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LOUIS VUITTON 2026年秋冬メンズ・コレクション、水滴が映す“受け継がれる”テーラリング

Feb 12, 2026
<LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)>が、ファレル・ウィリアムスによる2026年秋冬メンズ・コレクションをパリで発表した。透明な家「DROPHAUS」を舞台に、テーマとして掲げた「TIMELESS」を、メゾンならではの精巧なテーラリングと、機能素材の組み合わせによって具体化。水滴を思わせる表現や撥水・反射素材は、装飾に留まらず、都市での移動や天候の変化といった現実の条件を服の設計に引き寄せる要素として機能していた。

LOUIS VUITTON 2026年秋冬メンズ・コレクション、水滴が映す“受け継がれる”テーラリング

Feb 12, 2026 - FASHION
<LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)>が、ファレル・ウィリアムスによる2026年秋冬メンズ・コレクションをパリで発表した。透明な家「DROPHAUS」を舞台に、テーマとして掲げた「TIMELESS」を、メゾンならではの精巧なテーラリングと、機能素材の組み合わせによって具体化。水滴を思わせる表現や撥水・反射素材は、装飾に留まらず、都市での移動や天候の変化といった現実の条件を服の設計に引き寄せる要素として機能していた。

今シーズンの<LOUIS VUITTON>は、テーラリングをコレクションの軸に据え、仕立てや素材選びの細部に変化を加えた。スーツ、テーラードジャケット、コートといった定番の型は、都市での移動や天候の変化も視野に入れた工夫を重ね、日常の中で着用される服として組み立てられている。端正さを保ちながら、長く着用されることを前提とした設計が随所に見られた。

透明な家「DROPHAUS」は、ファレルが建築プロジェクト「NOT A HOTEL」と協働して制作したプレハブ住宅。衣服を見せるという役割以上に、未来の生活を象徴する空間として存在していた。会場には香りの演出も施され、視覚や建築に加え、嗅覚まで研ぎ澄まされる環境の中でショーが行われた。

ジャケットやコートの表面に配された水滴の表現は、今シーズンを特徴づけるディテールのひとつ。雨粒のように繊細な刺繍や立体的な装飾は、光の当たり方によって浮かび上がり、衣服が水に触れる瞬間を視覚的に留める。撥水素材や、光を受けて反射するテクニカルヤーンを用いた生地と併用され、装飾と機能が同じレイヤーで扱われていた。

テーラリングには、チェックやヘリンボーンといったクラシックな柄が多く用いられた。反射性のある糸やテクニカルヤーンを織り込むことで、光の環境が変化する条件下での見え方や着用感にも配慮が加えられている。コートやスーツは、外見の端正さを保ちながら、環境と折り合いをつけるための服としてまとめられているように感じた。

素材の扱いには、今シーズンの方向性が顕著に表れていた。撥水加工を施したナイロンやシルクナイロンは、表面の艶やハリによって、レザーを思わせる表情に。あらかじめシワ感を残したアウターやジャケットも登場し、整った仕立ての中に、時間や偶然性を受け止める構造が取り入れられていた。

小物類にも、同様の視点が見られる。サングラスはフレームレスやラップアラウンド型など、視界や装着感を意識したフォルムで展開された。バッグでは、発光するモノグラムや、時計を思わせる金属的な意匠を取り入れたモデルなどが登場し、レザーグッズにプロダクト的な発想が持ち込まれている。ディテールに宿した遊び心からは、ファレルが手がける今の<LOUIS VUITTON>の空気を色濃く表現しているように思えた。

ランウェイには、メゾンのアンバサダーとして知られるベンベンも登場。コレクションの流れに沿った佇まいが、提案された服と着る人との距離を自然なものにしていた。

伝統的な仕立てを保ちながら、素材や加工で現代の環境に対応させる作りが、“受け継がれる”服としての説得力につながっていた。

LOUIS VUITTON
https://jp.louisvuitton.com/

  • All Photo : LOUIS VUITTON
  • Edit : Yukako Musha(QUI)

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