DAISY BALLOON|Mamiko Hirai「CALL|SIGNAL」、LAGで記憶と音の揺らぎをたどる展示を開催
本展では、表層にひび割れを持つバルーンを撮影した写真作品を中心に、それらを収めたブック「CALL」、さらに音楽家・平井真美子との協働によるレコード作品「CALL|SIGNAL」を展示。古楽器や廃材を用いた音響表現を通して、視覚と音、物質と記憶のあいだを往還する空間が立ち上がる。
DAISY BALLOONによる「CALL」シリーズは、公園で傷を負った少女と遭遇した経験を起点に展開されてきた。問いかけに応答することなく、ただ震えながら“言葉にならない声”を発していた少女。その記憶は時間の経過とともに変形しながら、作家たちの内部に残り続けているという。
作品に現れる亀裂や断片は、断裂した地表や未知の惑星を思わせる像として浮かび上がる。マクロとミクロを行き来する視点のなかで、記憶の粒子が漂流し、侵食し、あるいは結びつきながら変容していくプロセスに触れられる構成となりそうだ。
また、レコード作品「CALL|SIGNAL」では、音そのものが記憶の痕跡として空間に滲み出す。足踏みオルガンやミニピアノなど古い鍵盤楽器を用いる平井真美子の音楽は、静けさのなかに微かな震えを宿し、写真作品と呼応するように鑑賞者の感覚を揺らしていく。
会期最終日の5月30日(土)には、平井真美子による演奏と、DAISY BALLOON 河田孝志によるトークを交えたクロージングイベントも開催予定。記憶の奥に沈んだ輪郭が、音と光景のあわいからゆっくりと呼び起こされていくような時間となりそうだ。
アーティストステートメント
私たちは公園で傷を負った少女と出会い、小さな救急セットでできる限りの応急処置を行ないました。その間、少女は私たちの問いかけには応答せず、言葉にならない唸りのような声を発して震えていました。不完全な応急処置であった為、少女の不安を取り除いてあげられなかったことに私たちは酷く落ち込んでしまいました。
その日から、私たちの記憶には、その出来事が深く刻み込まれています。少女との記憶は 様々な形に変貌し、新しい世界を生み出しながら漂流し続けてきました。それから、私たちは記憶の中の少女とコミュニケーションを図るため、声よりも遥かに音が届くホイッスルを手にしました。少女の言語化できない声を受け取れるように。
私たちは離れたところからホイッスルを鳴らしながら少女が生み出す軌跡に近づき探索してきましたが、ある時、記憶の中で変貌し続ける世界の形そのものが少女のシグナルであることを発見しました。
記憶というものは、過去に体験した断片的な粒子が集合しあい、様々な形として漂流し、少しずつ浸食し消えていくものもあれば、時には繋がり合わさり壮大な形へと変容していくものもあるかもしれません。
DAISY BALLOON
作家プロフィール
DAISY BALLOON
バルーンアーティスト細貝里枝と、アートディレクター/グラフィックデザイナーの河田孝志によるアーティストユニット。2009年結成。「感覚と質」をテーマに、バルーンによる繊細な作品制作を続けている。主な展覧会に「CAPSULE」(Luftmuseum Amberg、2016)、「BALANCE」(Japan House São Paulo、2021)、「BIRTH」(West Bund Shanghai、2023)など。
ウェブサイト:https://daisyballoon.com/
Instagram:@daisyballoon_
平井真美子
音楽家。ピアノや足踏みオルガン、ミニピアノなど古い鍵盤楽器を用い、音の揺らぎや気配の変化に耳を澄ませた作品を制作。映画、ドラマ、ドキュメンタリー、現代アートなど幅広い領域で音楽を手がける。2012年S&R Washington Award受賞。
ウェブサイト:https://hirai-mamiko.com/
Instagram:@mamiko.hirai
開催情報
展覧会名:DAISY BALLOON|Mamiko Hirai「CALL|SIGNAL」
会期:2026年5月16日(土)〜5月30日(土)
休廊日:日・月・祝日
営業時間:13:00〜19:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
Closing Live & Talk:2026年5月30日(土)18:00〜20:00
入場料:3,000円(税込)
定員:30名 ※事前受付制
ウェブサイト:https://www.live-art-books.jp/lag/
Instagram:@lag_liveartgallery

