資生堂ギャラリーで「今はいつのことか―小村雪岱と玉山拓郎」開催、約100年を隔てた2人の表現が交わる
小村雪岱は、日本画をはじめ、挿絵や装幀、舞台美術など幅広い分野で活動した美術家。1918年から1923年まで資生堂意匠部に所属し、現在も使われている「資生堂書体」や和文ロゴタイプの基礎の成立に深く関わった。繊細な線や余白を生かした表現で知られ、その作風は資生堂のデザインにも影響を与えている。
展覧会タイトルは、雪岱が1937年に発表した随筆「古寺巡り」の一節「現在が今の事か昔の事か分らなくなる」に由来する。本展では、雪岱の作品や思想、彼が生きた時代の銀座から着想を得た玉山が、新作インスタレーションを制作する。
玉山の新作は、スリガラスの光、半透明の布、ステンレスの磨き加工による鏡面という3つの要素で構成される。光や像、空間の境界が変化するなかで、鑑賞者の視点や身体の動きに応じて風景が移り変わり、過去・現在・未来が折り重なる時間感覚を生み出す。

『銀座』1921年 192 × 133 × 23mm 資生堂企業資料館収蔵

香水 菊 1920年頃 資生堂企業資料館収蔵
会場では、資生堂が収蔵する小村雪岱の資料3点に加え、雪岱が活躍した当時の銀座の映像や資料も紹介する。1921年の『銀座』や1920年頃の「香水 菊」など、雪岱が資生堂在職時に手がけた作品を通して、当時のデザインや銀座の文化に目を向ける。1919年の開廊以来、銀座とともに歩んできた資生堂ギャラリーを舞台に、約100年を隔てた2人の表現を重ね合わせる構成となる。
プロフィール
小村雪岱(こむら・せったい)
1887年川越生まれ。1908年、東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科卒業。1914年に泉鏡花『日本橋』の装幀で高い評価を受ける。1918年から1923年まで資生堂意匠部に所属し、和風のデザインを担当。その後、邦枝完二の新聞小説『おせん』の挿絵で知られるようになり、歌舞伎や新派の舞台美術も数多く手がけた。1940年逝去。資生堂は現在、70点を超える雪岱の作品・資料を収蔵している。
玉山拓郎(たまやま・たくろう)
1990年岐阜県生まれ。東京都在住。愛知県立芸術大学を経て、2015年に東京藝術大学大学院を修了。家具や日用品のようなオブジェクト、室内空間をモチーフに、鮮やかな照明や音響を組み合わせたインスタレーションを制作する。2025年に豊田市美術館で個展「玉山拓郎:FLOOR」を開催。令和7年度(第76回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)を受賞。
Instagram:@takurotamayama
開催情報
「今はいつのことか―小村雪岱と玉山拓郎」
会期:2026年11月3日(火)~2027年2月28日(日)
会場:資生堂ギャラリー
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
開館時間:平日 11:00~19:00、日・祝 11:00~18:00
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合も休館)、2026年12月21日(月)~2027年1月11日(月)
入場料:無料
主催:株式会社資生堂
お問い合わせ:03-3572-3901
ウェブサイト:https://gallery.shiseido.com/jp/
Instagram:@shiseidogallery
X:@ShiseidoGallery
