ・オザンファンが提唱した芸術運動。キュビスムの造形を受け継ぎながら、明快で秩序ある構成を志向し、日常的なモチーフを簡潔な形態と静かな色彩で描いた。

《ピュリスムの静物》1927年

《手》1951年
直線を中心に構成された《ピュリスムの静物》には、無駄を省いた機能的なデザインへの関心が見られ、のちに手がける『サヴォア邸』にもつながる造形的な思考に触れられる。一方、《手》には晩年の制作に見られる自由な曲線が取り入れられ、同時期に手がけた『ロンシャンの礼拝堂』や『開いた手のモニュメント』との関係も感じられる。2点を見比べることで、絵画表現の変化と建築作品の展開を重ねて見ることができる。
本展の中心となるのは、1955年に発表された版画集『直角の詩: Le Poème de l’angle droit』だ。ル・コルビュジエ自身が考案した配置「イコノスタシス」に基づき、太陽の運行や愛、「開いた手」などを題材にした19点のリトグラフで構成されている。『ロンシャンの礼拝堂』が竣工した年に発表された同作からは、人間と自然の調和をめぐる彼の考えを、建築とは異なる表現を通して読み取ることができる。
プロフィール

ル・コルビュジエ(Le Corbusier / 1887-1965)
20世紀を代表するスイス出身の建築家、デザイナー、画家。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレで、「ル・コルビュジエ」は活動時に使用したペンネーム。建築家として不動の地位を築く一方、生涯を通じて毎日絵を描き続けた。
1920年代にピュリスム(純粋主義)運動を提唱し、『サヴォア邸』など近代建築を代表する作品を手がけた。戦後は独自の寸法システム「モデュロール」を考案し、『ユニテ・ダビタシオン』や『ロンシャンの礼拝堂』などを設計。2016年には、国立西洋美術館(東京)を含む世界7カ国の17資産が「ル・コルビュジエの建築作品」として世界文化遺産に登録された。
開催情報
画家 ル・コルビュジエ 建築の巨匠が紡いだ絵画の世界
会期:2026年7月25日(土)~8月27日(木)
会場:銀座 蔦屋書店 アートウォール
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
開館時間:10:30~21:00
※最終日のみ18:00閉場
観覧料:無料
お問い合わせ:info.ginza@ccc.co.jp
公式サイト:https://store.tsite.jp/ginza/event/art/55635-1028150713.html
Instagram:@ginza_tsutayabooks