ROLD SKOVが初のジャパンツアーを開催、3都市を巡るデザイナーに密着取材!
<ROLD SKOV(ロード スコフ)>は、考案から制作に至るすべての工程をイタリアで行うコンテンポラリーなメンズウェアブランドとして知られ、ファッション感度の高い若者の間で注目が集まっている。この機会に初来日が叶ったデザイナーのフランチェスコ・ロッシーニは、取り扱い店舗でのポップアップショップ、限定アイテムの発売の他、DJとしての肩書きを持つことからクラブ「翠月(ミツキ – MITSUKI)」と「11747391」でのナイトイベントが実現した。今回のジャパンツアーのテーマは「架空のバンドチームを編成した音楽ツアー」。90年代のダンスミュージックからインスパイアされることが多い<ROLD SKOV>ならではのコンセプトだ。
私たちが密着をスタートしたのはツアー初日に行われたクラブ「翠月(ミツキ – MITSUKI)」でのナイトイベント。22時からスタートした本イベントは、開始直後からフランチェスコの来日を心待ちにしていた多くのファンによって埋め尽くされ、煌々と光るミラーボールとDJ セットの両脇に咲く月下美人のオレンジの輝きによって一夜限りの特別なひと時が祝福された。ダンスミュージックのリズミカルで反復的なビートによって、会場一体はエネルギーに満ち溢れる。
日本初となるイベントを前にフランチェスコは「ここにいられることがとても嬉しいです。素晴らしい国で、温かい人たちに囲まれてこのようなプロジェクトが実現できたことに感謝しています。」と語ってくれた。
続く、大阪のセレクトショップ「11747391」では広々としたショップを丸ごと<ROLD SKOV>のポップアップ限定アイテムと2024秋冬の新作アイテムがジャック。コミュニケーションが自然と広がる空間は、空想的かつクラフトマンシップを感じさせる都会的なブランドの魅力をドラマチックに伝えていく。会場には<ROLD SKOV>のアイテムを身につけるファンも現れ、フランチェスコと杯を交わすなど和気藹々としたムードが流れていた。
フランチェスコは暖かく迎えてくれた多くのファンに感謝の言葉を残した。
「ありふれた言葉かもしれませんが、この数年間にいただいたサポートと信頼に対して感謝の気持ちしかありません。これからも全力を尽くして彼らが誇りに思えるようなコレクションをデザインし、<ROLD SKOV>を着ることで自分が表現されていると感じてもらえるように恩返しができればと願っています。みんな本当にありがとう!」
ROLD SKOV のデザイナー フランチェスコ・ロッシーニにインタビュー!
ー 今回のジャパンツアーが実現したきっかけを教えてください。
日本でツアーをするというアイデアが生まれたのは約1年前のことです。今では素晴らしい友人でもある、私のエージェントが2020年のコラボレーションが実現した初期から提案をしてくれていました。しかし、その数週間後にコロナウイルスが発生し、当然のことながら延期を余儀なくされました。ただ、今となってはブランドがより成熟したこのタイミングが適切だったのだと感じています。彼が初めて、このプロジェクトを提案してくれたときは本当にわくわくしました。特に私自身、これまで一度も日本を訪れたことがなかったので観光客としてだけでなく<ROLD SKOV>のために行くことを考えると、特別な満足感と大きな喜びがありました。
ー 日本に上陸した当初から<ROLD SKOV>を取り扱っている「KIOSQUE CC」、「CANNABIS」、「11747391」に初めて訪れた印象を教えてください。
想像をはるかに超える素晴らしいものでした。Instagramのストーリーでしか見たことがなかったショップに、ついに訪れることができたのは本当に感激でした!
ポップアップツアーの初日の午前中に「KIOSQUE CC」のスタッフの皆さんと直接会って、イベントのために特別に用意された力強いディスプレイを目の当たりにしました。一目で心を奪われ、信じられないほど嬉しかったです。ショップは美しく、スタッフは皆さん素晴らしく、彼らの熱意はすごかったですが、それ以上に私が興奮していました。
その後、「CANNABIS」の皆さんのところにも行きましたが、彼らもすごくクールでコンセプトもとても気に入っています。実は以前に、パリのファッションウィークで会っていたのでこの機会に再会できて本当に嬉しかったです。彼らのスタイルやネットワークが大好きで、<ROLD SKOV>とのコラボ商品を店の入り口の窓際に見えるラックに設置してくれていました。誰が入っても素敵な歓迎が感じられる演出でした!全体的に、私や<ROLD SKOV>に対して圧倒的な熱意で迎えてくれる方々が多く、時には少し照れるくらいでした(笑)。
特に東京ではファッションへの強い愛着があることは知っていましたが、実際にその場を経験してみると、とても美しいアプローチだと思いました。強い好奇心に突き動かされているようで、周りの皆さんがみんなスタイリッシュなんです!
