本展では、夜の光と蜘蛛の巣のイメージを重ね合わせて描く「Web」シリーズと、文学者の肖像「Gaze」シリーズを中心に展示される。絵画の内と外、現実と想像のあわいを行き交う視線の動きがモチーフとなっている。

小柳は、「対象を求めて表面にまつわるまなざしの軽やかさ、寄る辺のなさは、眠れない夜に去来するとりとめのない想念に似ている」と語る。漠然とした不安や記憶、感情のかけらが静かに浮かび上がるその筆致は、見る者を深い内省へと誘う。

静かな緊張感をまといながら、どこかで私たちの記憶と接続しようとする、小柳の描く世界をぜひ体感してほしい。

Web #32、2025、油彩、麻布、パネル 50 x 50 cm

Gaze #1 (Hyakken Uchida)、2024、油彩、麻布、パネル 40×30 cm

小柳 裕
1977年和歌山県生まれ。成安造形大学を経て、京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。現在は京都を拠点に活動。ケンジタキギャラリー（東京・名古屋）を中心に継続的に個展を開催している。
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たとえば眠れぬ夜は
会期：2025年10月17日（金）〜11月15日（土）
会場：ケンジタキギャラリー 六本木
住所：東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F
開廊時間：12:00〜18:00
休廊日：日・月・祝
TEL：03-3478-5007
公式サイト
Instagram：＠kenjitakigallery