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写真と映像の“身体”を見つめる、東京都写真美術館「TOP コレクション トランスフィジカル」が開催中

Jul 18, 2025
2025年に総合開館30周年を迎える東京都写真美術館にて、記念企画展「TOP コレクション トランスフィジカル」が9月21日(日)まで開催されている。

写真と映像の“身体”を見つめる、東京都写真美術館「TOP コレクション トランスフィジカル」が開催中

Jul 18, 2025 - NEWS
2025年に総合開館30周年を迎える東京都写真美術館にて、記念企画展「TOP コレクション トランスフィジカル」が9月21日(日)まで開催されている。

本展のタイトルは「トランスフィジカル」。フィジカルは「物質的」「身体的」といった意味を持ち、本展では、モノとして存在する写真の「物質性」や、被写体や作家自身の「身体的表現」に着目する。また、「トランス」という接頭辞は、対象がそのもの自体から、別の形態や位置へ移動していくプロセスや行為を意味する。開館30 周年という節目にあたり、これまでのコレクション作品を新たな視点から読み解き、イメージがつくられていくその豊かな過程へ目を向ける。デジタル化が進む現代において、当館の珠玉の名作が、写真・映像の現在に鮮やかな一石を投じることだろう。

展示は5つのテーマで構成される。19世紀から続く写真と絵画の関係を多面的に読み解く『第1室 撮ること、描くこと』、ダンスを通して身体表現の衝動をとらえる『第2室 dance』、色彩表現の変遷と拡がりを体感する『第3室 COLORS』、コンセプチュアル・アートの影響下にある実験的な写真・映像作品を紹介する『第4室 虚構と現実』、そして“ヴィンテージ”という言葉を手がかりに写真の「唯一性」や「実体」を問い直す『第5室 ヴィンテージと出会うとき』。

日下部金兵衛《風にあおられる着物》1881-1912 年 横浜写真アルバム

小本章《90-23》〈Seeing〉より 1990 年 銀色素漂白方式印画 ©Komoto Akira

山城知佳子《OKINAWA 墓庭クラブ 》〈墓庭シリーズ〉より 2004 年シングルチャンネル・ヴィデオ

注目は、第4室でのアーウィン・オラフ作品の初展示。2020年のパンデミック下で撮影された〈April Fool〉や、絵画的構成をもつ〈Im Wald〉シリーズの大型プリントが出品される。また、第5室では、19世紀の最古級カラー写真やモホイ=ナジのフォトグラム、明治期の貴重な写真原板も登場。コピーが容易になった今だからこそ、“原画”の存在がより強く立ち現れる。

アーウィン・オラフ《Auf dem See》〈Im Wald〉より 2020 年 アーカイバル・プリント ©Erwin Olaf Courtesy of KONG Gallery – Seoul, Korea 作家蔵

アンセル・アダムス《月とハーフドーム、ヨセミテ渓谷、カリフォルニア州》1960 年 ゼラチン・シルバー・プリント ©The Adams Publishing Rights Trust.

主な出品作家
アンセル・アダムス/ウジェーヌ・アジェ/アンリ・カルティエ=ブレッソン/ルイ・デュコ・デュ・オーロン/ウィリアム・エグルストン/ロバート・メイプルソープ/アーウィン・オラフ/ゲルハルト・リヒター/シンディ・シャーマン/チェン・ウェイ/石原友明/出光真子/今井壽惠/岩根愛/瑛九/エキソニモ/オノデラユキ/川内倫子/小本章/小山穂太郎/鈴木のぞみ/田口和奈/多和田有希/東松照明/内藤正敏/野村佐紀子/浜田涼/細倉真弓/森村泰昌/安村崇/山沢栄子/山城知佳子/山本糾 ほか

総合開館 30 周年記念 TOP コレクション トランスフィジカル
会期:2025年7月3日(木)〜9月21日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:〒153-0062 東京都目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜は20:00まで、8/14〜は21:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:毎週月曜(祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
観覧料:一般 700円、学生 560円、高校生・65歳以上 350円
※中学生以下・障害者手帳所持者と介助者は無料
※8/14〜9/19の木・金曜17:00〜21:00はサマーナイトミュージアム割引あり
公式サイト:https://topmuseum.jp/
Instagram:@topmuseum

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