ー 「翠月」のイベントはどんな狙いがありましたか?
私自身にとっても<ROLD SKOV>にとっても、非常に重要なこのイベントを忘れられない最高の形で祝いたいという思いでした。私は15年ほど前から情熱的にDJをやっており、今回「翠月」のような素晴らしい会場でそれができると聞いたときは「すごい、なんて幸運なんだ!」と思いました。会場は熱意に囲まれ、素晴らしい歓迎を受けることができて関わってくださった皆さんには感謝の気持ちが尽きません。たくさんの日本の新しい友人たちと出会った最高のパーティーは、クローズする時間まで熱気に包まれていました。
ー 今回のイベントを通して日本のクラブシーンについて感じたことを教えてください。
クラブの階段を降りて、ダンスフロアのドアを開けた瞬間、驚きの連続でした。手入れの行き届いた親密な場所、しかも、最高のサウンドシステムがあるなんて全く予想していませんでした。私の前にプレイしていたDJの皆さんのおかげで会場の雰囲気がすぐに温まり、私の番が来た時には宇宙的なハウスミュージックの旅を始めることができました。この選曲が黒い壁とオレンジのネオンがある会場にぴったり合ったと感じて、素晴らしい夜でした。日本の音楽シーンが質の高いものだということは知っていましたが、その証拠をこのパーティーで確かめることができました!
ー 音楽とファッションを愛するフランチェスコ・ロッシーニさんにとってクラブとはどういう場所ですか?(以下:フランチェスコ)
何千人もいるクラブではなく、親密な空間や、いわゆるニッチな場所が好きだと言えます。イタリアのアドリア海沿いに住んでいたときには、イタリアの音楽シーンの歴史を刻んできたクラブが数多く存在していて長年ディスコに通っていました。ファッションというよりも「服」という言葉の方が自分にしっくりきますが、この点でも同じように行動してきました。つまり、半ば無名のブランドを見つけて着るのが好きで、他の何千人もの人と同じ格好をするのは耐えられません。音楽や服装において、特定のテーマを深く掘り下げ、群衆から自分を差別化したいという欲求は常に変わりません。
ー 今日のご自身のコーディネートについて教えてください。
今夜は<ROLD SKOV>のトータルルックを着ています(笑)。今季の2024秋冬コレクションからのダークグレーのワイドデニム、ローコットン製のホワイトバットフィットシャツ、そして仕上げにブラックのエコレザー製「Leedsジャケット」(2023春夏モデル)を羽織っています。気候もこのスタイルにぴったりでとても快適です!
ー フランチェスコさんが今後挑戦したいことを教えてください。
私の最大の挑戦、いや野心といえるのは、シーズンごとに主要な国際市場に向けてますます展開していくことです。<ROLD SKOV>が世界最高のコンテンポラリーショップで流通され、話題になるように全力を尽くして戦っていますが、幸いなことに、この点に関しては順調な道筋を歩んでいるので謙虚に一歩ずつ進んでいけば良いと思います。一方で、音楽も確かにそれを手助けするものになり得ています。前にも述べたように、人々の関係がブランドの命運を左右する現代において、音楽とファッションが交わることで生まれるつながりは非常に重要です。製品が速いペースで生まれていく世界で、何かを語ることでのみ「クール」である機会が得られます。自分らしいスタイルを見出し、ブランドのキャラクターを際立たせることが必要であり、音楽はそのための重要な手段であり続けるでしょう。
<ROLD SKOV(ロード スコフ)>は考案から制作に至るすべての工程をイタリア国内で行うコンテンポラリーメンズウェアブランド。どのコレクションにおいても一貫したアイデンティティで表現し続けるのは、一つ一つのプロダクトが、私たちが今生きる社会から放たれるコードを読み解きカタチにしたものであること。シーズンに左右されることなく、自由に考え、選択に対する“責任”を持つことを本質としながら、空想的なデザインとクラフトマンシップを組み合わせている。現代的な生き方に馴染む完璧なバランスを求め、特別な服作りを目指している。現代人に合うシルエットや着心地を追求したリラックス感のあるシルエットと生地が特徴だ。
- Photograph : Toma Uchida
- Edit : Miwa Sato(QUI)