平松⿇による初個展「Inner Existence」、中⽬黒・104GALERIEで8/23(土)まで開催中
平松⿇は1982年東京⽣まれ。独学で絵を描き始め、2012年より本格的に作品制作を開始。オイルペインティングを中心に、新聞や雑誌・書籍の挿画、執筆も手がけながら、幅広い表現活動を展開してきた。

IN/OUT 03 2025 oil on canvas 53 x 45 cm
本展「Inner Existence」では、平松が一貫して幼少期から自身の中に実在する風景を探究し続け、プリミティブで寂寞とした情景を表出させる姿勢がうかがえる。制作において「不可視を可視化する」という姿勢を積み重ねてきた平松は、雲やシーソー、土や石の塊、線といったモチーフを描き続けてきたが、本展に向けて描いていく中で、初めて可視化できるものの中に不可視を確認することができたという。内だけではなく外の時空で触れることができるものをモチーフとしながらも、体内風景へと潜るような制作の姿勢が投影された作品群は、彼女にとって新たな境地を示している。

Cloud 2025 oil on canvas 162 x 162cm

Inner Existence 2025 oil on canvas 91 x 65 cm
平松の制作には、絵具を塗り重ね、削り、さらに塗り重ねるという物理的な行為が組み込まれている。そのプロセスは、彼女が幼い頃から惹かれていたという「根来塗(ねごろぬり)」にも通じる。漆の経年変化に宿る美しさのように、絵具の層が時間とともに質感を帯び、画面に密度と深みを与えている。
昨年のグループ展で好評を博した平松が、本展で104GALERIEでの初個展に臨む。静かに立ち現れる風景の層に、ぜひ直接触れてみてほしい。
【作家プロフィール】
平松 ⿇ | Asa Hiramatsu
1982年東京都生まれ。画家。自身に内在する景色を描く。挿画や執筆も多数手がける。
主な作品:川瀬慈『見晴らしのよい時間』(赤々舎 2024)、レイナルド・アレナス著・安藤哲行訳『真っ白いスカンクたちの館』(インスクリプト 2023)など。
https://www.asahiramatsu.com/
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【開催情報】
展覧会名:Inner Existence
会期:2025年7月12日(土)― 8月23日(土)
会場:104GALERIE(東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCEビルB1F)
開廊時間:11:00 - 17:00
休廊日:日曜・祝日、8月10日〜17日
観覧料:無料
ウェブサイト:www.104galerie.com