スティーブン・ギル個展「Stephen Gill」、自然と偶然に委ねる写真のかたち
《Hackney Flowers》では、ロンドン東部のハックニーで撮影した写真に同地域で採集した花や種を重ね、さらに土に埋めるなど、時間や土地との関わりを制作に取り入れている。《Talking to Ants》では、撮影場所で見つけた植物や昆虫などをカメラ内部に入れ、意図せず生じた影や痕跡を風景とともにフィルムへ定着。《Please Notify the Sun》は、Gill自身が一匹の魚の体内に入り込むという「探検」を通して制作された作品となる。
《The Pillar》では、スウェーデンの農地に一本の木製の杭を立て、その前にモーションセンサー付きのカメラを設置。ギル自身がその場に立ち会うことなく、杭に集まる鳥たちの羽ばたきや休息、羽づくろい、飛び立つ瞬間が記録された。写真家が決定的瞬間を選び取るのではなく、鳥と偶発性、装置との出会いによってイメージが生まれる作品だ。
自身の「撮る」という行為を少しずつ手放し、自然や偶然に作品を委ねてきたギル。本展では、写真をコントロールするのではなく、写真が生まれる状況そのものをつくるという制作姿勢が示される。
プロフィール
スティーブン・ギル(Stephen Gill)
1971年イギリス・ブリストル生まれ。幼少期から写真と自然に関心を持ち、父親から写真の現像やプリントの技術を学ぶ。1997年からフリーランスの写真家として活動を開始。2005年には自身の出版レーベルNobodyを設立し、編集から印刷、製本まで出版に関わる工程を自ら手がけている。近年はスウェーデン南部を拠点に制作。作品はテート、ヴィクトリア&アルバート博物館、ストックホルム近代美術館、ナショナル・ポートレート・ギャラリーなどに収蔵されている。
Instagram:@stephen_gill_
開催情報
「Stephen Gill」
会期:2026年9月11日(金)〜11月8日(日)
会場:art cruise gallery by Baycrew’s
住所:東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー3F SELECT by BAYCREW’S内
営業時間:11:00〜20:00(19:30最終入場)
協力:塩竈フォトフェスティバル
ウェブサイト:artcruisegallery.com
Instagram:@art_cruise_gallery